1.吠えろ
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60年代のビートルズのような出だし。スタジオライブっぽい空気もそんな印象。プロデュース小山として今回はこの風のアルバムを目指したんだな、と分かった。 都会に住んでいると、吠えることなど滅多にない。都会では泣かない、喜ばない、殺されない。それとなく悲しんだり、耐えることを常として、肯定的に笑うことを覚えた。まだ大丈夫と歌って、オレはこの辺で吠えるのだろうか。否、吠えずに生きることだって、充分に良い。 難しい、囚われの者たちが、政治的に解き放たれて、産業革命の勝者と敗者が吠えて、グランドゼロにその傷跡を残した。聴いていると、もうテーマは種に飛んでしまう。いや、実は種が飛んでいくんだ。 |
2.ジオラマ
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高橋研の作詞。歌は小山らしい。高橋の歌詞はやはり「うまく」まとまっている。小山じゃないことがそこで分かるおもしろさ。たつのすけのキーボードが印象的。昨年のツアーで小山の頭にこのバンドの音が鳴っているんだろう。作曲にもそのアレンジを描きながら。 |
3.今夜のアリバイ
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イントロのブラスで50年代のソウルと思ったが、そんな曲は小山は書かないな。しかしながら、ウラを使った少しそれっぽい曲。タイトルがやるせないオチのこの曲では、こんな軽いリズムが合うんだろう。 男はいつも女の毒を思いながら付き合っている。恋人を猫に喩える由縁。女はきっと男に毒なんて感じていないだろう。男の毒はもう外に現れているんだから。そして、女から必ず離れていくんだよ。男から今、言おうという時でさえ、その少し前に。 |
4.ある夜の電話
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男と女の歌が続く。10秒くらいを歌にしている。卓治はまだ電話を見つめる時があるのだろうか。オレはもう次の作戦に移っていたりするのだが。 |
5.夕陽に泣きたい
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これも高橋研作詞。収まりのいい歌詞に、聞きやすいサビ。聞きやすい歌。オレは最近泣いてない。オレを不安にさせない、今のオレは。 |
6.ユリエ
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核と成り得る歌。ライブで聴いていたので、心に、驚き無く素直に入ってきた。静のアレンジで、ユリエはやや現実に動じつつ、静かに佇んでいる。ヒヨドリの声を歌詞に取り入れる小山のセンスは良い。ヒヨドリの鳴き声でこの歌は救われず、聴ける唄になっている。 |
7.汚れたバスケットシューズ
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ガツンと来ると思ったんだが、よくライブで聴く歌だった。ついでにライブテイクだった。ロックではなくカントリー。普遍的な今の唄でなく、主人公は昔を思い出していた。オレもそうした。あの頃のバスケットシューズなんて不思議とやたら早く汚してしまいたかったよな。 「まあ相変わらずだ」と歌う小山にホロリとくる。 オレらが求める歌を彼は必ず歌っていくわけではないが、彼はまだギターを抱えて歌っていくしかねえんだな、と。 負けずに歌ってくれ。 |
8.Soulmate
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オレ達のソウルメイトは一体どれくらいのやつらなんだ。 結局一人だと分かっているから、探すのだね。こんな説明はいらねえか。 |
9.種の歌
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タイトル曲。後半は合唱。実は合唱「吠えろ」とセットで聴きたい曲だ。そうした方がこの歌を誤解せずにすむような気がする。 幸せの空間にないと誰も花に気づかない。花はいつも変わらず、そこにあっても、人の思いが錯綜するときに、誰も花を見ることはしない。 良い歌だが、オレは合唱が苦手なの。トラウマかな?小学の音楽の時間のなんかの思い出が。 |
10.最初の奇跡
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ラブソング。奇跡を感じるとき。そんなことなかなか無いことだから。今が永遠であるなんて、明日を本当に信じられるなんて、新しいキスが今度は二人をどう導いていくのか。今の小山の歌なんだろう。 |