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 静音が神社の石段を駆け上がって行く。
 後を急いで追いかけようとする隆宏に一つの声が投げ掛けられた。


 大抵の事では今の隆宏を止めれようもないのだが、隆宏はまるで車の急ブレーキのごとく止まる。
 足を踏みしめ、必死の減速だ。


 それほどにその声には歩みを止める力があったからだ。


「にい」
「って!?」


 遠い昔に呼ばれた名。
 久しいが、それでも聞き間違いようの無い名。


 それを呼ぶのは、いつも自分の後ろを付いてきていた少女の筈だ。
 懸命に懸命に。


 とても、懐かしく、暖かい記憶がある。


 隆宏自慢の義妹。
 静音自慢の妹。
 二人の慈しむべきその妹の名は――


「あ、朱音かっ!?」


 ばっと振り返るとそこに彼女が居た。
 いつのまにか眼鏡をするようになっていたらしく、そのちょっと大きい眼鏡がずれ落ちそうだ。
 レンズの奥の瞳にはあの頃と変わらず、一心に自分を見ている。


 夢幻でなく守代家の次女がそこに居た。


 だが、いつもなら大いに歓迎の声を挙げる隆宏にも今この場で出会うその驚きが声となって現れ出でる。


「お、おまっ――アカネ! なんてぇタイミングにっ!?」
「にい……」

 
 のへーっと、なんてこったいポーズをとる隆宏に向かって一直線。
 

 止めるまもなく朱音がこっちに向かって来ていた。
 あんまり歩幅が大きくない為、ぱたぱたといった感じだ。
 その動作から誰しもが子犬を連想するだろう。
 
 
 まさに一家に一台、一犬、一朱音欲しいところか。
 

「朱音……。あーなんだ、久しぶり、ってしたいんだけどな。後ろにきっついのが居るんだよな今……」


 後頭部に汗を掻きつつ説明する隆宏の目の前では、来た朱音が謎めいた挨拶にきょとんとし、静かに首をかしげる。


「後ろ……?」
「黒い奴がこっちに向かってるだろう。なんていうか、見たまんま、なんだか危険そうなのが……ほらあそこあそこ。分かるか?」


 んーっと眼鏡の奥の瞳をしぱしぱとして隆宏の指の先をみつめる朱音。


「あ……」


 途端小さな声と共に彼女はこくこくと頷く。
 

 視線の先には噴煙を上げ周りを破砕しながら迫ってくる黒いもの。
 どーみてもデンジャラスな雰囲気を醸し出して、というか発散しまくっているあの物体。
 噴煙の軌跡に視線を動かすと、黒い影が過ぎ去った後の破壊状況がありありと見え、朱音の表情にもなんとなく青いものに変わっていくのが見てとれた。


「はぁ…………じゃぁ……」


 確認が取れたところで、ため息を一つつくと隆宏は朱音の手を掴み、


「行くぞ逃げるぞズラカルぞっ! ほんとやばいからなっ!!」


 そう言い、力強く朱音を引っ張って行く。
 

 それに釣られる様に朱音も左手で鞄を抱えつつ必死で走った。


 とはいえ片方は所詮少女の足だ。
 そう早く行かないものは仕方の無い事か。


 みるみるうちに100m程はあったであろう影との差が縮まってくる。


「はぁはぁはぁ……」


 朱音の荒い声を聞き、心配気に振り向く隆宏。
 その疲れている顔の横、その風景に映る化物の姿。


‐くそ……朱音には苛酷だぜ……。


 今にも迫ってきそうなその黒は、隆宏に覚悟をさせるには十分だ。


「どうした……の?」
「いや、何でも無いさ。……頑張れよ朱音、あと少しだからな」


 ぎゅっと手を握ると朱音も『うん』と綺麗な笑顔を見せた。


 どうやってもこの子を守らないと。
 

 そして……。


 この道の先で自分を待っている少女。


「もう遅いです隆宏様っ、神域は鳥居を抜けた向こう――って!? 朱音、朱音なの!?」


 こっちの様子を見て、石段の前、予想通りあたふたしている少女を見て、


「ああっ! これであの時と一緒だなっ」


 言い切り苦笑。
 そうだ、あの頃はいつも三人で居た。


 三人。
 後ろの朱音。


 三人。
 前の静音。


 三人。
 そしていつも真ん中だった隆宏。


 ……いつも、三人だった。


ただいま巫女さん修行中


第九話 『片鱗・下』


Written by 津々羅

01.08.24
02.06.10


 心の中では理想図が描かれる。
 全てにおいて成功し、一番良い結果がそこには描かれる。


「よし、どうやら奴ら入って来れないみたいだっ」
「はいっ、これなら……持ちこたえられそうです」


 なんとか逃げ込んだ隆宏達の周り、静音が神域と呼んだ神社の敷地内に嫌なものを感じるのか、鳥居を境として獣達が立ち往生していた。


 が、現実は残酷で。


「な、おいおいおい……仲間を……食ってやがるのかあれは?!」
「……違い、ます。あれは……一匹が他を取りこんで……」


 鳥居の前でこちらを睨みつけるしか出来ないでいた筈の黒達を全て取りこんだのは、最後にココに到達した一匹の黒。
 ゆっくりと黒から漆黒へと変わったその存在がゆっくりと鳥居に近づく。
 

