ミッションオーバーホールとWPC加工

頻回のサーキット走行と走行距離が10万キロを超したことを期に、ミッションのオーバーホールをすることになりました。今までブローすることなくここまで来れたのは奇跡?だったかもですが、少しシフトアップのフィーリングが気になっていました。

WPC加工 今回の大きな目的はミッションのオーバーホールだったのですが、WPC加工というものをショップの人に勧められ、WPCと言う言葉をはじめて知りました。WPC加工というのは、金属にとても小さな粒子を空気や窒素等の気体と一緒に超高速で噴射する加工です。それをすることで金属表面を滑らかにして、オイルが潤滑に流れ摩擦や抵抗を和らげることができるそうです。これによって金属の強度や耐摩耗性がアップするそうです。車の部品以外にも、いろいろな金属に行われる処理なんだそうです。部品のWPC加工はモータースポーツ界では常識のようです。その話を聞いて、私のレガシィにもやってみたくなりました(笑)

オーバーホールの様子

まずは車体からミッション本体をおろすところから始まります。こんなに重たいミッションをどうやってはずすのでしょうか・・・大変な作業ですね。
この中に数多くの部品が詰め込まれているわけですね。さてさて中身はどうなっているのでしょうか
ごじゃごじゃネジだらけで、これが走っている最中にひしめき合うように動いているって想像したら・・なんだかすごいなぁって感激してしまいます。
  中身を開いてパッと観察したくらいでは、ミッションの傷んでいる感じは全くわかりませんね(汗)。
  LSDとミッションと分けて、いよいよばらしていきます。
  ミッションがバラバラになるとこ初めて見ましたが、こんなにたくさん部品あるんや〜驚き。
一つ一つ確認して、交換が必要なものをピックアップしていきます。
ミッションブローって歯車がはっきり欠けるのかと思っていたら、少し舐める程度でなるんだそうです。そう思うとめちゃくちゃ器用な仕事している部分なんですね。私の場合はブローまではいっていませんが、よくよく観察すると・・・所々歯車の先端の形が丸くなって傷が付いてます。
  フロントLSDはイニシャルトルクを測ってもらって問題なかったので、オーバーホールしなくても大丈夫そうです。
  シンクロやギアなど部品の中でも大事なものにWPC処理をしてもらいます。
  左がもともと装着されていたもので、右側がWPC処理が済んだ新しい部品です。
違いはわかりにくいですが、やはり表面が滑らかになって色もつや消しグレーのようできれいですね。
  洗浄や新品部品へ交換が完了したら、ミッションを組んでいきます。写真でみると簡単に重ねていくだけだと思いきや・・・
  部品を圧入しながらミッションを組み上げていきます。
  いよいよ組み上げが終わって本体へ装着する準備ですね。歯車の合わさり方を確認しながら慎重に。
  ミッションのオーバーホールの中で一番大変な作業が、ギアやシンクロ、スリーブやケースなどなどの洗浄なんだそうです。3時間ほどかけて洗浄して頂いたようで、写真では美しい様子ですね。
  フロントLSDも入っていよいよ元の状態になり完成です!いや〜こうして見ると美しいですね(笑)。ミッションの中ってこんな複雑な状態になっていたなんて、本当にびっくりしました。
MTオーバーホールの感想 オーバーホールやりたての状態では、やはりシフトのアップダウンがかためな感触がありますが、だんだん当たりがついてくると以前とは全く違った感じ!表現が難しいのですが、シフトの入りにカッチリ感がありますし、滑らかにシフトアップダウンができます。WPC加工をするとどれだけ変わるんだろうと思っていたのですが、正直これほど変化があるとは思いませんでした。WPC処理をしてもらうことはお金がかかりますが、やってもらって良かったなぁと思います。ミッションをばらす時にしかできない作業なのでオススメですね。これでレガシィがもっともっと楽しくなるし、もっと長く一緒に走れそうです。