ブラウンフィールド

 

 土地売価の4割をかけないと売れない土地(潜在的な価値よりも著しく低い用途、あるいは未利用となった土地)をブラウンフィールドと呼んでいます。土壌汚染による塩漬地(ブラウンフィールド:以下BF)はなにが問題なのか?その発生機構と解決策について解説します。まずアメリカ・イギリスのBFの定義と日本の定義、構成、発生原因、分類、BFの増加により生じる問題、社会・経済への影響について、次にこれらに対してどのように取り組むべきかの現状と将来予測、潜在的な規模について現状を認識する必要があります。BFはかつての工業国において、産業構造の変化、土壌汚染に対する規制により必然的に生じました。BFの増加は、住環境の悪化、環境リスクの増大、地域経済の悪化等の問題を引き起こしました。現状把握・将来予測から日本でも今後、BFが増加する可能性が示唆されました。BFへの民間の対応として、対策単価が削減し、リスクに応じた合理的な措置が進み、対策単価が1万円/m3程度になればBF発生率は極端に低くなります。BFへの制度的な対応として、調査・措置の補助金、容積率の緩和等が考えられます。税金を投入する場合は、汚染原因者負担の原則、再開発に伴う公共便益を考慮しなければなりません。有効利用できない土地は低コストでできる環境管理が必要です。BFは土壌汚染の問題であるとともに、地域コミュニティ、自治体の問題でもあります。