 静音達が赤い鳥居に期待を込めた視線の先には、見たくなかった風景が続く。


 黒が赤をくぐった瞬間、確かに黒が止まった。
 が、変化はその一瞬だけで、それだけで静音の頼りにしていた神霊域は意味を成さない。


「神域に持ち込んだのに無為? そんな……、濃すぎるの?」
「くそっ、静音! 何か!」
「これ以上私達に逃げ場はありません、と言う事は封じる、もしくは滅する……」
「なら奴を――」


 彼と彼女はお互い目配せ合う。


「はい、ぶったたきましょう!」
「おう、あったりまえっ!」


 危急の場、だが。
 お互いを確認しあった静音と隆宏の声は力が溢れている。


「私達でなんとかできるとしたら祭具を使うしか――本殿にあるはずですっ」
「何でもいいからまかせる!」


 と、そこに不意の一撃。


「ああもうっ、話す暇ぐらいくれよっ!」
「本当ですっ!」


 遠距離だと思っていた影が糸状になって突っ込んできたのだ。
 隆宏は傍らでぼうっと立っていた少女の手を掴み引き寄せ、きゃっという声を聞きつつくるりと反転。
 

「わりぃ朱音!」
「ううん。にぃだから良い」


 静音が飛びのき、隆宏が朱音を抱き込みつつ避難。
 不意打ち空しく、黒い風が三人を捉えるのは無理だったようで、衝撃が疾ったのは後ろのお稲荷さんだった。
 

 ぴしっと稲荷の顔に線が刻まれ、


「静音、先行けッ」
「はいっ」


 ごろんと狐頭の石像が落ちる。
 

 それを合図として静音が駆け出す。
 身体は疲れていたものの、目標が明確になった今、気力はまだまだ充実している。
  

−お札、神刀、破魔矢――あそこにさえ行けばっ!


 一直線に本殿に向かって少女が疾走。


 静音が走り去った後、黒いケモノと隆宏は相対する。
 視線はケモノを依然貫いたまま。
 そのまま今度は朱音に声をかける。


「次は朱音だ。走れるか?」
「うん」
「俺は奴を引きつけなきゃならねぇ、朱音は静音の後を追うんだぞ!」
「うん」


 聞き分けの良い朱音に満足げな隆宏。
 その表情を見た朱音の顔にも先程までの不安な表情はなく、笑顔が浮かんでいた。
 それは隆宏に声を掛けてもらえた、気に掛けてもらえた事からくる笑顔。


 なによりも、誰よりも、隆宏なればこそ。
 不安は消え、笑顔になったのだ。


 ぽんと、小さな肩を押すと朱音は走り出した。
 一度気遣うように止まりそうになったが、頭を振り今度はその小さな脚で、出来る限りの力で姉を追う。


 その離れて行く気配を感じた後、自分が引きつけるように、後ろに迫る化物に挑発を開始する。


「来いよ黒いの」


 隆宏は息を一つ大きく吸い、


 腹に力を込め、叫ぶ。


「お前は俺が相手してやる!」


 愚。


 と、黒い化物が視線を向け、


 これからが本番だとその光が隆宏を突き刺す。

 





