紛争で犠牲になっているのは兵士だけだと思いますか?
実は、兵士以上に子供達の犠牲というのは多いのです。
いつも、子供達は犠牲になってばかりなのです。
・児童死亡率 3万3千人/日(予防可能だが、栄養、医療などの不備で死亡)
・地雷によって負傷する児童 約70人/日(20分間に1人)
・戦争、紛争で死亡した児童 冷戦後の10年間で200万 (大人の戦士より多い)
負傷した児童 500万
家を失った児童
1200万
・児童労働人口 2億5千万人(5歳〜14歳)(ILO 国際労働機関推計)
内半数は学校へ行かずフルタイムで働いている
地域別では、アジアが最も多く、60% 1億5千万人
・性産業で働く児童 100万人以上/年 (ユニセフ推計)
世界の現状
世界では、まだまだ紛争が多く、そのためにたくさんの人が命を落としています。その紛争で生き延びても、家族を失って孤児になったり、食べ物も住むところもなく難民となったりストリートチルドレンとなったりしているのです。
世界中に一億人以上いると国連は推定しています。
「ストリート(通り)」「チルドレン(子ども)」。つまり、町へ出て通りで働いたりしている子供たちを言い、紛争などで家を失い、家族とも別れてしまった子供たちが、自ら生きていくために路上で暮らしています。また、その中でも紛争が落ち着いた地域などでは、生活基盤の弱さ、倫理の崩壊により、親から虐待を受け家にいれなくなった子供も多くいます。アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどに多く、だいたい6、7歳から17歳くらいの子供たちが集団となって生活しています。
ストリートチルドレンの暮らし
寝るところは公園やバスターミナル、町なかの空き家、市場などで、服は1〜2ヶ月同じ物をきたまま。たまに公園や公衆トイレなどで洗濯するか古着を拾ってきたり恵んでもらったりします。
しかし、大人から守ってもらえない路上で暮らしているため、たとえば、物売りをしていて事故にあったり、寝ている間に物を取られたり、暴力や性的暴行を受けることもあります。また、家庭での辛い記憶と路上での厳しい暮らしに耐えかねてシンナー、麻薬に手を出す子供や、自分の体を売ったり、犯罪に手を染めたりする子供もたくさんいます。そして、児童労働、児童売春、AIDSなど様々な問題へと巻き込まれるのです。
ストリートチルドレンはいつも危険と隣り合わせなのです。
社会的対策は?
そんな中で暮らす子供たちに国はなにもしていないのでしょうか。
今、NGOや公的機関が子供達を施設に保護したり、親と話し合い、家庭にもどっても安心してくらせるよう手助けをしたりしています。
しかし、ストリートチルドレンの数が多すぎて手が回らないのが現状。それに、各国の政府が子供達のためにしている努力も不十分です。
私たちにできること
まず、本や資料などを使って、ストリートチルドレンと呼ばれている子どもたちは、どんな子どもたちなのか?さらによく知ることが大切。相手をよく知らないと、その人のために何をすべきかわからないからです。日本にも、ストリートチルドレンのために活動するNGOがいくつかあります。そうした組織の助けをかりて、自分の知ったことや思いをまわりの人たちに広めることも大切です。
子供とは18歳未満のすべてを言い、国際条約で15歳未満の子供は軍隊に入れないことになっていますが、今、子供兵士は世界で30万人もいるとされています。そして、現に急増しており、地域別では、アフリカが最も多く12万人もいます。
紛争が長く続く地域では、食糧も保護もありません。生活も苦しくなり学校にも行けなくなった子供は、徴兵のときに売られていくのです。また、紛争により家族を殺された子供は報復のため自ら志願して兵士になる場合もあります。つまり、兵士にならないと生きていけない状況にいるのです。また子供兵士は男女問わずいます。
子供兵士が急増している理由
子供兵士が急増した理由は軽火器の普及が挙げられます。以前の兵器は子供には重すぎて使えなかったものが、軽火器の普及で子供達も銃を操るようになったのです。
また、子供は脅しに弱く命令によく従うため兵士として使いやすく、消耗品とみなされることが少なくありません。あるところでは、そこらへんで遊ぶ子供たちやちょっと悪さをしている子供をさらって兵士にすることもあるのです。
子供兵士の実態
子供兵士の仕事は参戦、見張り役、スパイ、地雷除去、伝達、荷物運び、炊事、性的サービスなど。
参戦の場合、体力的にも経験的にも大人に劣る子供たちは犠牲になることが多く、負傷しても十分な治療を受けられない場合が多いのが実状です。さらに、子供兵士は軍隊と同じ扱いをされるため、大人の濡れ衣を着せられることもあります。
また、暴力が日常の一部であった子供は、心に深い傷を受け、紛争が終わった後もその傷を癒すことは容易ではありません。
対策
国連総会は2000年5月、18歳未満の子供兵士の参戦を禁止する決議を可決しました。
しかし、その効果はまだ行き届いていません。
そこには、やはり紛争や戦争があるからです。これを絶たなければなくならないでしょう。
紛争地の子供達もたくさんの夢を持っています。日本の子供達と同様にさまざまな夢を抱いて生きているのです。
「夢は何ですか?」と問われて、あなたはなんと答えますか。
日本の子供の場合、
サッカー選手になりたい、看護婦さんになりたい、芸能人になりたい、お金持ちになりたい、ファンションデザイナーになりたい・・・etc
いろいろありますよね?さて、紛争地(世界)の子供達はいったいどんな夢をもっているのでしょうか。
“What is your future dream ?“(あなたの夢は何ですか。)
・イラン・イスラム共和国の女の子 ・クウェートの女の子 ・ケニア共和国の女の子 ・コロンビア共和国の女の子 ・スロバキア共和国の男の子 ・ネパールの男の子 ・ヨルダン・ハシミテ王国の男の子 ・ハンガリーの女の子 |
これを見て分かるとおり、日本の子供と世界の子供とでは夢のとらえ方が違います。
日本の子供の夢が具体的であるなら、世界の子供は抽象的な感じに受け取れます。また、誰かのために何かしたいという夢ではないでしょうか。
他にも、
“What can you do for the future? ”(未来のためにあなたは何ができますか。)
・イラン・イスラム共和国の女の子 ・インドネシア共和国の男の子 ・大韓民国の女の子 ・コロンビア共和国の女の子 ・シエラレオネ共和国の女の子 ・タイ王国の女の子 |
“Please introduce your country ?”(あなたの国を紹介してください。)
・タジキスタンの女の子 |
世界の子供達は平和を願っています。
争いもなく人間として平穏に暮らせるよう、私たちが出来る限り努力していかないといけないのではないのでしょうか。
どんなことがあっても、子供の未来を搾取するようなことはあってはならないのです。