申し訳ない
私は皇帝になりたくない
支配したくない
できれば援助したい
ユダヤ人も、黒人も、白人も
人類は、お互いに助け合うべきである
他人の幸福を念願として
お互いに、憎しみあってはいけない
世界には、全人類を養う富がある
人生は自由で楽しいはずなのに
貪欲が、人類を毒し悲劇と流血を巻き起こした
スピードも意思を通じさせず
機械は貧富の差を造り
知識を得て
人類は懐疑的になった
思想だけがあって、感情がなく
人間性が失われた
知識より、思いやりが必要である
思いやりがないと、憎しみだけが残る
航空機とラジオは、我々を接近させ
人類の良心に呼びかけ
世界をひとつにさせる力がある
私の声は、全世界に伝わり
失意の人々にも届いている
これらの人々は、罪もなく苦しんでいる
人々は、失望してはならない
貪欲はやがて姿を消し
恐怖はやがて消え去り
独裁者は死に絶える
大衆は再び元気を取り戻し
自由は決して失われぬ
兵士、諸君
犠牲になるな
独裁者の奴隷になるな
彼らは諸君を欺き、犠牲を強いて
家畜のように、追いまわしている
彼らは、人間ではない
心も頭も機械に等しい
諸君は機械ではない
人間だ
心に愛を抱いている
愛も知らぬものだけが、憎しみあうのだ
独裁を排し、自由のために戦え
”神の王国は、人間の中にある”
すべての人間の中に
諸君の中に
諸君は、幸福を生み出す力を持っている
人生は等しく、自由であり素晴らしいものだ
諸君の力を 民主主義のために集結しよう
よき世界のために戦おう
青年に希望を与え、老人に保障を与えよう
独裁者も約束をした
だが、彼らは約束を守らない
彼らは、野心を満たし、大衆を奴隷にした
戦おう、約束を果たすために
世界に自由をもたらし
国境を取り除き
貪欲と憎悪を追放しよう
良識のために戦おう
文化の進歩が、全人類を幸せに導くように
兵士諸君
民主主義のために、団結しよう
THE GREAT DICTATOR
CHARLES CHAPLIN
二つの世界大戦の中間の時代
狂気が世界を支配し
人類の平和が失われていた時代の物語りである
その時の独裁者と迫害されていた床屋の男は瓜二つであった。
最後に民衆の前で入れ替わったその床屋の男は
民衆と軍人の前でこの演説をした。
世界の平和と愛するハンナのために。