 その数分前。
 事態の異変に真っ先に気づいたのも監視者で、保護者だった。


「あちゃぁ〜! 朱音が迷い込んどる!!」


 巍然は『こりゃまいった!』と自分の頭を一つ叩く。
 傍目から見ても顔色が悪くなったように見えるのだが、隣の男はというと、


「三間坂BからDブロックは封鎖してるはずなんですがねぇ。……ははは、こりゃハプニングですなぁ」


 と、朗らかな風を纏ってたりしていた。
 否、纏いたかった、らしい。
 

 その横顔に妙な汗を発見できるし、
 なーんとなくそわそわしてるその手。
 あー眼鏡眼鏡、と呟いていたりもする。
 
 
 そう言うこと――人が嫌がる事――にはハイエナをも軽く凌駕するほどに気づきやすい巍然。
 自然、口から出たのは追撃の一言だ。


「おぬしが抜けてから確実に錬度がさがっておるのではないかの?」
「……おそらく」


 男は苦笑するしかない。
 そして、その様子を見てしまっては――老人も苦笑のみ。


「詮無き事か、すまぬな」


 言うなれば同じ身の上、自分の吐いた言葉が己にもダメージが来たらしい。


「さて……」
「向かうんですね」


 老人はゆっくりと落陽に向かって進み出る。
 より強く、朱色の光が老人の身体を包み込む。


「当たり前じゃろ? 孫や弟子はともかく――」


 巍然は目の前の柵に手をかけ一言。


「身も守れぬ子供、それを守らずして何が霊威士か」


 夕暮れの風の中に、空の匂いを。
 そして特有の感触を彼は感じていた。
 

 まさしくこれは化物の匂い。


「彼にその力があるのですか本当に? 無ければ貴方は――
 
 
 ――弟子と孫を、守るべき家庭を、守るべき尊厳を、貴方の最愛の全てを失い……無駄死にですよ」


「ある。無いはずなぞない」


 断言。


「あやつに力があることはワシが那魅に出おうたその日から決まっておったのだから」


 そう言う巍然の雰囲気には余裕さえ漂っている。


「それに……」
「守代の巫、ですか」
「相棒も、であろうさ」


 にやりと巍然が笑い、柵がガシャンと鳴る。
 一瞬で柵の向こう、元神神社の方へと。


 屈指のモノが飛ぶ。


「私からすれば……あなたも化物も変わらないと、矮小な身に過(よぎ)る事があります。ただ貴方に名を与えるなら――


 ――親愛なる化物、ですかね」


 男が目を細めるその先へと、老人は、屋上から消えた。







 朱音が走り出した瞬間から、化物の頭がその道先をずっと眺めている。。
 その視線と思わしきものを認識した瞬間から、隆宏の内には言い様のない、だが凄まじい嫌悪感で埋まっていた。


 だから余計にいらつく。
 大事なものを汚されている気がしたから。


−くそ、どうする……どうする考えろ隆宏っ。


 やはり静音に惹かれるのか、化物は隆宏との場を終えようと、無視。
 朱音の後を追うように、先に居る静音を追うように、流れるように黒い雲が行く。


 が、隆宏も静止から動へ、有る意味我慢を終えた。


 自分が視界外になった事を知ると、瞬時にステップイン。
 腰が沈んだ状態から伸び上がり様、右足を振りきり、


「お前の相手は俺だって言ったろうがっ!!」


 軽く身体が浮くほどの、砂煙を起こしながらの豪脚。
 

 打撃が効かなかった前回の事も気にしない。
 が、ただがむしゃらに攻撃したのではなかった。


「掛けまくもかしこき――いざなぎのおおかみさんだっけか!! なんであんなに長いんだよ祝詞っていうのはよ!」


 小さい頃、コレ覚えきったら鼻血でるよね、と良く分からない理由で投げ出した祝詞の切っ先を叫びつつ、敵に罵倒。
 精神集中も糞もない。
 なにより静音ではない自分、力があるはずもないが、


−一瞬でも俺にムカついてくれよ! それで事足りる!


 今は惹きつける事が目的と割りきったのだ。


 が、


「う」


 前回投げ付けたものは制服だった。
 だが今透過した脚は隆宏自身のもの。


 黒い靄を旋風脚が振り切る前に隆宏の中に『冷たさ』が侵食する。
 

−食べたい、食べたい、モノにしたい、モノにしたい、蹂躙したい、蹂躙したい、征服したい、征服したい、静音、静音、静音――


 それは田辺が育てた黒い意識。
 エゴの塊が隆宏に流れ込む。


−これが本質――!?


