1)伊丹市の目指す、みどりのまちづくり
近年、地球温暖化や大気汚染など、地球規模での環境問題が広く認知されつつあります。私たちのまちでも開発などにより、多くの「みどり」を失い、その結果 ヒートアイランド現象などの環境問題が見られるようになり、また、大阪大都市圏の影響を受けた光化学スモッグの発生が見られるのは、すでに目新しいことではなくなってきました。このような状況の中で、山のない伊丹市にとって、潤いを感じることができるまちに都市環境を改善するためには、長尾山系や六甲山系などの山々から風や川の流れにのってやってくる自然の息吹を市街地に受け止め、生活環境を守る「みどり」を育み、「生態系を維持できる水と空気と土」の環境づくりが不可欠だと考えています。この環境づくりとして、市内で最もみどりが豊かな昆陽池公園周辺を、自然の息吹を取り込む みどりの南北軸 とそれを受け止める みどりの東西軸 とのかなめ(「みどりのコア」)として、「水とみどりのネットワーク」を形成し、自然の息吹を市域の隅々にまで行き渡らせることが必要です。そのために、伊丹市では「生き物と共生し、水と緑が潤うまち=伊丹」をみどりの将来像として位 置づけ、自然が創り出す「みどりのウェットランドシティ」を目指して、21世紀の子どもたちに継承できるよう「伊丹市みどりの基本計画」を策定しました。


豆知識
■「ヒートアイランド現象」ってなに?
都市部は郊外に比べて気温が高いため、等温線が島状になる現象です。都市の多くが人工的構造物に覆われて緑被地が少ないこと、人間の生活や産業の活動に伴う人工熱の放出、大気汚染が原因となります。
■「ウェットランド」ってなに?
私たちの身近にある猪名川や武庫川、昆陽池、水田や水路、雨のあとの小さな水たまりなど、「水」のある湿潤な環境を指します。そこには多くの生き物たちが息づき、豊かなみどりを育む基盤が形成されています。