LIVE
Planting Seeds Tour
大阪 心斎橋 ミューズホール2003.10.15(水)
01.ジオラマ
02.微熱夜
03.最終電車
04.汚れたバスケットシューズ
05.今夜のアリバイ
06.最初の奇跡
07.花を育てたことがあるかい
08.ユリエ
09.The Fool On The Build'
10.Night Walker
11.PARADISE ALLEY
12.Hustler
13.Soulmate
14.紫の夜明け
E1.種の歌
E2.NO GOOD!
E3.君が本当に欲しいもの (w/ 鈴木祐樹)
E4.前夜

Tourの2戦目なので、落ち着いて聴けた。2回目になる「Night Walker」はよかったね。普通に激しい声が来てた。「Hustler」「NO GOOD!」などの曲より自然だった。無理な巻き舌は禁物。
「最終電車」「バスケットシューズ」の流れと「ユリエ」「Fool」の流れは大人の思い返すようなつぶやきと未完成な人模様のセットで印象に残った。「ユリエ」は初期の衝動が強いだけに損だ。ついでに言えばレコ倫に狙われた曲みたいだそうだし。
極個人的には
「微熱夜」「最初の奇跡」のKISSの言葉が頭に残った。はたまた個人的にはマーティンはフィンガリングスタイルに限定して欲しい。「花を」のストロークは気になって仕方なかった。マーティンのピックアップにも何か問題があるのかな。マーティンはストロークの入る弦の位置がぶれると、そのまま耳に来ちゃうんだよ。固い音でもまとまった音として聞こえるタカミネの方がが無難かなと。ギターしてると歌の前にそんな細かいところに気がいっちゃうのよね。卓治は曲調でギターセレクトしてんだろうけど。
「紫の夜明け」のキーボードヴァージョンは初めてだった。
鈴木祐樹のパフォーマンスも慣れてくれば楽しい?3回目のアンコールでスタンディングさせてくれたのは良かったぜ。
誰にKISSしてるかで、今の自分がわかるぜ。何を大切に今生きてるか。
きっとKISSは正直だ。
Planting Seeds Tour
愛知 名古屋 アポロシアター2003.10.09(木)
01.吠えろ
02.Night Walker
03.夕陽に泣きたい
04.最終電車
05.こわれた自転車
06.最初の奇跡
07.ユリエ
08.Yellow Center Line
09.種の歌
10.汚れたバスケットシューズ
11.PARADISE ALLEY
12.ジオラマ
13.DOWN
14.成長
E1.朝まで待てない
E2.君が本当に欲しいもの (w/ 鈴木祐樹)
E3.前夜

