このバイクの存在を知ったのは、18才くらいの頃でしょうか。当時私は原付免許しかなく、親父のDAXを乗り回したり、やっと買ってもらったDT50
を乗り回す日々で、自動二輪なんて夢みたいな状況でした。買えるわけも無いのですが、バイクショップを覗いては展示車を眺めてみたり、カタロ グをもらってきたりの日々でしたが、ある日スズキの総合カタログを見ていたとき、そこにあった何とも言えない変な形、赤いフレームのインパルス を見たとき、まさに衝撃が頭の中を駆けめぐりました。
そして、20才になったとき、車と共に自動二輪の免許を取得したのですが、既にインパルスは絶版になっていたのです。その後、中古車屋で見
る機会はあったのですが、自動車も持っていたので車検の必要な400ccを維持するのは、ちょっと難しいかなということでGB250クラブマンに乗って いました。
2002年冬、そんな私に転機が訪れました。この年の春、たまたま行った長期海外出張により臨時収入があったこと、夏には子供も産まれ自動
車を買い買える機会はないことから、貯めた小遣いを使っちゃおうと、次期バイクを物色していました。このときの候補はRF400、MONSTER400、 KLE250/400、はたまたはやりの250ccスクーターなどでした。そんなとき、オークションでGSX-400Xの出物がありました。それも近所の大阪。し かし、同じくこのバイクを狙っているひとがいたようで、20万を超えたところであきらめました。しかし、この情熱が冷めることは無く、近所の大手バイ ク屋で探してもらい、GSX-400XAを20万程度で購入しました。決して安い額ではありませんが、とりあえず動く状態だったので満足しています。
そして2006年春、2人目の子供が産まれ、めっきりバイクに乗る機会が無くなってしまいました。妻のおねがいもあり、売却することにしました。
短い間でしたが、とりあえずこのバイクを所有できたことは幸せでした。
GSX-400X IMPULSE 1986年に発売された、SUZUKIのミドルクラスの4気筒バイクです。
インパルスという名称は、初代GSX-400FS、そして90年代のGSX-400 インパルスと3代に渡って使用されていましたが、この2代目に至っては
どんなバイクにも似ていない、奇異なスタイリングでした。
このデザインは、ドイツのハンス・ムートの手によるものです。そう、あのKATANAのデザイナーです。よく見れば、タンク形状にその面影があるよ
うな無いような・・・・・。インパルスのスタイリングで特徴的なのは、ヘッドライト・サイドのトラス状のカウルでしょう。このカウルと赤いフレーム色故 に、”東京タワー”とか”六本木レーサー”という異名を持つのですが、ほめ言葉では無いでしょう。そのスタイリングは、結局このバイクの運命を決 定づけてしまいます。そう、不人気だったんです。真偽のほどはわかりませんが、生産台数は5000台程度とか。
4気筒のバイクとしては153kgと軽量で、足つき性も良いので取り回しは楽です。当時教習車に採用されていたそうですから、その操作性は良好
なものと思われます。アップライトなハンドルなので、姿勢も楽です。
インパルスのエンジンは、当時GSX-R400に搭載されていたエンジンと同じ、直列4気筒の400ccで、59psとハイパワーなものでした。そして冷
却方式は、スズキ得意の油冷と空冷、水冷を組み合わせたSuzuki Advanced Three-Way Cooling Cystem (SATCS)と呼ばれるもので、シリンダ ーヘッドが水冷、シリンダーブロックは空冷そして、ピストン内面を油冷という冷却方式を取っています。
グレードは、Tabel-1に示すとおり、大きく3つに分けられます。最も知られている東京タワーカラーのX、ハーフカウル装備のXSそして、ライトカウ
ルがボディ同色でシートが黒のXAです。XAは、あまりに奇抜だったXのカラーリングを見直したものだそうです。
|