-LOVE LETTER FOR YOU -
今日は2月24日。期末テスト真っ盛り…。はあ、気が重いよう。
京にいた頃は、テストのことなんか考えなかったのになあ…。
私の名前は、元宮あかね。
入学式の後、突然古井戸から落ちてしまったら…そこは平安の京世界だった。
いきなり「龍神の神子」として京を守るように言われて、
何かわからないまま、平和を守らなくっちゃという気持ちで一生懸命頑張ってきた。
そして…平和を取り戻して、元の世界に返ってくることができたんだけど、
あの時は、「神子様」といわれて大事にされてきたのに、
現代では「普通の女子高生」なんだよね…。
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴って、私は大きなため息をついてしまった。
今日のテストは終ったけど、まだまだ難関が待っているんだもん。
だって、明日は苦手な数学のテストなんだよ!
「おい、なんだよ。そんなため息なんてついてさ。」
ふと振り返ると、天真くんが笑っていた。
森村天真くんは…クラスメイトで友達。
そして、京の世界に一緒に行った仲間。
神子である私を守る「八葉」の1人に選ばれて、
一緒に戦って、そして、戻ってきたんだよ。
天真くんは、私にとって、親友みたいなものかな?
男の子とか女の子とか関係なくって、
気兼ねなく話せるっていうのか…そんな感じ。
京に一緒に行ったのは、私と天真くんとそして…。
流山詩紋くん…1年下の中学生。
詩紋くんは、かわいくって優しくて、普段はおとなしくて頼りなく見えるんだけど…でもいざとなる時にはとても強くって、
誰よりも頼りになるんだよ。
私、こっちにいたときには、優しくておとなしい詩紋くんしか知らなかったけど、
京で「八葉」に選ばれて、一緒に戦った時に…、強くてかっこいい面を見せてくれた。
詩紋くんがこんなに頼りになるなんて、全然思っていなかったから、私は最初はびっくりしたけれど、
今はそういうところが……。
「おい、あかね。お前いったいどうしだんだ?」
「ごめん、ちょっとぼーっとしちゃって。うん、明日私の苦手な数学だから、ちょっと落ち込んでいただけなの。」
明日、数学のテストで落ち込んでいたのもあるけれど、それに明日は………。
「ああ〜、明日数学かよ。イヤだよな。」
でも、なんか天真くんは余裕みたい。顔が笑ってるもん。
「あかね、今日一緒に帰らないか?」
「うん。」
私は笑って天真くんと一緒に教室を出た。
外は風が冷たいけど、空気はとても澄み切っていた。
二人で並んで歩きながら、しばらくたわいもない話をしていた。
ふと天真くんが立ち止まって、私のほうをじっと見てきた。
「おい、あかね。お前明日何の日か知ってるか?」
突然天真くんがマジメな顔をして私に話し掛けた。
「えっ、明日?何かあったっけ?」
私は天真くんの方を向いて、笑いながら答えた。
「お前……明日は大事な日じゃないのか?」
天真くん、何か怒ったような顔をしている。
「あいつのことが好きなんだろ?バレンタインの時に本当はあいつに飛び切りのプレゼントをしたかったんだろ?」
………天真くん、もしかして、気が付いていたの?
私の気持ちを。
私が黙っていると、天真くんは、
「あのなあ、オレにはお見通しなんだよ。お前の顔見てるとな。
それにアイツの話をしている時とか、ウキウキしていただろ?」
…完全にばれている。
「……うん、天真くんはいつから知っていたの?」
天真くんは、怒っていた顔が急に優しい顔になって私に笑いかけた。
「こっちに戻ってきてからしばらくしてから気が付いた。
あのなあ、お前とオレの仲だろ?お前がアイツを好きでもオレとお前の関係が変わるものか!」
私、天真くんと今まで通りに話が出来なくなるのが怖かった。
だから、ずっと打ち明けずにいたのに、すっかりばれていたなんて……。
「オレはお前のこと、好きだけど…そのなんだ…。えっとなんていっていいのかわからねえけど、
そういうような好きとかというんじゃなくて、大事なかけがえのないダチだと思ってる。
だから、お前も素直になれよな。」
天真くんは、やっぱり大事な友達だよ。その気持ちがとてもうれしかった。
「うん、ありがとう。」
天真くんは私のその言葉を聞いて、
「じゃあな、明日は笑顔で胸はって来いよ!」
といって走り去っていった。
…私は、明日のテストで気が重くなっていたのもふっとんで、軽い足取りで家路についた。
数日後、テストが終ってから、天真くんと久しぶりに一緒に帰った。
「だってよ〜。2人の邪魔なんでできないしな。」
天真くんはそういって私をからかう。
今日は彼は、模試を受けに行くからって先に帰っちゃったから。
来月から一緒の学校に行くことが出来るはず。
そうしたら、また楽しい時間が待っている。
あの時、天真くんに言われなかったら、
私は勇気が出なかったはず。
大嫌いな数学のテストが終ってから、待ち伏せして、
前から密かに準備していたマフラーを渡して、
「お誕生日おめでとう。そして、これからもずっと私のそばにいてくれる?」
って言うことができた。
彼はにっこり笑って、
「僕はずっと前からあなたが好きでした。」
とそのプレゼントを受け取ってくれた………。
それからほとんど毎日彼と一緒に帰っている。
たわいのない話をしたり、マジメな話をしたり。
私が落ち込んでいたら、優しくつつんでくれて、
元気付けてくれた。
これから私もあなたも大人になっていくけれど、
この穏やかで幸せな日々が続いていって、
いつかはあの京とつながっているあそこで、
永遠の愛が誓えますように……。
〜FIN〜
これはあかねちゃんの視点で書いてみました。
天真くんが微妙な役回りになってしまいました。
詩紋くんのお誕生日記念なのに、出番がほとんどないってどういうことでしょうか?
私が自分に聞きたいです(苦笑)
ここから先の話は、想像してみてください。
きっと甘い世界が待っているはずかな?