こんな、ある日の日常
11月だというのに、まだ暖かい。
窓際の。一番後ろの席という絶好のサボリ場所。
基本的に真面目な海堂は、授業を寝るとかいうのはしない方だ。
だが、今日が気を抜いたら寝てしまいそうだ。
しかも、古典という一番苦手な科目。
いつもだって眠くて仕方がないというのに。
わからないし、今日はもう寝てしまおうかと考える。
ウトウトとしかかったその時、机の中に無造作に突っ込んでいた携帯が震えた。
ガタガタと机が震えるのはよくあることで、教師は気にもとめない。
(音切っててよかった)
普段、あまり鳴ることのない携帯。
切ることを忘れることもしばしば。
メールのようだった。
見ようかと手を伸ばすが、やめる。
どうせあいつからだろう……。このままほっておくか。
………基本的にいいい人の海堂。
結局そんなことは出来なかった(笑)
といより、前ほっておいたら嫌になるくらいメールが続いて届いた。
嫌々ながらも、メールを見る。
『昼 一緒に食いませんか?
それとも、俺とじゃ嫌っすか?』
”当たり前だ”と送ってやりたいところだが。
あの晩の、不安げな表情のリョーマを思い出すと出来なくなる(*get,promise参照)
断れないのだ(それをわかって送ってる確信犯のリョーマ君(笑))
『屋上で待ってろ』
と、用件だけ簡潔に書いて送る。
すぐ、返事のメールが届いた。
『わかりました ヨーグルトあるんで持っていきますね』
嬉しいのだが、なんか餌付けされてる気分。
以前もリョーマからジュースを貰ったし。
…………複雑。
さきまで眠たかったのが嘘のように、今は目がはっきりとさえてしまった。
あいつのおかげ?なのだろうか。
約束通り、4時限が終わった後屋上にへと向かう。
着いた屋上には、まだ人の姿はない。
リョーマはまだきていないようだ。
すぐ来るだろうと思い、座って待つ。
数分もしないうちに、バタバタと階段を上る音が聞こえた。
(もうちょい静かにこいよ)
文句を思いつつも、リョーマが着くのを待つ。
「先輩もう着てたんすか?」
ガチャと騒がしくドアを開けながら海堂に言う。
「遅い」
「走ってきたんすけどね。海堂先輩、こんなに早くきて。俺と食べんのそんなに楽しみだったんすか?」
「んなことある訳ねーだろ」
「はいはい」
適当な返事を返しながら、海堂の隣にちょこんと座って弁当を広げる。
そう様子を見て、海堂を弁当を広げた(くるまで開けなかった律儀な奴)
「うわ〜、先輩の弁当すごいっすね。豪華でうまそ」
「そうか?」
「うん、うまそー!!」
ジーと中を覗く。
「言っとくけどやらねーからな」
「ちぇっ」
リョーマが拗ねる。こういう風に偶にする子供っぽい表情・仕草。
不覚にも、そんなリョーマを可愛いと思ってしまう。
「ったく。一口だけだからな」
「ホントっすか?やった♪」
いつもと違う、無邪気な笑顔。
ちゃんと年相応の表情もできるんじゃねーかよ。
「じゃ、これ下さい」
「勝手にしろ」
一向に食べようとしまい。
不信に思った海堂がリョーマを見ると、口をあけて待っている。
「何もしてる…?」
「何って、『はい、あーん』をしてもらおうと思ってさ」
「ふざけんな!!」
「ふざけてなんかいませんよ?」
そう、こいつはふざけていない。
本気なのだ。
余計にたちが悪いのだが。
「一回だけだからな」
「うん」
このままだとらちがあかないと悟った海堂は、諦めてしてやることにした。
俺って、こいつの甘いのかも(かもじゃなく、甘いです)
「ほら」
と、リョーマの口に運んでやる。
それを嬉しそうに食べるリョーマ。そんなに旨いのだろうかと思う。
それを食べ終わると、自分の弁当に箸をつける。
もっとねだってくるかと思っていた海堂は、ちょっとがっかりした。
(ってなんで、がっかりしなくちゃいねけーんだよ!!!)
バカなことを考えるのはやけて、海堂も弁当を食べることの集中した。
特に何も話すこともなく、時間だけが過ぎていく。
何することもなうが、海堂といだけでリョーマは幸せだった。
俺ってよっぽど先輩のこと好きなんだな〜。
俺もまだまだだね…。
食べ終わったら、リョーマは持ってきたヨーグルトを海堂に渡した。
「サンキュ」
「ドウイタシマシテ」
受け取ったヨーグルトを口に運ぶ海堂。
横にリョーマは食べる気配がない。
以前に持ってさえもいない。
「お前はくわねーのか?」
「あぁ、俺苦手っすから。それって美味しいの?」
「うまいけど?」
「じゃ、一口ください」
「いいぜ」
と、ヨーグルトを差し出した瞬間、リョーマに口を塞がれた。
しかも舌を入れて。
「どうも、ご馳走様っす」
「な、何しやがる!!!」
「何って、一口くれるって言ったじゃないっすか」
「だからって…」
顔を真っ赤なにて抗議する海堂。
リョーマは楽しそうに笑っていった。
「また一緒に弁当くいましょうね」
「誰が食うか!!!」
そんな海堂の叫びを綺麗さっぱり無視して屋上から降りていくリョーマ。
「もう、絶対においつはくわねー!!」
心から決心する海堂であった。
降りていく途中のリョーマの表情を見れない海堂は、リョーマがどれだけ幸せそうに微笑んでいたかを知らないのであった。
そして、リョーマも真っ赤になっていたことにも……………。
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1800 hit
の綾凪梨央様キリリクをやっと仕上げました。
リョ海です。密かに前回のリクのpromiseの続きです(爆)。
これは、リクがあったら続けていこうかと思ってます(笑)全部、別で読めますけどね〜。
このお弁当の『はい、あーん』はお約束ですね!!
このリョーマ君は、海堂にベタ惚れです!!
でも、海堂君もリョーマ君ラブっぽいです(笑)
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