LIVE

2004.05.28.fri. なんばHatch
01.実弾
02.生活
03.神のカルマ
04.I・N・M
05.希望
06.夢
07.回送
08.変態
09.パープルムカデ
10.Mouth to Mouse
11.サイケデリック後遺症
12.ex.人間
13.メリモ
14.ハミングバード
15.My Song

E01.My Love's Sold
E02.リアル
E03.イエロウ
E04.Drawn the light

E05.天才
E06.coup d'Etat
E07.空をなくす
E08.Sonic disorder
E09.Your eyes closed

E10.落堕
E11.真空
E12.明日を落としても


ロックはダンスだ。踊らないダンス。手足は彷徨う。

五十嵐のDANCE。歌に舞い、芯のある酔いどれみたいに。フラフラしゃがみこんで最前の子に目を合わせて歌うそんな姿。今日は4人バンド。前半6曲まで彼はボーカルマイクのみで歌った。サポートは藤田氏のハムバッキングのギター。新しい形。「神よ恵みを」の声。神のカルマまで3曲を一気にタタみかけ客のうねりに身体をくねらせ突っ走る。I・N・Mは少し割れた音のベースのイントロ。五十嵐は上を見上げ立ち尽くして膝に手をのせ、床を踏みしめて、とつとつと歌ってるように思えた。何かを思い出そうとしているみたいに。夢では、始めスタンドマイクで、そしてマイクを手に取り、絶叫。終わりにはっきりした声で「ありがとうございます」
回送からその日初めてギターを手に持つ。ツインギターでサポートがシーケンス効果を出すような音出し。五十嵐の早いギターストローク。こういうのがsyrupにとっての初めてのライブ音なんだな。ムカデでは完全にバンドは一体に。完全にリズムを合わせる楽曲。一人一人にスポットライトが当たり、曲と合った照明。Mouth to Mouseから彼は座ってギターを弾いた。次にアコギに持ち替え、サイケデリック。少し意外な選曲。こんな曲でさえ、中畑のドラムがロールしてくる。ex.人間はサビの前の音をハーモニックスぽく弾いていた。メリモでまたもや会場は興奮。お決まりの台詞も決めて、メリモの絶叫。なんだか『メリモ』の意味がわかったような。
客席に少し明りが当たってハミングバード。やっぱギターはギブソン。多分、ハミングバードかな?そしてMy Songのイントロ。この曲はsyrupのいろんな楽曲の最後に聞くといいね。いろんな感情の終わりにこの歌は合う。
アンコール一曲目。なんとアコギのカッコいいストロークではじまるMy Love's Sold!これはかっこいいぜ。その腕の振りの大きいストロークも。ギターがふたりなのでいろいろ試せるんだな、なるほど納得。リアルでは途中でブレイクが入ってこれも面白い。
2回目のアンコール。天才で盛り上がり、やはりクーデター。「神の声さ」でギターを掲げる。そうだ、神の声はギターのこれなんだ、って教えてくれる。Your eyes closedで会場は少し落ち着く。
みんな、でも分かってる。アンコールの決まり。果たして3回目のアンコールで、前回どおり中畑のドラムソロからキタダが入り客席に「来いよ」のポーズ。落堕→真空。メンバーはみんな去り、最後に弾き語りの「明日を落としても」強いギターストローク。カポで開放弦がきっちり鳴らなくても不思議にその音がかっこいい。Tシャツの肩で口を拭いサビに入る。声はきている。歌い終わると軽く挨拶して五十嵐はさっとステージを離れた。残されたギブソンは椅子の上でユラユラと揺れていた。
今日はアンコールの前でもう、納得できる素晴らしいステージだった。恥ずかしがる彼と、時折見せる自信、自分に入っていく彼。弱々しさをもマトモに出してくる顔、歌詞にのせる強いメッセージ。その人間の正直さで気持ちがいっぱいになった。
こんなライブがまた見たい。

2004.01.17.sat. 大阪BIG CAT 

01.Reborn
02.夢
03.パープルムカデ
04.Everything is wonderful
05.タクシードライバーブラインドネス
06.生きたいよ
07.Sonic disorder
08.神のカルマ
09.回送
10.ex.人間
11.coup d'Etat
12.空をなくす
13.My Song

