優しい悲劇


”愛してる”

その言葉に その感情に イツワリ ハ ナクテ

愛してる  愛し続けたい





……コレハ ツミ ナノカ?  愛することが罪……?

罪 罪 罪

愛した人が同姓だった

ただそれだけのことが罪?




たとえ それが罪だとしても

俺は構わない

たとえ 俺自身が コワレテモ……






「かぁーい・ど!!」

部活終了後、誰もいない部室にて。

菊丸の元気な声に海堂は後ろを振り返った。

すぐ目の前には、菊丸の満面の笑顔。


ガバッ!!!


海堂の首に腕をまわす菊丸。

海堂は菊丸を抱きかかえる格好になった。

海堂は自分の顔が真っ赤になっていくのがわかる。

「にゃーにー?」

あどけない笑顔で答える菊丸。

シャープなラインの輪郭。

澄んだ大きな瞳。

バランスの整ったその鼻と唇。

菊丸の顔のパーツを見つめる海堂。

海道の中で一瞬、時間が止まった。


(………っ!!心臓の音がうるあいっ!!)

海堂は自分の左胸をぎゅっと掴んだ。

「どうしたにゃ?」

相変わらず、ふざけた調子で尋ねる菊丸。

「顔色、悪すぎだにゃー?どこかわるー…・」

ドンッッ!!!

菊丸の言葉を遮って、海堂は菊丸の腕を引き剥がした。

菊丸はほんの少しだけ呆気にとられた。

「痛いにゃ。海堂、何すんー…」

「俺に、俺に触らないで下さい!!」

海堂は怒鳴った。

その体はガクガクと震え、その瞳には菊丸の顔は映っていなかった。

菊丸は無表情な瞳で、海堂を見つめた。

”無”

いつも明るい笑顔を見せていた菊丸からは、想像も出来ないその顔。

海堂はあたふたとしながら謝ると、部室を去っていった。

部室にはたった一人残されたき菊丸。

その口元のは赤い筋が一本……。



(俺、先輩にひどいことしちまったなぁ……)

夕立の降る屋上で海堂は、雨粒も気にせずボーと立っていた。

(以前から、先輩のことは尊敬していた。

日がたつにつれて、だんだん先輩に惹かれていった……)



好きなのに、先輩はいつも俺にじゃれてくる。

あんなに、あんなに近くに先輩の顔が……。

海堂の腕に残る、菊丸の体の感触。

(先輩の体、華奢で細かったよな)

自分自身の体をギュっとだきしめた。

あんなことされたら、理性が持たない……!!

先輩の唇に俺のを重ねたら、どんなに柔らかいんだろ?

先輩を抱き締めたい 先輩と体を重ねたい 先輩と一つになりたい 

先輩の胸の突起をきつく吸ってみたい

先輩は俺に先輩のミツを舐めさせてくれるかな……?

先輩を見ていると、俺の欲望がどんどん膨らんでいくから。

先輩を愛してるから、先輩を突き放した。

でも、あの態度はかなり失礼だったよな。



雨はさらに強く、海堂の体を打ちつけた。

キィィィィ……

「?」

誰かが屋上の扉を開けた。

こんな豪雨のときに、屋上に来た人物は……。

「探したよ、海堂……」

「先輩……」

雨に濡れたその二人には、時間の流れというものは存在しなかった。

「……海堂、俺の物になってよ」

菊丸はそっと海堂の腕に抱かれた。

「俺、先輩のことがずっと、ずと……」

海堂の言葉を遮って、菊丸は海堂の唇に自分の唇を重ねた。

「!?」

菊丸は舌で海堂の口をこじ開けた。

菊丸の唾液と何かが海堂ののどを通った。

「……せ…せん……ぱ……!!??」

「おやすみ。俺、海…薫のこと愛してた……」

菊丸の手には過酸化水素のビンが握られていた。



愛するが故に、からんでしまった糸。



愛するが故に、死にやっってしまった



海堂
  愛してるよ…………。


BAD END


我が侭を言いまくって書いてもらいました!!
菊海もいい!!と学校でわめいて、その場で書いてくれた私の友人!!
素晴らしい友人を持つと、HPに花がでますvv
back