タンポポ


銀次の金色の頭はタンポポに似ていると、ずっと思っていた。
小さくて可愛らしい黄色の花。
真っ白でふわふわの綿毛をつけるそれ。


けれど地中深くに根を張って、見た目とは裏腹にどこまでもしぶとい。
儚く摘まれても、いつのまにか再び花を咲かせる。
決して、枯れることはない。


またの名をダンディライオンという。
その由来はギザギザした葉が、ライオンの歯に似ているから。
愛らしいこの花は、けれど百獣の王になぞらえて呼ばれる。


かよわいだけの無力な存在では無いと、訴えている。