Q猫っぽいのは誰?
こんな質問をいきなりしてきたのは、やはりと言うか不二だった。
「やっぱエージ先輩じゃないっすか?」
差し当たりのない答えを言ったのは桃城だった。
答えるのも怖いが、何も言わないのが一番怖いのである。
しかも、そういう目にあうのは基本的に桃城だったりする(わかる気もするが)
「まぁ、一般的な答えだね」(何がやねん!!)
「後は越前とかもそうっぽいよな」
次に答えたのは青学テニス部の良心大石。
「あー、リョーマ君もそうだね」
にこにこと、相変わらず何が言いたいのかわからない笑顔のままいる不二。
「で、不二はいったい誰が猫っぽいと思うんだ?」
聞いたのは部長の手塚だった。
多分、聞いてくるのを待っているのだろう。
そして、それを聞けるのは手塚くらいだろう(ある意味押しつけ(笑))
「うん、ボクはね『海堂君』だと思うんだよね」
「「「へっ?」」」
声が見事にはまる部員達。
まさか海堂がくるとは思っていなかった。
「だってさ猫って『人に懐かなくて警戒心が強く、でも確実に獲物を狙う』って感じじゃない?」
言われてみれば、海堂も当てはまる気がしないことはない。
だが、しかし…………。
やはりイメージじゃない!!
と心の中で叫んだとか。
「う〜ん、似合ってると思うだけどな〜」
『変?』ちょこんと首を傾げて聞いてくる不二。
見てるだけなら可愛らしい態度だが、不二の本性を知ってる皆は怖くてしかたがない。
ここで違うなんて言える根性を持っている者はいない。
この何とも言えない雰囲気を壊したのは誰でもない、今話題にのぼっている海堂と菊丸だった(リョーマは片付け中)
「にゃにやってんの〜?にゃんか楽しそう♪」
「ちょっとねv」
「何だよー!!俺には秘密なわけ!?」
「そういう訳じゃないよ。教えてあげるからちょっと待っててくれる?」
「うん!!」
そう言うと不二は菊丸に耳打ちをした。
ナイショ話が終わると、二人はにやーと笑った。
青学テニス部のトラブルメーカー達が何か思いついたらしい。
大石の胃腸薬がなくなる日はこない……。
海堂は気にすることもなく、帰り支度を始めている。
マイペースな奴だ。
「ねぇ、海堂君」
びくっ!!と警戒しながら不二の方を振り向く。
出きることなら、不二には関わりたくないというのが海堂の心情だ。
しかし、海堂の性格からして無視できるわけもなく(怖いし)仕方なしに返事をする。
「何っすか?」
「ちょっとお願いがあってねv」
不二のにっこり笑顔付きのお願いほど嫌なものはない。
「俺はちょっと…」
「まさか、ここまで頼んでるボクのお願いを断るなんてしないのね?」
無言の重圧に負ける海堂。
「いったい何っすか?」
「えへへvじゃエージお願い☆」
エージは片手に何か持って海堂に近寄る。
「…何もってんすか!?」
「すぐわかるにゃん!!すぐ済むからね」
数分後
「出来た!!」
そう言って海堂を皆の前まで連れてくる。
さっきまで後ろで格闘してたが、海堂はとうとう諦めたらしい。
「じゃ〜ん、猫海堂だにゃ!!俺も一緒に猫ファッションv」
猫耳とシッポ、首輪(趣味に走ってる)猫じゃらしを持って登場!!
首輪というマニアックな姿に乾&手塚ダウン(笑)
「お、俺嫌って言ったじゃないっすかーー!!」
うっすら目元に涙をためて菊丸と不二に訴える。
意味がないとわかってはいても、言わずにはいられない。
そんな海堂の姿の、桃城は前かがみになってたり(笑)若いからね〜。
「えー、似合ってるからいいじゃない」
「そんなの嬉しくないっすよ……。部長や乾先輩なんかあまりの変さに倒れちゃったし…」
倒れた意味をはきちがえてる海堂。
「ねぇねぇ、薫ちゃん!一緒に記念撮影しよ。不二が撮ってくれるって」
これ以上恥を晒したく海堂だが、二人の強引さに負けて撮られるはめに。
こんな感じで今日も青学テニス部は平和でした。
海堂と菊丸の写真が売られてるとかいう話しはまた別ってことで…(笑)
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