ニューアルバムの曲を過去の歌と交互に挟みながらの構成だ。
いつも観察しているのは彼の狂気のほんの瞬間と彼の歌うリアリティである。
それは彼の今の年齢の偽れない心境だったり、今の生活の投影だったり、歌に力がどれくらい注がれているのか、注ぐ力がどの程度維持できてるのか。そしてオレが彼の年になってそういう力が同じく残ってるんだろうか?とか。まあ彼には失礼だが、自分に照らしてしまうわけだ。男の強さと弱さ。しらけ加減と夢中な一瞬。一人の男へオレなりの勝手なシュミレーション。傲慢と不安。背中の後ろにある不安、払い落として歩いていく内の力。小山を見てオレは何かを確認したかったのか。まあ、今日の気分によって彼もオレも別の一日になることも大いにあるんだけど。
オレはステージで歌うわけないが、リアルな気持ちを死ぬ手前でいつ死んでしまうかという恐怖とも戦っている。
ゲームじゃないオレの白い部分が、どんだけオレに残ってるのか、その問いかけを彼のライブに探しているような気が今している。
思うことなく、自然に感じて思える自分が一体いつまで残っているんだ、愛あふれ思いの延長にある心のセックスができるのか、正面から人を愛せるか、そうであれば、その言葉をそのままにテクニックなく相手に告げることができるのか、充足した自分に少しは落ち着いて人に優しくいられるのか。
自分への驚きと戸惑い、それはウソかホントか。現在の錯覚か現実か。そんな心境の中、「Night Walker」「こわれた自転車」「DOWN」「成長」が心に残った。
それは彼のリアリティなのか、その時に心の中と符合した出来事なのか思い出せない。
種以前の歌に反応するオレは、旧来のものに逃げているのか、曲の質が変わったのか、単に聞き慣れているからなのか、オレはあまのじゃくなのか、多分少しずつがそうなんだろう。
「愛と名付けよう」というしかないくらい、その愛が愛でなかったこともたくさんあった。多分愛はある。それをそのまま信じていればいいのだろう。そして、「愛」と「愛している」がある。「愛」は安定していて「愛している」は不安だ。でも人は愛したい。安定させるべきもの、行ってしまう心。「愛」は不変で、「愛してる」の行方は誰もわからない。
オレは愛しているは永遠だと思っている。そうでなきゃ今、生きていけない。
Operetta Of Dusts
東京 江古田 マーキー2002.12.23(月)
01. Once
02. 花はどこへ行った
03. 汚れたバスケットシューズ
04. 前夜
05. Shadow Land
06. rose
07. 夢の島
08. Rock'n Roll's Over
09. いつか河を越えて
10. FISH -漂流
11. HEAT OF THE NIGHT
12. PARADISE ALLEY
13. NO GOOD!
E1. 吠えろ
E2. 紫の夜明け
E3. Show Time


「Once」が一曲目。SMILEYのサックスとの共演なので相応しいスタートだ。この曲はスプリングスティーンの初期のアレンジが感じられて好きだ。やはりこの単音楽器はくるね。特に狭い空間に響き渡る。安定した曲が続く。少し小山のライブに来過ぎなのか。「Shadow Land」キーボードに座るとこちらも緊張する。演奏のほうに気が行き過ぎる。「rose」初めて聞く少し倦怠感のある歌詞、男と女の感じ方の決定的な違い。「夢の島」オレの待っていた感覚、今日の一番だった。SMILEYの音もきていた。「FISH-漂流」これも初めて。東京には受けるんだろうな、みんなオレよりライブ回数多い面々だから、こういうレアモンは。あとはいつもの曲。「NO GOOD!」はもう懐かしい。特にSMILYとの掛け合いは84年のツアーを思い出しもう、パロディ的ナツメロ。まあ江古田はそんなノリなんかな。いやロックのナツメロってもう既にパロディ。HEAT・・の246!とも叫び辛いしな。今度バンドで今の解釈で歌ってくれ。

MANY RIVERS TO CROSS FINAL
渋谷 On Air West2002.9.27(金)

バンドスタイルでの小山は、「ひまわり」発表前のOn The Move '84以来である。いや、単にそれまで、彼の傾聴者として怠慢であったわけである。コンクスと共にあった彼の20代のステージは元からイメージしていなかった。45歳を迎えた彼のロックがどういう表現をもってオレ達に伝えてくれるのか、そんな期待でその時間を迎える。

