銅版画 1


 

銅版画、と言えば山本容子さんの作品くらいしか知らない私が
市の工芸センターで8回の銅版画講座を受講しました。
講座自体は、年に2回でもう何年も開催されているようです。

定員は20名で3分の2ほどは連続受講しているかなりのベテラン。
人気の講座で1時間ほどかかって他市から来る人もたくさんいて、
キャンセル待ちの人もたくさん。

厚さ1ミリほどの銅板をまずヤスリ、ペーパー、薬品で磨きます。
裏表に別々の薬品を塗って乾かして、針状のものでラインを彫ります。
この道具はいろいろあるようです。
彫ったラインを、30分ほど酸性液に漬けて腐食させて深くし、アルカリ液で中和し水洗いします。
そして最初に裏表に塗った薬品を、ホワイトガソリンで取ります。

 

ここで、や〜〜っと刷れます。
プレス機で刷りますが、300キロの圧力だそうで、機械がないと刷れません。。


 

パンダの黒いところなど、面として黒いところはアクアチントという技法で黒くします。
黒くしたいところだけ残して、薬品を裏表塗ります。



そして松ヤニの粉をまんべんなく振りかけて
電熱器でその松ヤニを溶かして、また腐食・中和・水洗いとなります。
黒くしたい度合いで腐食時間が変わってきます。
何回かこの作業を繰り返すと、黒さの違いも表現できます。

 




刷るとこんな感じ。
アクアチントした部分が、グレーや黒くなっています。
こんな単純なものでも、アクアチントの技法を2回繰り返しています。

この版画のモデルは、例の2匹です。
ちょっとキツネ顔になってしまいました。

 

これはパンダ柄。
最初のラインだけのパンダが右下です。
黒い部分をアクアチントして、かなり腐食時間をかけたので、
黒くなっています。
パンダって、黒い部分が黒くないと、オマヌケ顔ですね。


 

左はエッチング(ライン)だけの花。
右はエッチングに、うすくアクアチントしたクリスマス柄。
図書館で借りた西洋のクリスマス風景の写真集から考えました。




時間はかかるし、手は毎回真っ黒になるし失敗ばかり・・。
でも刷り上ったときは楽しいです。
次回は秋の開講ですが、受講するかどうかはまだ決めていません。
銅板は、裏表に薬品を塗って保護しておかないと
緑青がふいたりするらしいです。