養成始まるナース・プラクティショナー 

 

医師不足が深刻な中、看護師ら医師以外の医療従事者の役割を拡大してはどうか、という声が上がっています。米国ではナース・プラクティショナー(NP、診療看護師)やフィジシャン・アシスタント(PA、医師助手)という職種があり、診察や治療、患者説明などを担当しています。日本でも今年から、NPの養成が始まり、医療を担う新たな存在として注目されています。

大分県立看護科学大大学院(大分市)は4月、日本で初めてNP養成コースを開設。無医地区などをかかえる同県で、より良い医療を住民にくまなく提供するために、NPのような高度医療を実践する看護師は不可欠だとして、養成を始めました。地域医療を担い、老健施設などで活躍する「老年NP」と、小児外来などで活躍する「小児NP」があり、現在3人が学ぶほか、平成21年は5人の入学が決まっています。

 

ナース・プラクティショナー(NP=Nurse Practitioner)

皆さんは「ナース・プラクティショナー(NP)」をご存じでしょうか。日本での資格はありませんが、医師不足問題を解決する方策の一つとして関心が高まっています。NPとは医療従事者の一つで、大学院において専門的な教育を受け、比較的安定した状態にある患者を主たる対象として、自律的に問診や検査の依頼、処方等を行うことが認められた看護師のこと。アメリカではクリニカル・ナース・スペシャリスト・麻酔看護師・助産師と共に上級実践看護師(Advanced Practice Nurse)の一つとして位置づけられています。

 

8割が看護師の業務拡大に賛成

 医師全体は、2004年から2年間で6872人増えていますが、病院の外科勤務は全国で1409人減少。特に日本の手術医療は、手術前後の患者管理、いわゆる周術期管理まで外科医が中心となって行われています。

 特別に教育訓練した看護師が業務拡大し、外科医療における周術期管理の一部を担うことについて、8割以上の一般国民が賛成しているとの調査結果がでています。

手術中の麻酔全身管理に4割強が賛成

 さらに、手術時の手術切開創閉鎖については46.3%強が賛成し、手術中の麻酔全身管理44.2%、手術後の処置51.2%がそれぞれ賛成していることがわかりました。また手術の助手は73.1%、手術後の病状説明83.7%、医師が事前に作成した指示書の範囲内で薬剤量の変更、点滴の量・速度の変更を行うことについて60.3%の高率で賛成しているとしています。

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