「うぇ……っ!? がはっ、かふっかふごほっ……うええええ」


 不快感に口から胃液が逆流し、酸味が口に広がった。
 吐き気を催すほどの嫌悪、というのはこういうことか。


 身体は正直に反応し、地面に吐物を吐き出し、膝をついてしまう。


 うずくまった隆宏を尻目に化物は女二人の後を追うように地面を滑り行く。


「くそっ、そっちを狙うなこのスケベ野郎!」


 化物は隆宏視線の先へスピードを上げ遠ざかり、小さくなって行く。


「こんな事なら大祓ぐらい覚えときゃ良かったぜ、くそっ……! じじい、あの時の事謝るから今は俺に力をくれよっ!」


 吐き気を耐え、叫びと気合で立ちあがると、隆宏も追撃を始めた。
 

 寝ているわけにはいかない。
 ほっておけるわけが、ない。


 今の彼にはハッキリと守りたいものがあるのだ。







「じじい言うなっ!!!!」


 と、いきなり叫んだ巍然の周り、風景が飛んでいく。
 鴉が一羽、嫌そうに飛んで行った。


「……って何叫んでるんじゃろなワシ。いや深くは考えまいて……、それよりも」


 心地よい落下の風を感じながら、すっと目を瞑ると脳裏に描かれる風景。


「ああああ!? 全部、無いじゃないですかっ!?」


 途端聞こえてきた声に思わず集中が途切れた。


「頭痛いわっ!!!!」


 と、またもいきなり叫んだ巍然。
 そして足元に衝撃。


 着地と同時に陥没した地面、その欠片と瓦礫が舞い、犬が一匹、嫌そうに近くから離れて行った。


 軽く気分を害しながらも一歩二歩と加速、風がまた強くなった。
 今度は痛いほどに。


 走りながらも祭文を唱え集中。
 鼠を介して様子を覗き見る。


「どうして……そんな無いなんて……。巍然様……酷いですよ全部持っていくこと無いじゃないですか……」


 途端うな垂れる姿とその沈んだ声色に罪悪感を感じざるを得ないのだが……。


−悪いな、静音。ちうかの、白夜なんぞ使われたら意味ないからのぉ。


 ただこの苦難を乗り越えてもらうだけ、という訳にはいかないのだ。


 そろそろ社が見えてくる地点で、ふと立ち止まる。


 脳裏に映った風景に不覚ながら驚いたからだ。


 が、目を細めて考えるに……。


−いや、ワシが試そうとしておる今、戻らぬ方が摂理に反するか。


 納得する。


 少女の前に。


 居ない筈の着物姿の女がいることに納得する。


「誰、ですか?」
「……そう、隆宏の傍には貴方がいるということですか。いえ、貴方がいつまでも……不様という事ですか」


 が、相対している少女はそうは行くまい。
 ただ身構え、不信感をあらわにするだけだろう。


「え……?」
「これを持ってお行きなさい」


−ふむ、妥当じゃな。その方が効率が良いか。


「……これ……どうしてあなたが持って……たしか隆宏様の……」
「ええ、隆宏の、彼だけのモノです」


 さぞかし嫌な空気が流れているのだろうと。
 その場に自分が居ない事に少し巍然は感謝する。


「でも、今、神具でもないのに役には――」
「貴方は彼に生きて欲しいのでしょう? それとも、貴方が彼の役に立つとでも?」
「……」


 ぎりっと、歯のかみ締める音が鼠を通じて入ってくる。
 が、少女は黙ってその大きな黒い鞄を受け取った。


 ひとつ、ぺこりとお礼すると静音何も言わずに外に飛び出していく。


 見ていて、聞いていて鋭く、痛い。


『酷い言葉をかけるのじゃな』


 思念が漏れた。
 鼠がその小さな口を使って余すことなく相手に伝える。


「事実を言ったまでのことですが」


 迂闊、バレた。
 まぁ、ばれてなかったはずも無いか。


『そうかの? えらく過少評価だと思うが』


「ふふ、お弟子さんを庇う気持ちは分からないでもないですが――」


 すっとこちらに振り向き、


「彼には不用ですよ」


 瞬間、にっこりと笑った残像だけ見え、
 巍然の手の平がぱっくりと割れた。


 式を消された証拠だ。


 巍然は自分の鉄味の朱をぺろりと舐め、


「そう、とは限らんじゃろうに。男は女で変わるぞ。そうでなければ人を二つに分けた意味が無かろう」


 言って、傷みに少し苦い顔をした。







 境内を走るに連れ、昔の記憶と変わらない風景に笑顔が漏れる。
 あの時はこんなふうにいつも走っていたものだった。
 小さい時にはとても大きな場所に思えたが、成長した今では、思ったよりも狭い神社だと感じる。


−あの時と風景は同じなのに…………ほら、ねえもあそこに居る……。


 はっはっと息を吐きながら、隆宏に向かえと言われた目的地、本殿。
 そして隣には生家が見えてくると自然に顔が綻ぶ。


 そのままその辺りを見まわすと……居た、見つけた。


 その懐かしい風景を前に、足元には何やら黒い鞄が置いて、静音がこちらに手を振っていた。
 
 
 幼い頃も静音が自分をああやって招き寄せていた。


 と、昔と違う風景が一つ。


 突如それは生まれた。
 

 静音が突然身を震わすと、ばたばたわたわたと身体を目一杯使って踊りだしたのだ。
 朱音はその光景に呆然とする。
 あまりに今まで一緒に育ってきた姉とは思えぬ行動。


−やっぱりねえはにいに変えられた?


 本当にこんなのに変えられたのなら嫌な変化であるが。


 その朱音の疑問を吹き飛ばす答えは、当の本人の声が教えてくれる事になる。


「――ろっ! ――けてぇっ!!」

 
 どうやら何かを伝えたいようだ。
 そう感じ、意識を声に集中し息を吐いたその時、はっきりとその声が聞こえた。


「朱音後ろっ! 早く避けてぇっ!!」


 必死の忠告だった。







 その場で振り向いた少女は今、目の前の風景に圧倒されていた。
 いないと思っていた存在が、その場に居る事。
 しかも自分を襲うように飛んで来る黒い腕が見える事。
 その思いもしない現実に、思わず足が止まる。
 だが、今、その行為は致命的だ。


 いまだ数メートルはあった距離が一瞬に縮まり、眼前に黒が迫る。


−静音静音静音静音静音……。


 そこへと追い討ち。


 姉の名が脳裏に響いたのだ。


 その余りの仕打ちに朱音はやっと身体を支配する感情を理解し、己の内に鮮明に描き出した。


 恐怖という存在を。
 それも多大なる恐怖を。


「違う……わたしは姉じゃない、姉の代わりじゃ……ない」


 自らに叩きつけられる意思に震えるその姿は、求めて来る化物に対して朱音は余りにも無力。


「代わりじゃないのに……」


 ただ、呆然と拒絶の言葉を吐くしかない。


 が、それを良しとしない男がいる。


 ばっと砂埃を上げながら朱音に向かって走り込む義兄だ。
 目に映るのは黒い腕が遂に少女に触れようとしている風景。


「耐えるか?!」


 自分自身の思考はまだ疑問系だったが、口に出した途端、身体は動いていた。


 朱音に飛びつく。


−間に合えよ!


