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携帯電話の『ツーカー』グループ3社の親会社・KDDIは25日、年内にも3社を吸収合併し、『au』ブランドに統合する方針を固めた。25日の日経新聞が報じた。ツーカーブランドは消滅することになるが、同社は、携帯業界の現行の戦略方式“第3世代(3G)”への移行を断念していたため、利用者からは歓迎する声が出てきそうだ。
「当然です。遅すぎた。電話番号がそのままで携帯会社を変えることができる“ナンバーポータビリティー”が始まる来年、契約をやめるつもりでしたから」。ツーカーを利用してきた会社員(42)は話す。
ツーカーの携帯電話は、テレビCMでおなじみの“マニュアルを読まずに、おじいちゃんでも簡単に操作できる”という「ツーカーS」がヒットしている。
だが、利用者が少ないため、設備投資余力もなく3Gサービスを提供できず、主力層の若者離れが加速。一時は10社近くあった機種供給メーカーも3社にとどまり、端末選択の魅力を損ねているのも利用者離れに輪をかけていた。
今年6月末の累計契約数は355万6700件でシェアはわずか4%。前年同月比増減も全体が6%増の中、1.4%減と契約数を純減させた。
ツーカーSのほか、骨伝導の端末などユニークなサービスも多いが、来年のナンバーポータビリティーでは、電話番号の変更を嫌がって渋々、契約を継続してきた利用者の乗り換えが相次ぐと懸念されていた。
ツーカーグループは平成6年、日産を中心に、当時の第二電電や京セラが出資し、東京・名古屋・大阪圏でサービスを始めた。他地域では、日産と日本テレコムによる『デジタルツーカー』グループと相互接続して全国をカバーする体制だったが、日産が携帯事業から撤退する際の業界再編などを通じ、現在は、デジタルツーカーが現ボーダフォンに、ツーカー3社が今年3月までに、『au』を本体で運営するKDDIの完全子会社となった。
今年1月には、携帯電話事業への参入を目指すソフトバンクが2000億円でツーカーを買収するとの報道もあったが、結局、『au』ブランドに統一する道を選んだことになる。
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