定義




『好き』
この気持ちに、定義あったなら簡単だったのに。




ここからは、好き。
ここからは、嫌い。
ここまでは、友達。





これなら簡単に自分の気持ちがわかるのに。
実際は上手くいかないもので。
自分が彼のことをどう思ってるかなんて、わかんない……。
わかんなくて、気持ちが悪い。
はっきりしないことは、嫌だ!!







「不二って、綺麗だよね〜」

「どうしたの?突然…」

エージが意味不明なことを言うのは、今日に始まったことじゃない。

慣れているといえば慣れているが、自分んことをこんな風に言われたら
気になる。

「う〜ん、そう思っただけ」

本当にただ、不意にそう思った。

いつも不二は綺麗だけど、こうやって静かに本を読んでる姿とかはかなり
綺麗。

(マツゲ長いな〜。手も細くて白いし)

毎日部活で外にいるのに、焼けないのはかなり不思議だ。


やはり不二マジック!?(笑)

強く抱き締めると、壊れてしまいそうで……。

「エージ!」

バシッ!!と頭を本で叩かれる。

思いがけない行動だったため、机に顔面直撃。

「にゃ…にゃにすんだよ〜(涙)」

エージが不二に抗議する(勇気ある行動)

「だって、あんまりに変だしさ。ボーと人の顔見てるし。面白い?」

「別に変じゃないもん!不二に……」

小さく言うもんだから、何を言ってるか聞き取れなかった。

「なーに?」

「不二に……見とれてた…んだもん」

「ボクに?」

滅多に表情を変えない不二が驚く。

頬が軽く紅くなってるのは俺の見間違いじゃないと思う。



やっぱり綺麗……。



「ありがと、エージ」

ニコッと、いつもとは違う柔らかい笑顔。

「エージって、ボクのこと好きでしょ」

疑問形ではなく、確定。

この自信がどこからくるのかは不思議でたまらないのだが。

「わかんにゃいよ…」

これはホント。

好きか嫌いのどとらかを選べと言われれば好きだけど。

わからないものは、わからない。

「ボクは好きだよ、エージのことが」

面と向かって言われるのは照れる。

こんなことを平然と言える不二はすごい…。

「好きってさ、どこからが好きなの? 不二はどうして俺が好きなの?」

疑問を不二にぶつける。

こんなことを聞いて困らせることは承知だ。

「あのね、エージ」

優しく囁く。

「好きに定義なんてないんだよ?」

「じゃ、なんて不二は俺を好きなんて言うの?」

定義がないのなら、わからないはず。

もしかいしたら違うのかもしれない。

「好きだな〜って思ったから」

ズルッとコケかけたエージ。

まさか、こんな答えが帰ってくるとは予想してなかったから。

「思ったって、不二……」

「恋なんて直感だよ。ボクはエージをずっと一緒にいたいって思うもん」

「……俺も一緒にいたいよ」

俯いて言う。

そんな仕草が可愛いな〜と不二は思う。

「でも、やっぱよくわかんにゃい…」

「そっか」

怒らせたかな?と不安になる。

不二が黙るから。

嫌われたくないから。

「じゃあさ、一緒に探そっか。好きの定義をv」

楽しそうに言う不二。

「絶対にエージをボクに夢中のさしてあげるよ」

そんなこと言われて断れるはずがない。

結局、不二のは逆らえないのだ。





これが俺と不二が付き合うようになったキッカケ。




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999HITのしゅくりーな様、ありがとうございます。
遅くなってしまって申し訳ない……。
不二菊のリクで、付き合うまでの話しを書いてみました。
この二人って、こんな感じっぽいような。
とりあえず、甘甘?
ちょっと満足v



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