 靄から朱音まで50cm。
 手が朱音の腕に届いた。
 なんとか朱音を自身の内へ抱え込んだ隆宏の背に黒い靄が触れると、その瞬間、車にでも跳ねられたかのように二人は横っ飛びに吹き飛ぶ。


「ぐぅ!」


 人間二人分の衝撃が隆宏の横っ腹から背骨を抜け、身体に浸透する。
 ましてや先の宙を舞うほどの勢いだ。
 隆宏にかかるダメージは車に弾き飛ばされる比でなく、朱音をかばった分、質が悪く、大きい。


−しゃれにならねぇ!


 脳裏でそう叫ぶが、それだけだ。
 二人は吹き飛ぶより他はなく、直線上に合った玄関のドアを勢い良く突き破る。
 

 その破砕音が隆宏の聞いた意識の途切れる前の最後の音だった。
 隆宏が守ろうとした、腕の中に居る大事な宝物のように抱かれた朱音もいまだ動かない。


 そして呆然と直立していた横を、大事な大事な二人が吹き飛ばされていった少女は。


−隆宏……様、……朱音……?


 震えながら、ゆっくりと振りかえり、その視線に入ってきたモノは、宝物が殴り倒され壊された姿。
 その惨状を目撃した静音は、ばっと化物に向き合い、


「よくもっ!!」


 吠え、銀色のポインタを右手一振りで伸ばし、走り出す。


 影がけたけたと震え、笑った。







「にい、にい……っ」
「……っつ…………あ……朱音、かぁ……。急いでたからちゃんと見れなかったけれどさ……。お前ほんと……綺麗になったなぁ〜」
「…………ありがと…………。あの……にいは……大丈夫?」
「よっと……ああ、右肩が痛いがそんだけで済んだようだ。と、朱音はここで待ってな……。俺、我慢の限界が来たらしいから」


 朱音の心配をよそに、隆宏はそう告げると立ち上がる。
 

 先ほどゴミのように飛ばされたとき、だが飛ばされた先であるものが巻きこまれるのを、意識の最後で見取っていた。
 

 待望の力だ。


 瓦礫の山になった玄関を一瞥すると、おもむろにその瓦礫に手を突っ込み、かき混ぜること数回。
 

 ついで、にぃ、と彼は笑う。
 

 その笑みはいつもの少し蓮っ葉な、だが温かみのある笑みではない。


 浮かんでいたのはある種、凄惨な笑みだった。


「なにも出来ないと思ってるやがる……」


 つと視線を玄関に戻すと、そこには静音に向かって黒い触手を伸ばしているバケモノがその存在を誇示していた。
 静音も何度か切りつけているものの、やはりその場凌ぎ出しかないようだ。
 それは化物も分かっているらしく、動きは狩る、というものから、弄ぶ、といったものになっていた。


 隆宏の歯が、ギリっときしんだ。


「気にいらねえ、何もかも気にいらねえ」


 そのぞんざいな態度にますます不機嫌になる。
 未知な者に対する恐怖感も、もうない。


「さっきから全く無茶苦茶しやがって……」


 身体は痛いし、隆宏自慢の義妹をもぶっとばす。
 そんな輩には。


 情けなぞ不用。


「俺にはこいつがあるんだぜ……」


 ぐっと瓦礫の中から手を引き戻す。
 手の中には長細くて大きな黒い鞄があった。
 鞄口を一気に開け、中のものを引き出す。


 手に収まるは彼の相棒。
 竹とは思えぬ程に冷たい感触。
 その中には片翼の鳥が飛び、塗られた漆に傾いた朱の日が朱黒い光となって反射する。
 今に作られるものとは根本的に違う、戦乱の最中、戦いの為に作られたモノ。


 だが、それはむしろ彼の隣に常に居たのだ。


 愛用の、戦弓。


「きゃうっ! …………っ……っっぁ!!!」


 悲鳴と共に、目の前で静音が弾き飛ばされた。
 美しい黒髪が凄まじい勢いで流れて行くのが目に映る。


 なんとか避けていたのだがさっき自ら食らったあの黒い影がついに直撃したのだ。


−俺でさえ意識が飛んだんだぞ!?


