FLAME VEIN
   
LONGFELLOW 品番HLR-004 価格\1890

デビューアルバム。
少し幼い歌詞と少し荒っぽい演奏が痛く心に届く。長く愛せる曲たち。BUMPの原形。
マフラー巻いた ガラスの目をしたネコが、ともに悩み、隣にいて、やさしく案内してくれるよ。
ファンとBUMPの約束のアルバム。

01.ガラスのブルース

ガラスの目をした猫とBUMPは、歌の中で、やがてシンクロする。
BUMPは、記念すべきアルバムの一曲目で一早く約束してくれた。
空にきらめく☆になるその日まで素敵な歌を届けてくれることを。
2thの名曲[K]は猫なのだが、ガラスの猫は星になったんじゃなくて、実はBUMPだったんだね。
BUMPは、チキンでガラスなハートをこれからも変わらず届けてくれるこの約束の歌をファンと自分達に送った。
リンリンと凛々と。
02.くだらない唄

フォークロック調のやさしく、せつない唄。
オレの若い頃の恋愛って、遠くを見るように思い出す。将来が社会が外観でしか分からなくて、まだ同じ年の
未熟な二人。セックスの無い感覚で、異性へ憧れる。性と性だって、ほんと分かんないよ。(今だって)
働き出せば、ネクタイ、スーツ、みんな格好悪い、なんて、考えだけで何も中身は分かっちゃいなかった。だって、わからないもの、スタイル気になるじゃん。好きなコトして好きな恰好で生きていきたい。オレちょっとは、すごいはずさ。でも生活して、ちゃんと喰っていけんだろか。泣きたいくらいに逃げたくなることもある。
わかっていないだらけで、でも現実にいる生身の恋人。この二人どうしていけば良いんだろう。いろんなことが、くだらないんだけど、純粋というか無垢だったよなあ。自分のコトばかりで相手を傷つけて、そんな、人と責任持って付き合えてないじゃねえか。もう思い通りしてしまえ。まだ人を愛するなんて。(今でも)
でもこの頃の二人って、大体、彼女が先に大人になってしまう。先に襟を立てて行っちゃうのよね。いつでも女の子が先に。なのかな。
タンポポの情景がイメージとして焼き付き、2thへの続編へ、少し重くなっていく。心を託すものは自然の光景なんだなあ。
しかし、ネクタイをしめるボク、この歌を語ることが出来るのか、なんて思って書いている。
大人になっても、忘れない誓い。心のどこかに仕舞っているような気もするのだが。それないとやってけないよね。何故やっていけないのかは分からないけど。
(レビューになってねえ)
03.アルエ

伏し目がちな女の子へ、熱烈なBUMPのラブソング。
こんな女の子、気になる。自分が何でも警戒心無く言い出してしまう人間だから。
心を見たい、素顔を知りたい、君はそうじゃないんだろうけど、今何を考えてるのか、何か困ってはいないか、と。募る、愛で満ちてくる。
アニメの「エヴァンゲリオン」のキャラらしいが女の子のネーミングが良い。現実になさそうな名前が歌のイメージをかき立てる。こんな名前の子いないかな?
しかし、下品なくらい両手をたたいて笑えるっていいよね。
04.リトルブレイバー

印象的なサビのフレーズが心に残る。
イントロはなんだかスミスのようなアルペジオ。
守るべきものを見つけた時、君は勇敢になれる。それは恋人であり、婚約者であり、子供であり、隣人への思い。見つけた時にそれが分かるよ。ひとつひとつの積み重ねが勇気とプライドを醸成していく。焦らず経験をして、いろんな人と出会っていこう。ひとつひとつを正面から見つめてみよう。
BUMPには歌うことがリトルブレイバーなんだ。ファンに親切な彼らの唄でもある。短いギターソロは、勇気を奮い立たせるシンプルな音色。
05.ノーヒット・ノーラン

音楽的にいろいろチャレンジしている曲。静かなギターのリフ。やがてノーヒットノーランのコーラス(ブリティッシュ風、WHOの初期みたい)。めずらしく、早口でまくし立てて、ブレイクでは、少しリズムを変えてベースが刻む。変化が多くて面白い。
やらなきゃいけない時の当人は、実はみんなノーヒットに怯えてるさ。どんなパフォーマンスしててもね。そして偉大なほど観客は増える。オレはそんな時ほどつまらない顔するようにしているけど。
歌詞カードの挿絵では、ブレイバーとスラッガーの使命を同じくしているところが楽しい。
06.とっておきの唄

二人で居て、自分が見せようと思っているときほど、相手は何も感じてくれなくて、自分が普通にやっていることを彼女はちゃんと見ている。
人は無意識に行うことに真実を感じて、作為的なことは全て見破られる。良いと思ってても別れがあるし、普段着の自分をいつも見られている。
この唄はそんな恋人達へ歌われる。単純な唄、インスタントカメラ、何でもない日、地図にない場所。大切なものは、焦って探さなくとも、金が無くとも、情報を取りにいかなくとも、二人の心の中だけにある。それをお互いに素直に差し出すだけのことなんだ。
そう思っていればそれでいいさ。なかなか出来ないことなんだ。
イントロでは、揺るぎない自信のメロディが頭に残る。
07.ナイフ

力強いギターのメロディ。自分を見つめる、人を見つめる藤原の得意な、心を表現する歌。2thの「ランプ」にも通じる。
小さくても、臆病でも、時に求める所に強くベクトルを向けなければいけない。思うことが何より強いことなんだ。そんなに、いつも望んではいられないよね。だから、やってくる「その」時にこの歌は応援してくれる。

サビの最後のせり上がるリフがおもしろい。50年代ソウルのブラスの感じ。藤原の頭の中に鳴っているよう。

隠しトラック.DANNY

ライブでの人気曲。覚えておいた方が良いだろう。

(トラック1を−8分20秒過ぎまで巻き戻す。2曲目)