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ロマンチスト |
身を焦がすような恋にも憧れるけど
傷つくことには ひどく敏感な君
「始まりと終り」
埋めがたいギャップが恋で
「私はあなたの一番になれないの?」
必ず言われる、んこのセリフ。
いい加減に飽きてきていた。
「ごめんね」
「謝って欲しいんじゃないんだけどね。……さよなら」
去っていく彼女の後姿を見つめる。哀しみや寂しさなんてない。
自分から告白した分けでもない。
彼女は時折立ち止まるように、不二の様子を伺う。
引き止めて欲しいのだ。
声をかける様子のない不二に、諦めて帰っていく。
不二も教室へと戻る。
「何時までそこに隠れてるの。一緒に戻ろ、エージ」
「あちゃー、気付いてたか。別に見る気はなかったんだけどな」
木陰からヒョッコリ出てくるエージ。
すまなそうに、シュンとしている。
そんな風にされると怒れない。
(ま、怒ってないけどね)
「わかってるよ。ほら、行こ?」
「うん!!」
急に明るくなって、不二の手を引っ張る。
何時もの、眩しいくらいのエージの笑顔。
ついつい不二も、普段の作り笑いではなく自然に微笑む。
(やっぱり不二は綺麗だにゃー……。あんな女の子にはもったいない)
そんなことを考えていた。
「エージ?」
ずっと黙ったままのエージを不思議に思い、声をかけてくる。
まさか、不二のことを考えてたとは言えず。
「え、あーっと、彼女追いかけなくて良かったの?」
「うん。別に彼女からだったし。それに、ボクにとって一番じゃなかたしね」
”一番”
不二の一番って何か気になる。
「不二の一番って、やっぱテニス?」
「かな?エージはテニス?それとも…………」
”大石?”なんて聞けるはずもないか。
「う〜ん、そりゃテニスは大好きだけど。でもやっぱり」
不二の顔をジッと覗きこむ。
滅多に見せることの無い、エージの真剣な表情。
(いつもそうしてたら、カッコイーのに)
不意にそう思う。別に普段もカッコイーのだが。
「不二、だよ。俺の一番はさ。だから俺の前じゃ無理して笑わなくていい」
エージの思いがけない言葉。
「何言ってんだか」
そう言って、ずっと握られていた手を離し先にいく。
「あー、せっかくマジで言ったのに!!!」
後ろでにゃ−にゃ−と怒るエージ。
先に行った不二といえば、真っ赤になっていたとかいないとか。
誰にも触れさせないココロの影を
甘く揺れるアプローチで………………
[無理して笑わなくていい]って言うのは、好きだからごまかさくていいよ。
あの子と同じ瞳では、笑わないで。という意味です。
解りづらいですね……。
これは不二菊か?菊不二かも……。
え〜、見る人が見ればわかるあるアーティストの曲です。
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