 スローモーションになった世界で、宙の静音が苦しげに息を吐いたのが分かった。
 そのままゆっくりと地面に落ち、


 時が元に戻る。


 いつも彼女が丁寧に掃いていた綺麗な庭土に着地、まるで氷の上のようにそのまま滑って行く。
 が、派手に巻き起こる砂埃が衝撃の強さを物語っており、実際静音は10mは離れていた社務所の縁に音を立てて当たる事により、やっと止まったほどの、威力。


−静音ぇっ!!!


 横たわりつつ、苦しげにか細い息を吐く静音。
 既に制服はぼろぼろで特に右腕が酷く――地面との摩擦によって削傷があるのだろう――右肘ほどから先が真っ赤に染まっていた。


 その様子を見て化物の動きが益々いきり立つ。
 黒い体が脈動し、宴もたけなわ、と言う事か。


 静音の腕からは赤い物が流れ落ちているというのに、苦痛にその顔を歪ませているというのに、楽しいというわけだ、化物は。


 その様子を見て、


 目の前が怒りで白く霞む。


「好き勝手にやってんじゃねぇよお前……」


 そう呟き、弓を握り締め、矢筒を背負う。
 壊れた玄関から外へ。


 瓦礫が踏みしめられジャリッと音が鳴った。


 隆弘は静かに矢を番(つが)え、静かに静かに……。


 引けるだけ、引く。


 心は猛々しく、怒りが自分を取りこもうとする。
 が、化物を許せない、という意志だけは確固としたものとして胸にあった。


 その思いを矢に乗せ、目を、閉じる。


 そして……。


 この時から全てが動き出す事になる。






『コウハ…………』





 
 隆宏の中に声が、響いた。


 暗闇の中で、静かでいて、そして波間にたゆたう声が。







「ぬ!?」


 巍然は神社に向かって疾走しながらも、突如感じた感触に視線を鋭くする。
 馴染の石段を駆け上がり、その上の鳥居をくぐり抜け、その先に待っているであろう風景を思うと、叫ばずには居れなかった。


「やはりそうなのか? あやつの求める者は!」


 この時のためにアレが自らに課した仕組みは成功したというのか。


 そう、すべては思惑道理。


 だがシャクだとは思わない。


「雪、ワシはやはり嬉しいみたいじゃ。困った男だと笑わんでくれよ!」







 力が、発現する。


 次の瞬間、空に線が引かれた。
 その線は今まさに静音に向かって飛びかからんとした化物に向かって水平に。


 一本の線が、化物に突き立つ。


 そして声ならぬ意思の、悲鳴が辺りに響く。


『グゥゥゥゥゥゥゥゥウゥウゥウゥゥゥッ!!!!!!』


 明らかに苦痛を伴った感情だった。


 壁を透過し、斬撃をものともしなかった化物に、ありえないはずの矢が突き刺さっていた。


 その初めての大きな痛みに身をよじっているのか2、3度背後にたたらを踏むと、静音の元から離れ、風に吹かれているかのようにゆっくりと鳥居へ向かっていく漆黒の影。
 

 だが、
 

 そんな悠長な時間が見過ごされるはずもない。


「ざけんな、出すかよ」


 隆宏は罵る間も矢を番えては、射る、射る、射る。
 一つ刺さるごとに影は薄く、そして鈍く、弱っていくのが分かった。


 今までとは違う。
 立場が確実に逆転していた。
 既に化物は狩る側では無くただ狩られるのみの存在だという事が、間を置かずに化物自身から発せられる音のない悲鳴によって証明されている。


 矢が刺さって行くその先には化物という名に刻み込まれた苦痛の果て。
 黒く自身の身体を抱きこむただの弱々しい球体になっていた。


 しかし隆宏は手を止めないし、哀れみも無い。
 同情などこれっぽっちも感じない。
 身内を害する物には、かける情けも今の隆宏にはなかった。


 ただあるのは自分たちを傷つけたものに対する報復。


「なぁおいっ!!!!!!」


 そこで初めて隆宏は吠えた。


――ふむ、その霊濃浸ならば合格だ――


 瞬時、隆宏に弓が震え、答え、鳥の翼が開かれる。


 変化は全て一瞬。
 

 片翼だけであった鳥のレリーフが大いなる両翼になり、次の瞬間、ただの竹で構成されていたはずの弓の表面から黒い光が漏れ出る。
 と、その黒閃が固まっていき、戦弓を基とした歪なオブジェが出来あがった。
 外観からすれば脈動した枝樹、とでも言うか、いや、むしろ蔦に絡まった蛇を連想させるか。


 隆宏はそれを知覚しながらも弓を引く。
 突如の変化に不安はなく、それどころか心強くさえ思う。


 なぜなら今までこの弓に感じてきた、『自分を裏切らない』という感触がより感じられるからだ。


―― 一発しか創り出せん。外すな――


 脳裏に響く声に肯きつつ、視線で化物を貫く。


 引き手に持つ矢羽根に弓弦から朱い光が流れ込む。
 ついで矢尻が真っ赤に染まり、幻影のように揺らめきはじめたその時、この場に見届け人が到着した。
 石段をまさに字のごとく一足で駆け上がってきた老人。


