始まりは突然に…


今まで、一度も人を愛したコトがない。

人並みに付き合ったりもしたが、全て向うから告白してきた。

そして、何となく別れた。

「こんなものなのかな。」

いつしか、そう思うようになっていった。









「ねえ、不二知ってる?今日くる新入生に強い子いるんだって。
 桃が言ってたよ。」

「そーなんだ。どんな子だろうね。」

さして興味はない。

「楽しみだにゃ〜。」

隣りでエージが笑ってる。

冷めていると言われようが、他人に興味がもてないのは仕方のないコトだ。

たわいのない話をしながら、部室へと足を運ぶ。

レギュラージャージに着がえ終えてコートに出ると、荒井が1年生にケンカを売っているようだった。

「またやってるよ。」

「そーだね。」

お互い顔を見合わせるが、止める気はないようで。

「もしかしたら、あの子のことかな?」

「だったら、タイミングのいい時にこれたね。」













[三本のラケットが出てくるかもな。]

荒井が1年になげかけた言葉。






「あー…そっか。」

彼が小細工をしたのか。

そんなコトをしなければならない彼に、冷たい視線を送る。表面上では、いつも通りの人あたりの良い笑顔。

あの1年は気付いているのだろうか?






[いいよ、やろっか]






怒りの中に、余裕のある不適な表情。

「やっぱり気付いてるか」

不二はエージと共に「彼」の試合を観戦することにした。

試合にもならなかった。

あのボロラケットを瞬時に使いこなすとは。

「弘法は筆を選ばずってやつ……かな」








[そのボール邪魔だね。」








荒井の足元にあるボールを、ボールで打ちどかせる。

どんな状況でもくずれることのない強い輝きをもつ瞳。

「くるな、あいつは」

「ああ……」

不二のコトバに返答する、他のレギュラー達。







彼は強さは本物だろう。

この試合だけでもわかる。

天性の強さ。

ボクにはない、あの射るような強い光を放つ瞳(め)

「あの瞳だ………」

ゾクゾクする……。

あの瞳に、自分を見てもらいたい。




退屈で仕方なかった日々。

ゆっくりと、変わっていく。

このルーキーの出現によって、全てが動き始める。





それは、悪夢という名の快楽……………………………?


最初の方の話しですね。
ん〜と、不二がリョーマに興味を持った。それだけの話しなんですが……。
なんでしょう。私は黒不二にしないと気がすまないんでしょうか?

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