最初は。 誘ったのが俺で。 応えたのが、あいつだ。 彼の浮かべた微笑には嘲りが混じっている気がした。 すべてはお見通しだというように。 俺が本当はどう思っているか……奴に依存しまくってて、これからもそうしたいと思ってるのも。 もっと今まで以上に馴れ合いたくて、必要だと甘く囁かれたくってたまらないのも。 ああだけど。 それでも、俺にだってちっぽけなプライドくらいは残っている。 戯れに気まぐれに都合の良い時だけ弄ばれるのは御免だ。そこまで堕ちるつもりはない。 いや。そんな状態には耐えられない。 きっと最後まで傍にいると確信している。 何故なら奴がいなくなる時には、自分もこの世界からいなくなっているからだ。 だから、捨てるならはっきりそう言ってくれ。望み通り終わりにしてやるよ。 その瞬間におまえに刃を向けて、その刹那におまえに全てを明け渡そう。 身体も(命を)心も(魂さえ)何もかもを、おまえに。 おまえ以上に俺に食い込む存在はいない。 はぐらかしてばかりの事実を、振りかざす刃に叩きつけてみせよう。 そう。 ―――せめて、最期には。 |