マシンガントーク

「薫ちゃん、ちょっと待ってて。飲みもん持ってくるからさ」

「ども」

部屋からパタパタと慌ただしく出ていくエージ。

一階にまで降りてるのに、声が聞こえてくる。本当に明るい人だ。

部屋には海堂だけになると、とたんに静かになる。

先程までの騒がしさが、まるで嘘のようだ。

つくづく、あの人がよくしゃべるのか実感する(言いかえればうるさい/笑)

出て行く時に、そこら辺の物あさってていいよと言われたが、そういう事をしない海堂はいささか戸惑う。

(あまり漁るのも悪いし…)

エージが海堂の部屋に来るときは、静止しても聞かずに漁るのだが(苦笑)

それでも、散らかさないように気をつけてながら(もともと汚いが)山積みになっているCDに目をやる。

最近のCDや、昔の。

洋楽やサントラなどと種類は豊富。

「あの人の性格が出てくるな〜」

普段そんなに聞かない海堂には珍しいものばかり。

その中から一枚のアルバムを手に取る。



”ポルノグラフィティ”



(聞いたことあるな…)

コンビニかどこかで耳にしたような気がする。

確か、人気があるグループらしいが。

ペラペラと、歌詞をめくっていく。

その中から一つ、目にとまった。





ちょっとやそっとじゃ止まらないキミのマシンガントーク
時々迷惑に感じるくらいPlease Please Don't disturb me





「先輩のことみたい」

「にゃにが?」

片手にジュース、もう片方にはお菓子を危な気に持ってエージが部屋に戻ってきた。

「あ…いえ……」

「CD見てたんだ。何かいいのあった?かけるよ」

海堂が持ってたCDをプレーヤーにかける。

「俺、ポルグラ好きなんだよね♪ なんか歌詞とかが好きでさ」

「そうっすか」

「薫ちゃんは嫌い?」

「いえ、別に。けっこう好きっす」

実際にはあんまり聞いたことがないので、よくわからないのだが。

そんな事を言う雰囲気でもなくて。

でも、先輩が好きなものなら好きになれそうな気がするから。

「そっか♪」

にこっと嬉しそうに笑って、ポルグラの話しをする。

結成の話しやインディーズの時の話し。

どの曲のどこががいいとか。

CDをかけているのに、海堂の耳にはほとんど届かなかった。

エージがうるさいとかじゃんくて、海堂はエージの声が・話しているのが好きだから。

(俺もあの歌とかわんねーな)






ボクにはわかってるんだよ それがキミの愛のカタチ
どんなに小さな出来事だって Please Please Tell me all about you
世界中の誰よりもずっと キミのコト知っていたいから
シャワーのよに降りかかるコトバの雨に打たれていたい






「ねぇ、先輩」

「にゃ?」

普段エージが話して、海堂が相づちを打つのが多いから驚く。

「先輩って、この曲によく似てるっすよね」

「この曲…?」

オマ流れているのは、七曲目の『マシンガントーク』

実のところ、エージ自身も似てるなと思っていたりする。

「俺って、うるさい?」

心配そうに海堂の顔を覗きこむ。

ふいに、海堂がエージの口唇と自分の口唇を重ねた。

触れるだけの、優しいキス。

触れ合ったところから、熱くなるよう錯覚を覚える。

時間にしたら、ほんの数秒。

その間、エージが黙る。

口唇が離れて海堂は言う。

「先輩でも、やっぱ静かになるんすね」

「にゃ…にゃ……!!」

海堂の突然の行動に口をパクパクさせる。

そんなエージの様子を見ていると、海堂も次第に顔を紅くしていく。

(なんか、そても恥ずかしい事をしたんじゃないか…!!??)

俺らしくもないし…。

「あの、俺…!!」

”帰る”と言いかけたのを、エージに邪魔される。

海堂の口唇を、今度はエージが塞いだ。

「薫ちゃんも、やっぱ俺のこと好きだったんだねーvv 俺嬉しいにゃ♪」

その感情を表すかのように、キスの雨をふらす。

それを嫌がりながらも、大人しくうける海堂だった。







GOODTIME BADTIME
いろいろあるけれど It's all right
キスして抱きしめてる時だけは ホントに静かだね
I want You want
これ以上スキになるとヤバイ
離れられない


















2222hitの日向夏海様リクエストでした♪
遅くなってしまってごめんなさい!!しかも、めちゃポルグラですね!!
私好きなんですよ〜。この曲聴いた瞬間にエージだ!!って思ってました(笑)
遅くなりましたが、こんなものでよければ貰ってやってください☆








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