 巍然だ。
 その状況を一目で把握すると巍然は興奮の余り叫んでいた。


「よしっ炎神(ほむらがみ)が来たか! それでこそ我が後継ぎ!」


 その叫びが合図となり、二つの存在は急速に近づいていく。
 

 隆宏はただ視線とその先にある矢を化物に向けて。
 彼はまるで時が止まったかのように動かない。


 動いたのは化物だ。
 痛みにうずくまり、怯えを表した黒い球の影になっていたその形態から一転、瞬時に足が生え大地を蹴った。
 ばっと地面がえぐれ、その砂埃が舞うその場には既に巨躯はない。


 化物は砂塵が地に着く前には一直線に隆宏へと跳んでいた。


 空中からまた足が生え、一発二発、またも地面を蹴り、加速が増す。
 漆黒の表面には隆宏への単純な攻撃本能が具現化した、噛みつく為だけの鋭い犬歯をあしらった口ができた。


 矢を身体中に垂らしながら、だが疾駆するその化物。
 足と口だけで、人型ですらないが、
 今までとは勢いが違う。


 それは自身をも省みない、全てを攻撃にあてた突進だからだ。
 30mはあった距離も既に10mを切った。


 と、口がバクンと開き、ナイフのような刃が増え剣山の様に配備された。
 口の中には何もない。
 ただの黒い、何物をも呑み込むが如くの闇、黒い黒い闇がある。


 5mを切った。
 人知を超えた凶器が目の前に迫っていたのに、だが隆宏はまだ動かない。


 自分が生き残る為に相手を凌駕する、ただそれだけを望む、生き物の根本的な本能。
 それが隆宏を襲っていた。







 我を忘れ、斬り行ってから、術中に嵌っている事は分かっていた。
 が、自分で何も出来ないと、それだけは思いたくは無かったからなんとかしようと、力を振り絞ろうとして突撃したのだ。


 祓詞じゃだめだと、大祓詞が完了するまでに、集中する為の無防備な時を狙われた。
 まったく……まだまだ剣技も、ましてや巫女としての仕事も先は遠いようだ。


−ほんと……役立たず。あの人が言った様に……。


 悔しい。


 とても悔しかった。


−でも、まだ、まだ終わってない。


 悔しがるのは後だ。
 でないと、取り返しのつかないことになる。


 そこで夢から覚めた。


 まず頬に感じたのはざらざらとした感触だった。


 とても居心地が悪かったのでそこから移動しようとする、が、意思に反して身体はとても鈍重だ。
 ゆっくりと地面に手をつこうとするだけで疲れる。


‐痛っ……。


 動かした腕、特に左腕が酷く痛むのを感じた。
 と、上体をゆっくりと押し上げるところで、自分がうつ伏せになっていたことに気づく。


 薄いもやが掛かったような頭が邪魔で、頭を振って覚醒させようとした、その時だった。
 一つの悲鳴が突き刺さる。


「いやぁっ!? にぃっ!!」


 その叫びに身体が過剰に反応した。


−朱音!?


 自分の両の腕を抱え込むようにして涙ながらに叫ぶ姿が見え、
 その声に押されるように視点をめまぐるしく変えると、そこには隆宏の姿があった。


 弓を構え静かに立つ隆宏と、それに向かって矢の如く跳びかかる化物と共に。


「たか――」


 不安に声がでそうになるが、ぐっと呑み込む。
 瞬時に田辺と相対していた時がフラッシュバックしたのだ。
 その記憶は記憶を呼び、一瞬で回帰を促した。


 それは見た事もない、されど強く、思いが残る、残滓。


−守る。 守ると。 私が守ると決めた事。 違えはしない。


 炎が舞う中、崩れ落ちるあの中で『彼』はそう答えたのではなかったか。


 ぱちんと弾けた。


 隆宏の静かな表情が見えた。

 
 守る、その言葉は、田辺の時も彼が言った言葉。


 あの時隆宏はどう言う行動をとったのか。
 

 そして、なによりも。


 自分を助けてくれたのは隆宏だった。






 なら……。






−隆宏様っ!!






