入院






舞台となるのは、この青学病院。

日本、いや世界でもトップクラスに入る、最高技術を持つ病院だ。

すごく良い…で有名なのだが…………。

一度入院した患者は二度と足を踏み入れたくないとかで。理由は誰もしらない。

なのに問題にならないのは、やはり全員が完治して退院するからだろう。

そんな病院に不幸にも入院することになったのは、プロテニスプレイヤーの手塚国光だった。





 




つい数時間前までは、練習試合をしていた。

もちろん俺が勝ってベンチに戻て座ろうとした時、仲間がふざけてベンチを後ろに引いた。

「何をしている」

そんなものに引っかかる手塚ではない(危なかったけど/笑)

「あちゃ〜、ダメか。部長がすっころんだら大事件だったんすけどね」

悪びれもなく言い放つ部員・桃城。

大きな溜め息をついて、桃城にベンチを元に戻すよいう。

もちろん、お得意の『グランド20周』を言うのは忘れていない。

「はーい」

言われるだろうと予想していた桃城は、軽く返事をしてベンチを戻そうとした。

戻す時に棚に軽くぶつけてしまい、上積みにされていた古いラケットや本や色んな物が降ってきた。

しかもよりによって、手塚の真上に……!!

「ちょっ………!!」

抵抗も虚しく、直撃。

打ち所が悪く、骨折・打撲・打ち身などなど。



ピーポーピーポー



こうして、手塚は青学病院にやってきたのだった。

「覚えてろよ、桃城のやつ……」

苦渋の表情で呟く手塚の一言は、不思議に桃城に届いたとか(笑)





act,1  不幸の始まり



301号室の病室。

今日も元気に………?

「はーい、手塚君。痛いとこはありませんか?」

と、傷口を無造作に叩くのは担当医の不二だった。

油汗は流している手塚を横目に、叩くのをやめない。

「だ…大丈夫です」

「え〜、そう?じゃこれは?」

今度は思いっきり叩く。

「痛いに決まってるだろ!!いい加減にしろ、不二!!」

「くすっ、そうだろうね。でも、先生にそんな口の聞き方は良くないよ〜」

確信犯の行動はよりたちが悪い。

わかってるから、咎めてもうあめる訳がないから。

腕は一流のくせに(そう聞いた)、どうも性格は最低最悪。

ある意味、患者の身では逆らわないほうが身の為だ。

「…わかった」

「うん、素直でよろしい」

手塚の答えに満足したのか、にこっと満面の笑みで今度は普通に治療を始める。

手塚がプロのテニスプレーヤーだと知っている不二は、さっきまでが嘘のように丁重に診察をしていく。

少しでも、怪我の後遺症が残ってはいけないから。

プロでいられなくなることを知っいて不二だから(なら初めからやれって)

(うん、大丈夫。これなら)

「あの…、どうだ?」

さっきまでと違う、真剣な目で診られて心配になる。

「どうだろね〜。まぁ、気長に頑張ろうね♪」

心配してる手塚に、いい加減な返事を返す不二。


わざとです。


実際、まだわからないけど今診た感じでは平気そうなのに。

それを言わない辺り、やっぱり最悪な医者なのかもしれない……(誰も恐ろしくて口に出せないけど)

「ちゃんとしろ」

「心外だな。ボクは何時だって真面目の本気なのにさ。ほら、眉間に皺寄せてないで笑おうねv」

ヒラヒラと手を振りながら病室をあとにした。

結局、手塚には何一つわからなかった。

「最悪だ……」

「もう根を上げてるんすか?まだまだだね」

「誰だ?」

突然横から声をかけられた。

さっきまでは確かにカーテンが閉められていたはず。ずっと閉められている。

隣に誰がいるのかまだ知らなかった。

っていうか、生意気じゃないか!?

年上を敬うことを知らなそうだ。

「人の名を尋ねる時は、先に名乗るもんじゃない?」

イラっとするを耐えて。

「そうだな。俺は手塚だ」

「知ってるけどね」

ムカツク。知ってるなら聞くな!!

………なんで知ってるんだ?

「なんでか?って顔してるよね。入り口に入院患者の名前書いてるよ」

そうか。

確かにそうだったが、そんなに意識してなかったので気付かなかった。

「あんたさ、ここに入院すんの始めて?」

「そうだが……」

「そういう……」

そういえば、俺は名前を聞いてなかった。

「越前リョーマ」

簡潔に答える。

「越前は長いのか?」

「まぁね」

あやふやな答しか返ってこなかった。

「でもさ、あんたも不幸だね。よりによってここに来るなんてさ」

「どういう意味だ?」

さぁねと挑発的な笑みを浮かべた。

またカーテンを閉めて、寝始めたみたいだ。

「いったい何が………」

先行き不安な手塚。

その予感が、手塚が思ってる以上に酷いとは、誰が予想しているか…………。


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青学病院いらっしゃいシリーズの始まりです。もう、いつ終るとかどんな話とか考えてません!!
そもそも、この話しはゆいき様とメールしてる時にできました。んで、書いてと言われ書いてしまったと。
予想以上に楽しかったんですよ!!
全キャラでるまでに最低4回くらいかかりそうだし、どうなるのか。
手塚×海堂←乾・不二×リョーマでかいていきますので。今度設定のせます……。
どうなるかわからないけど、お付き合いお願いします。




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