ベランダ・自宅周辺で見つけた楽しい生きものたちです。
将来 数がたまれば分類して整理する予定ですが、今は全部をこのページにあいうえお順に並べて掲載しています。
アオバハゴロモ
下の写真は「アオバハゴロモ」という、薄緑色をした1cmぐらいの三角形の小さな昆虫です。 玄関先の壁に止まっていたのを撮影しました。 今年は梅雨が長く、蒸し暑い日が続いたためか、大量発生しました。
この虫は樹木の枝に止まって木の汁を吸う害虫で、普段は木の枝にじっと止まっていますが、 近づくとゆっくりと枝の裏側に回り込むので、見ていると面白いです。 人への実害はないのですが、大発生すると樹勢が衰える場合があります。
この虫の幼虫は、遠くから見ると枝に生えたカビのように見えますが、虫眼鏡で見るとヒョロヒョロと毛の生えた気持ち悪い姿をしています。
アジアイトトンボ
ベランダに置いてあるプランターに水をためた水槽の縁に、ヤゴの抜けがらのようなものが付いていました。 近づいて見ると、小さいけれども確かにヤゴの抜けがらではないですか。 水の中をよーく見ると、確かに底の方の土と水草の陰に隠れて、小さくて細いヤゴがいました。 よくもまぁ、マンションのこんな小さな水たまりを見つけたもんだなぁと感心してしまいました。
数日経つと、ヤゴが水から出てプランターの縁につかまっていたかと思うと、脱皮をしてトンボになりました。 トンボは羽を乾かしたあと、しばらくの間、窓のすだれに留まっていました。
トンボは3cmぐらいで、小型のイトトンボです。
オンブバッタ
プランターに植えていたバジルにオンブバッタがわんさか集まってきて、あっという間にチンチクリンの葉なしバジルにしてしまいました。 カメラの目の前に登場した姿はウルトラマンの怪獣のような顔です。
名前の通り、大きなバッタが小さなバッタをおんぶしていることが多いですが、これは子供を背負っているのではなく、メスがオスを背負っているとのこと。 手ではたこうとすると、おんぶしたままピョンピョン跳ねて逃げまわります。
背中にいたら餌も食べられないだろうに、死ぬほどまでにメスに狂ってしまったのでしょうか。
クサカゲロウ
自宅前の垣根の小枝に白い綿状のものが付いていました。カビが生えているのかと思いましたが、よく見ると動いているのに気が付きました。しかも、捕まえようとすると、飛びはねたのでビックリしました。
何とか捕まえてみると、綿状のゴミみたいなものを背負った全長5mmぐらいの小さな虫でした。 拡大写真を撮ってみると、グロテスクな姿がよりはっきりと分かります。 あまりに気持ちが悪かったので、撮影後に殺してしまいました。
その後、半日がかりで調べたところ、この虫は「クサカゲロウ」の幼虫であることが分かりました。 アブラムシやハダニを食べてくれる益虫で、食べたアブラムシの死骸や葉っぱについているゴミを拾って背中に乗せ、サナギになる準備をするそうです。 大きな牙はアブラムシなどを刺して体液を吸うためのものです。
人間には害がない益虫を、見た目の気持ち悪さで殺してしまい、ごめんなさい。
クロオオアリ(女王アリ)
こらまたなんちゅ〜大きなアリでしょう。頭の先から羽の先まで2cm を十分にこえてます。ありりりりりぃーっ、羽もあるじゃぁありませんかぁっ。アリというよりハチですよ、ハチッ。アリなのになんで羽があるんでしょうかぁーっ?