「微熱夜」ああ、なんて硬派な音だ。音量も適当だ。歌詞もよく聞こえる。音量は重要な部分、中野督夫の確実なコードカッティング。「真夜中のボードビル」連続してライブで聞いている。ベースのスティング宮本が微動だにせず、表拍子を刻む。この曲は静なのか動なのか、宮本が答えた。静である筈がない。だと言って無闇に動き回るのかよ。エンディングがカッコいい。気になる作品だ。バンドは小山の音をきっちり理解している。「Blind Love」いつもの歌。みんなが歌う。「最終電車」中野のフェイズの掛かったギターではじまり、音を戻して少しおどけた表情でイントロを弾く。楽しんでるな、それもそのはず、曲の途中で会場の女の子を上げて横に座らせ、小山もおどける。オレもこの歌の主人公の横顔か。昔はそんなこと他人事に聞いてたんだけどな。まあ小山もそう思ってるだろ、45だしな。「吠えろ」「汚れたバスケットシューズ」未発表曲が続く。「汚れた・・」はよく聞く、いい歌だ。そういえば来年はアルバム出すんだったな。やっぱりアルバムだぜ。一人になる。「負けないで」今日のギター一本では一番だった。エコーか、或いはショートディレイの掛かった声が効果的だった。このコード進行も人を惹きつけるのか。かの60年代バンドからのポピュラーミュージックは生き続けているのだ。「裏窓」アコギバージョン。こちらのほうが少女のイメージが拡がる。たつのすけと中野のサポートが入り、「談合坂パーキングエリア」これも最近よくやっている。ちょっと聞き慣れた感じだな。たまに別バージョンで少しギターカッティングをきっちり持っていったら、また違う感じになるんだけどな。THE WHOの「Behind Blue Eyes」のタウンシェンドのようなあの弾き方でやってくれたら面白いかな。飽くまでその時思った個人的な意見。「NYNY」たつのすけのキーボードで始まる、大阪クアトロの再現、ハーモニーのあった分良かった。最後のサビでバンドの音になる。流れに乗って、小山が言う。DANCE TIMEだぜ。「NO GOOD!」「気をつけたほうがいいぜ」「失われた週末」「下から2番目の男」とここまで。もう一曲欲しかったかな。これも今の彼のロックだ。周りへの感謝の意を述べ、両手を拡げ「虹の袂」カラオケ版。まったく大阪と同じ展開だった。そしてアンコール「傷だらけの天使」ROCKS!から「Hot Butter」小山も恥ずかしげにソロを弾く。しかしすぐに中野にバトンタッチ、こっちは弾きまくり。二回目のアンコール、前にキーボードが用意される。バンドだし11:11のはずねえだろ、って思っていたら「ジャングルジム」なるほど。抑制の効いたギターがいい。学校の鐘の音と共にクールダウン。最後のアンコール一人で「Show Time」無理なく歌って終了。

今日、彼は「大人のロック」を見せてくれた。これは我々が40歳半ばを迎える事実に突き当たるとき、少し安心感を与えてくれたような気がした。ロック信奉者はこれから一緒に齢を重ねていくのだ。マッカトニーの確認作業もある。しかし、悲しいことに分かっていながら、若いダンスをまだしたくなる自分がいる。もっと躍らせてくれ、と。古来、人は若さにはずっと憧れ続けるのだ。「成長」という人生の目標に背を向けるように。食べ物をもうそんなに胃に押し込むことができないのに、若い記憶で、たくさんの美味しい料理をまだまだ平らげたくなる衝動のように。