 信じる。







 最後の特攻だ。
 そして化物の咆哮が轟く。


「ガァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」


 それは化物が初めて音として放った声。
 生きるためのその咆声は回りを呑み込み、当たり一面に広がる。
 

 木々で安らいでいた鳥達が一斉に飛び立ち逃げる。


――くるぞ!!――


 化物の口が閉じる。
 挟み込むようなそのアギトに隆宏は身体全体で圧迫感を感じ、身が総毛だつ。
 刹那、隆宏の目が見開き、内には声なき声が響く。


――焔招!!!――


 ギッと噛み締めた口に血の味が広がる。


 敵を屠るための矢尻から赤い赤い何物をも食い尽くす紅が発生。
 幻影が現実を凌駕する。


 それを見た老人は宣言する。


「それが炎刃というものじゃ隆宏っ!」


 力の名を巍然が叫び、その力の持ち主が声を。


「だらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」


 裂声と共に、焔矢を手から放つ。
 瞬時に赤色の光が隆宏の視界、全てを覆い、同時にバグンと化物の口が閉じ全てを呑み込んだ。


 時間は流れを止めず、そのまま結果を指し示す。







 残ったのは、黒い球体。


 ただ、それだけだった。






「……あ……ああ」


 朱音の口から漏れ出るのは絶望の声。
 朱音の視線の先には、ありえない、あってはならない光景。


 だが。


 その絶望の呟きを聞いても、まだ静音は、彼女は祈っていた。


「……信じています。あなたは私を守るって、私の心も守るって……そう、言ってくれましたから」


 静かに目を開けると、


 そこには黒。


 ただ、それを目にした静音はゆっくりと微笑み、


 黒は一瞬赤に変わり、かと思えばまた黒に戻る。


 駆け出したのはそれを見取った後。


 黒球が細かな灰塵となって端から欠けて行くその中に向かって。


 その場に立つ人に向かって彼女は近づいていく。


 立ち止まり、息を整え、もう一度笑いかけた後。


 ゆっくりと自分の額で、彼の胸にもたれかかった。







 全てを見た。


 確かに隆宏はコウハを用いた。


 その事実に老人は複雑な気持ちを抱える事しか出来ない。
 あごを一つ撫でた時、己の背後に生まれる気配。


 強烈な、気配。
 こんなものを持つモノ、知人には一人しか思い浮かばなかった。


「……ワシを使ったお主の考え、当たっておったの」
「……ええ、やはり、会えた」


 巍然の後ろで、静かでいて、そう答える声。
 声の質は清涼。


 艶の有る女の声。


「巍然……お久しぶりですね」
「そうじゃな、実体は何十年ぶりか。先ほどは痛かったぞ」


 那魅。
 と、巍然の口から漏れた。


 そう呼ばれるもの。
 それさえも妖しいか。


「覗きなど下賎がする事ですから」
「……お主にそう言われるのは複雑じゃ」


 振り向かなくとも姿は分かる。
 そこに居るのだろう。


 白い、真っ白な衣を纏い、
 銀色の、白銀の濡れ髪が地まで枝垂落ちるその姿。


 そして見れば魅了されてしまう銀色の視線と共に。


 まさに、麗しさを体現するその姿があるはずだ。


「わたくしは、目覚めましょう」


 その存在が求め始める。


「目覚めて、願いを、果たしましょう」


 そしてその全てを把握したるものは。


 ただ重い気配をのみを残して、消えた。


「……時が来た、か。まぁ美人は歓迎するが」


 ぽりぽりと振り向くとそこには影も形もない。
 ただ、彼女の力の余韻が感じられるだけの事。


「ワシとしてはこのまま寝ていてくれたほうが老後の心配は無いんじゃがのお」


 老人の域に思いっきり踏み込んでいる事を自覚してない、無理矢理自覚しない巍然。
 やれやれと肩を廻し、
 もう異型の姿は微塵も無い、変形を解いた隆宏の弓を一瞥。


 だが、確かにアレは力を発し、なにより彼女が出てきたと言う事。


 考え……止めた。


−やめじゃやめじゃ。悩んでたら禿(はげ)るわ。


 ため息一つ。


−まぁ取りあえずは、任すとするか。弟子と孫にの。 
 

 そうして初老の域の自称中年は隆宏達の元に向かって歩き始めた。


 なんてことない、何事も始まりがなければならないのだから。


 まずは、目の前に広がる甘い雰囲気を醸し出していた二人に――というか孫に――蹴りをいれる事から始めよう。


 そう決めて。

                                
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後書き (written by 津々羅)

はいっ! 一部終わり!
……え、ダメ?(´ω`;)

とはいえやっとここまで書けたーって感じです今。
やはり小説は最後の一歩手前、完成が見えてきた辺りが一番しんどいなと再認識。

久々に巫女に手をつけて、一応締めなければならない部分だからと意識して書きましたが……。
やっぱり詰まりました途中で、ああダメ過ぎ(;´Д`)

とはいえ書き終えれたのは正直嬉しいです。
ふひー、一段落して寝よ<マテ。

少しずつしか書けないこの頃ですが、
いつしかぽつんと増えてると思います(死

ここまで読んでくれているのに申し訳ありませんが、できればこの先も読んでやってください><

ではまた次で!

注:いつも添削してくれるあの方と今時間が合わないので、添削状況かなり悪いです。ごめそ(´ω`;)

(添削:かなり内容が変わりましたっていうか、朱音を元の性格に(´ω`;)
かなり変だったのでtt

ああ、やっぱり親友よ、キミの一言良いわw)


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