実はアリはハチ目・アリ科で、ハチの仲間なんでぇありやす。アリは同じ種類でも女王アリや働きアリや兵隊アリなんてヤツがおりやすが、生まれたてのメスアリとオスアリは羽を持っているんでぇありやす。メスアリが巣から飛び出してオスアリと交尾をしたあと、羽を落として新しい巣を作って女王アリの座におさまると、何千匹もの羽のない働きアリを次々と生むんでアリやす。そのメスアリが写真のアリなんでありやす。女王アリになるメスアリは働きアリの3倍ぐらいの大きさで、特別大きんでアリやすヨ。女王アリの寿命は10年以上ってぇいうから、長生きでありやすのぅ。
だけど、このメスアリさんは写真を撮った翌朝、地面に落ちて死んでいたんでありやす。ありり,,,女王になる前に力尽きちゃったんです。
シャチホコガ
山の中の小道を草を払いながら歩いていると、草にくっついた黒い枝がピクピク動いた。 立ち止まって見ると、長い脚(あし)のようなものが時々動くではないか。 なんだこりゃ? オドロキ、モモノキ、びっくり仰天。 えたいの知れない生命体を発見してしまったではないか。
家に帰っていろいろと調べてみると、これはシャチホコガの幼虫であるとわかりました。 危険を感じると、体を大きく反らせてシャチホコのような姿になるそうです。
スグリゾウムシ
夏前の季節、窓を開けるとマンションの壁にヘンテコな虫がくっついていた。 壁の色によく似た白と黒のまだら模様で1cm 弱の大きさだ。 手にとって虫めがねで見てみると、親類が飼っている犬にそっくりの顔だ。
手の上に乗せても逃げようとせず、ゆっくりはい回っている。 この顔のとおり、のんきな性格なんだろう。 まぁ、これも愛嬌ってもんでしょう。
タカラダニ(赤ダニ)
マンションの植え込みに、丸く赤いお腹の小さな虫が動いていた。だけど動き方が何だかおかしい。よく見てみると、赤い部分はぷっくり丸い。う〜ん、なんだか怪しい。
家に帰って虫めがねを持ってきてよーく見てみると、何と小さなヨコバイに別の赤い虫がくっついている! この赤い色、どっかで見たことがある・・・そう、梅雨前の今からの季節にコンクリートを這い回っているアレ! 赤ダニ(アカダニ)だ。
何で虫にくっついているのか不思議に思って調べてみると、何と、赤ダニは幼虫の時に他の虫に寄生するらしい。 5mmぐらいの哀れなヨコバイは、自分の手を広げたぐらいの大きさの赤ダニに寄生されていたんだぁぁぁ! 何とおぞましい。
ところで赤ダニは正式名をタカラダニといい、人間をかんだり、寄生することはありません。 けれども、一時期に多量に発生し、コンクリートの上をウヨウヨと這い回っている姿は気持ち悪いです。 しかも、指で押さえると簡単につぶれて血のような赤い汁が飛び散るので、とってもおぞましいんです。
チャミノガ
秋といっても残暑が残る頃、植木鉢に植えたブルーベリーにミノムシ君がくっついていた。大きさは2cmもない小さなミノムシだ。40cmぐらいの高さしかない苗を、きのうはこちらの枝 、今日はあちらの枝と、トコトコ歩き回って好きなところにぶら下がっている。
ミノムシはミノガという蛾(が)の幼虫です。葉の落ちた枯れ木(かれき)にミノムシがブラブラぶら下がって、木枯らし(こがらし)に揺れるのは冬の風物詩ですね。
さて、我が家にいたミノムシ君ですが、枝々を右へ左へ、上へ下へとウロウロしながら日々少しずつ大きくなっていましたが、秋の薬剤散布があった後、突然姿が見えなくなりました。グスン...
ナガメ
う〜ん。 怒っているんでしょうかね。 考えこんでいるんでしょうかね。 見る角度によっては、笑っているようにも見えます。
背中に黒と赤の顔のような模様がついたカメムシです。 これじゃぁカメムシじゃなくて、カメンムシ(仮面虫)だなんて...
菜の花が散ったころ、近くの川の土手の草むらの中から、こちらを見ている仮面顔を見つけました。体長は1cm もありません。 写真のナガメは頭を下した状態です。
ナナフシモドキ(ナナフシ)
おやっ、枝が動いていくぞ! と思ってよく見るとナナフシだった。 枝そっくりのインゲン豆に手足が生えたような風体で、細い枝にしがみついていたら虫がいるとはなかなか気が付かない。
この写真のナナフシ、正式な名前は「ナナフシモドキ」という。 「○○○モドキ」と名前がついていたら、「○○○に似ているけど違う種類の虫」という場合が多い。 ところが、「ナナフシモドキ」は「ナナフシ」の仲間で、しかも「ナナフシ」の中でも一番といってよいほどよく見かける種類の虫だ。 なぜ、この虫が「ナナフシモドキ」と呼ばれているのかよく分からない。
しかも、ナナフシモドキはメスだけで繁殖し、オスを見かけることはめったにないそうだ。 そもそもナナフシといいながら、体の節(フシ)は7つ以上ある。 まさにナナフシギ(七不思議)の生きものだ。
ハナグモ
小さくかわいい花の上に、じっと動かずにいるクモを見つけました。 バンザーイ!でもしているように長い前足2本を左右に大きく開き、獲物がやってくるのを待ち伏せしているハナグモです。 ひょうきんな顔をしていますが、実は怖いハンターなんです。 大きさは6,7mmぐらいですが、足を広げているので大きく見えます。