E1. もったいない
E2. イマジン
E3. シーツ

E4.生活
E5.明日を落としても
E6.汚れたいだけ

E7.落堕
E8.真空
E9.She was beautiful


初シロップ。連番は600を越えていた。正面右手やや後ろの手すりを背中にしたところを陣取る。Tシャツにタオルを首に巻いた女の子らが前の客の中に入り込んでく。そんなノリノリなんかな。開演前にはほぼ満杯。ギューギューにはならずに済んだ。10分ほど遅れてスタート。
ミディアムテンポのRebornが始まる。このバンドはライブが良い、と直感した。中畑のロールするドラムに好感。三人編成だとドラマーは存在感あるね。真ん中でよく見えるし。サビでの手数がオリジナルより増してきて、良い挿入感、導入感。五十嵐無言、夢を歌う。少し遠い上を見つめて、ファルセットが天井を掠めていくような感覚。ムカデの影をバックにパープルムカデ。リズムを確認するように確実な進行の分、きっちり決まった。これ弾き語りでも聴きたい。
Everything is wonderfulはオリジナルより良かった。途中で中畑のドラムが走るに見えたが、はっきりテンポを上げて曲に変化をつけてきた。次のイントロはタクシードライバーブラインドネスだ。が、もう一度やり直し。続いて、生きたいよ。いい歌詞。ノリより聴ける曲の選択はオレには初シロップを感じやすくてよかった。Sonic disorder、オレFree Throw持ってない。買わなくちゃね。神のカルマ、好きな曲だ。イメージ通り。回送。ガツンとくるギターストロークの音の余韻を感じる。コーラスとディレイでかつ歪んだ、透明感に少し濁りを加えた音。五十嵐のストロークスタイルはフォークギターのそれに近い。それってギター弾きにはうれしいんだな、これが。強いアタック。
ex.人間のギターのミュートから実音に変わるこの曲はやはりライブで聴きたかった一つ。五十嵐の限界に近い一番高い音階の声が掠れたり出なかったりするのも彼の「魅力」の一つなんだろう。或いはそこを意識して楽曲を作っているような気もする。詩のイメージと相まって所謂彼らしい曲なんだな。
coup d'Etatから空をなくすへ。かき鳴らすギターからハイポジションのキタダのベース音が飛び込んでくる。前の客が揺れてくる。やっと、前列のモッシュに熱が伝わってきた感じ。曲のブレイクするところで、彼らのコブシもリズムを捜して宙を漂う。最終曲は、お約束かな?のMy Songだった。
あっさりステージを後にしてすんなりと戻ってきた。すうっと、もったいないを始めだす。もったいない。イマジン。My Songからは4曲目。夢と離してやったわけだね。シーツ、これも淡々として重くて今日のベスト曲の一つ。五十嵐のロックってジャンルが分けられないね。
再度、登場。生活、ステディなギターとベース。明日を落としても、汚れたいだけ。この流れは、もう一回のアンコールを予感する曲構成だ。
果たして現れた。中畑が先にセットの前に座る。ドラムソロ。少し叩いては休み、また短く叩く。ドラムが繋がってきたところで五十嵐登場。手ぶら状態、ハンドマイクで登場。はあ?あ、前のMCでギターを二人編成にしてオレは自由に動き回りたいって言ってたことの実践か。など考えている内にドラムとベースのみで歌う。歌詞から落堕と分かった。メロディを崩し気味に、膝を曲げ時折首を苦しそうに斜め上を見上げて歌う。このパフォーマンスに会場全体が沸き立つ。ステージは一気に赤の照明に変わり、真空へ。前列、客の頭で連なる「山脈」が大きくタテに揺れる。このアルバムも買わないとね。最終曲、She was beautiful。意外に見えていい終わり方なんだなあ。ギターのディレイサウンドが最後まで心に残った。
五十嵐のMCって思ってることの逆を言うんだね。大阪はこれが最後だって言って、やっぱ来るって言ってみたり。暑いはずなのに寒いって言ってみたり、で最後むちゃ盛り上がったり。恥ずかしがり屋なのね。じゃあ、泣いちゃったっていうのは、ほんと、どうだったんだろ。シーツって曲には、どうしようもない真実があって、それは彼の心の中にずっと秘められるのだろうか。
どちらにしても曲数こなして徹底的に歌ってくれたことが純粋に良かった。ロックアーティストはやっぱ歌ってなんぼ。3人バンドは清潔でイイ。