IN STORE LIVE
タワーレコード梅田店2002.9.15(日)
雨が降り出しそうな空、ぬるい風が頬を撫でる。スタバの客もいる、実際は野外ライブ。盛り上がるロケでもないのだが、このツアーの例の曲が流れ出すと、何か心が騒ぎ出す。北原氏の紹介で、先に昨年12月の渋谷のMANY RIVERS TO CROSS “scene16”での「傷だらけの天使」のライブビデオが流される。
「真夜中のボードビル」昨日と変わらず、叫んでくれた。小山は、客の見る目が見えるんだ。視点を誰かに合わせ、また次の誰かに合わせて歌う。この歌は、逃げ出したい歌なんだ。しかし、どうしようもなくそこで演じる、やつら、やつら。「手首」ギターのアップストロークを効かせて歌う。その手首の女性、そんなカップル、この街のどこかにいるよな。
「談合坂パーキングエリア」昨日と同様、たつのすけのアコーディオンがサポート。興味のなさそうな若者も少し目をやっていた。
「PARADISE ALLEY」優しい選曲。みんなが口ずさむ。曇った空に歌詞が拡散していった。速すぎず、ごく普通の速さで沁みていった。
MANY RIVERS TO CROSS tour“SCENE20”
心斎橋クラブクアトロ2002.9.14(土)
「欲望」「夢の島」「真夜中のボードビル」の3曲の叫びから始まった。清潔に固いギター音、小山の今日はスタートで客の向こうを睨みつけた。少し眼を左斜めに向けて。オレはそんなところに安心した。一気に歌って、向こうとこちらの距離はぐっと引き寄せられ、すっとライブに入る。欲望のリズム、間違いなく気持ちが来てくれている。
「今夜のアリバイ」まださっきの残像が頭にある。彼の叫んだ顔はオレには、いつもストップモーションだ。不思議な脳の感触。「土曜の夜の小さな反乱」45歳だって、言ってくれるぜ、オレも気が付いたら、きっともうそこらへんなんだろう。そうだ、そんなこと、すべて通過点だよな。
「PM11:11」去年のクアトロでもやった曲。「靖国通り、月曜の午後」ぐーっと歌が心に刺してくる、素晴らしい流れだ。「ひまわり」時間が戻る、あの頃に。懐かしい。ひまわりの主人公の横に立って見つめるように、やさしく久し振りだな、と小山は歌っているように見えた。ハーモニカの音色がそう思わせたのか。
たつのすけ登場。彼の音が小山の曲のイメージを新しく拡げてくれた。「ILLUSION」あの時代だ。卓治のダウンストロークに彼の音がカチッと噛んでくる。「談合坂パーキングエリア」彼のアコーディオンはこの曲の持つ解釈を間違わずに伝えてくれる。「NYNY」ピアノアルペジオのイントロから小山はギターを持ったまま音を出さずに歌う。「傷だらけの天使」たつのすけの小山を見る目は優しく、なんだかうれしい。「太陽に手が届きそうだ」「DOWN」間奏のたつのすけがここでもいい。
小山は、20年のライブ活動を無事にやってきたことに、スタッフと客席のファンへ感謝の意を表した。その心の流れのまま、静かに凛として歌う「虹の袂」ギターは持っていないぜ。Operetta Of Ghosts Part2 London styleだな。そして両手でマイクを掴み歌い上げる、不思議な光景だ。
アンコール「カーニバル」「Blind Love」いつもの歌。そして「Show Time」
三回目のアンコールで「Aspirin」小山もはじけた、たつのすけもオクターブで弾きまくる。最後にモニターにのって我々に近づく。終了と同時に客席が明るくなった。
行く前、ざっくり、やっぱバンドだなって思ってた。しかし、今日ひとつ分かったことは、卓治の曲は、ソロや、バンドでない二人の演奏に合う原曲が沢山あるということだ。ライブの楽しみはその分増える。
TOKYO ACOUSTIC NITE 2002“EARLY SUMMER TOUR”
神戸チキンジョージ2002.6.03(Mon)
小山は、3番目のステージだった。今日は終始、座ってのパフォーマンス。曲の構成をなんとなくイメージした。
「傷だらけの天使」座って、おとなしいギターストローク、しかし「天使」のフレーズで牙を剥く。スタートのメッセージ、オレは、古いこの歌には、心が素直に反応する。「真夜中のボードビル」今日一番だった。このどこにも行けない歌。小山独自の歌、モチーフは初期に近い。毎回、彼は誰も近づけない歌をその日の解釈で歌う。彼の歌。今日はこの歌だった。目が見開いていた。「青空とダイヤモンド」「汚れたバスケットシューズ」譜面に目を落として静かに歌う。「Blind Love」いつもの歌声。ラスト「ついてねえや」少しリラックスして、砕けて歌う。不思議に彼だから、あまりない砕けた彼を応援できる。今日は静かに次の井口に譲った。アンコールの小山は、高橋研の少し酔いの回ったステージングに静かに微笑んでいた。彼はいつもこういう時は微笑んでいる。小山らしい良心だ。「たどりついたらいつも雨降り」のブレイクの裏声のところを、彼は地声で歌い切った。早く彼のみのステージを見たい。次は秋だ。