ハラビロカマキリ
ハスの葉に乗って手を合わせて瞑想していたら、カメラを持った人が近づいてきたのでビックリしたわなー。って顔をしているのはハラビロカマキリ。 乗っているのはハスの葉ではなく、ベランダのプランターに植えたナスタチウム。 ナスタチウムは見てのとおり葉がハス(蓮)の葉に似ているところから「金蓮花(きんれんか)」という日本語の名前(和名)がついています。
ハラビロカマキリも、腹部の幅が広いのでこんな名前をつけられたのでしょう。 お腹を反らして威嚇の体勢をとっています。 カマキリは大きなカマ(鎌)のような前脚で他の虫を捕まえますが、ふだんは手を合わせてじっと虫が近づくのを待っています。
ところで、カマキリの目には目玉のような黒い点があります。 これは目玉ではなく陰で、見る方向によって黒点の位置は変わります。 また、夜には目全体がまっ黒になります。
ハンミョウ
遠出をした時に渓流に続くハイキング道を歩いていると、ハンミョウが群れていた。 日に当たってキラキラととってもキレイだ。 2cmあるかないかぐらいの虫で、すべるようにサササッと走っては立ち止まり、またサササッと走る。 近づくとパッと先に飛んでいく。 歩いて近づくとまたパッと先へ飛んでいく。
ハンミョウが飛んでいくのは土や砂の上で、草むらには飛び込みません。 だから、ハイキングを歩いていると、歩く先を案内してくれるかのように先へ先へと飛んでいく。 だから、私は子供の頃からこの虫を「道しるべ」と呼んでいます。
ところで今回、私の水先案内を務めた「道しるべ」君は、ハイキング道の分かれ道で行き止まりの道へ案内してくれました。
ヒゲナガアブラムシ
アブラムシは卵ではなく、なんと赤ちゃんを産みます。体の中で卵が羽化して、親とほとんど同じ形の子供が生まれてくるのです。これを卵胎生(らんたいせい)とよびます。巻貝のタニシ、観賞魚のグッピー、ヘビのマムシなども卵胎生です。昆虫、貝類、魚、ハ虫類などいろいろな種類の、だけど限られた生きものだけが卵胎生を行うのは不思議ですね。
アブラムシの赤ちゃんは、お尻を先にしてお母さんのお腹から出てきます。出てくるときは足を縮めていますが、出きったところでパッと足を広げて降り立ちます。写真はまだ足を縮めていますね。周りに子供のアブラムシがイッパイいますが、お母さんは次々に赤ちゃんを産んでいます。
ところで、アブラムシに逆子の赤ちゃんっているのでしょうか?
ベニシジミ
土手や草原などでよく見かける体長2cmぐらいの小さな蝶です。 梅雨前の天気のよい暑い日、近所の公園の花壇の黄色い花の上にじっと止まって、のんきに日向ぼっこ(ひなたぼっこ)をして休んでいるベニシジミを見つけました。 だけど、よくよく見ると羽がかなりボロボロです。 もっとよく見ようと近づくと、パッとどこかへ飛んで行きました。
マルクビツチハンミョウ
4月の終わり頃、木立を歩いていると、地面をのそのそと歩いている2cmぐらいの青黒い虫を発見! 手にとって見ると、体の大きさに比べて異常に短い羽が背中に ちょこん とかぶさっている。 まるでベストを胸のところで切り落としたような格好悪さだ。
これはこれは成虫になったところに違いない。これから羽が伸びてくるんだろう。 そう思って木の枝に乗せてあげました。
ところが、家に帰って調べてみると、なんとなんと、これは「ツチハンミョウ」の仲間の虫でした。 羽は小さく退化して飛ぶことはできず、地面を這い回ることしかできません。 写真の虫はメスで、丸々と太ったお腹には、卵が詰まっているそうです。
それよりなにより、「ツチハンミョウ」は体内にカンタリジンという毒を持っており、敵に襲われると関節から黄色いカンタリジンの液体を出し、皮膚につくと痛みを感じて水疱(水ぶくれ)ができるそうです。 決して素手でさわってはいけません。 このときは知らぬが仏で手に乗せてあげましたが、このツチハンミョウは私を敵と思わなかったようです。
ところで、ツチハンミョウとハンミョウは別の種類で、ハンミョウに毒はありません。
モモブトカミキリモドキ
春先の花畑、小花の上をセッセカセカセカ動き回っている虫を見つけた。背中が半開きで隙間があいているけど、自分では羽をちゃんと閉じているつもりらしい。
だけど、本当においしそうに花粉をほお張っている。じっと見ているうちに、「私も花粉を食べてみようかしらん。」って気がしてくるよ。
ロウムシ
玄関先の植え込みを見ると、8mmぐらいの白く光沢のある塊が見えました。 よく見ると、カイガラムシの一種「ロウムシ」でした。 引き剥がして裏向けると濃赤色の虫の本体が見えました。 周りの白い部分は虫が分泌したロウ状のカイガラです。
カイガラムシはもっとも代表的な庭木の害虫で、大量発生して庭木を枯らしてしまうだけでなく、庭木の見た目を醜く変えてしまいます。 一方、薬物を通しにくいカイガラを持っているため駆除剤が効きにくく、薬剤散布で天敵の寄生ハチを死滅させてしまい、カイガラムシが大量発生することもしばしばです。
カイガラムシの駆除は一般に、草木の新陳代謝が低くなった厳冬期にマシンオイル(いわゆる機械油)を散布し、窒息死させる方法がとられます。