富松薪能
平成30年7月26日 5時30分開演
富松神社境内



第39回 富松薪能

能 巴

狂言 文荷

(仕舞  尼崎こども能楽教室)
富松薪能
幽玄の世界へ
能と言えば・・・難しそうとすぐに思ってしまう人は沢山おられる様ですが、富松薪能は演目の由縁など解りやすい解説があり気軽に楽しめます。
『静』の中にあって『動』の細やかな動き、『華麗さ』と『幽玄さ』が薪の火明かりの中で微妙に演出されるのも能の一つの魅力か例年、多くの人が夏の夜のひとときを楽しんでいただいております。

能 巴

 木曽の山里の僧が都へ上がる途中、近江国(滋賀県)粟津の原に着くと、一人の里女が現れ、松の木陰の社に参拝しながら涙を流しています。不審に思った僧が女に言葉をかけると、女は行経和尚も宇佐八幡へ詣でたとき、「何ごとのおわしますとは知らねども、忝なさに涙こぼるる」と詠まれたように、神社の前で涙を流すことは不思議ではないと答えます。そしてここはあなたと故郷を同じにする木曽義仲公が神として祀られているところであると教え、その霊を慰めてほしいと頼み、実は自分も亡霊であるといい残して、夕暮れの草陰に消えてしまいます。(中入)

 旅僧は、里人に、義仲の最期と巴御前のことを詳しく聞き、同国の縁と思い、一夜をここで明かし読経します。すると先の女が、長刀をもち甲冑姿で現れ、自分は巴という女武者であると名のり、義仲の遺言により一緒に死ぬことが許されなかったことの無念さ、戦模様を語り見せます。遂には形見の品をもって一人落ちのびたが、いまだにある心残りが成仏のさまたげになっているので、その執念を晴らしてほしいと重ねて回向を願って消え失せます。


能楽の流儀
能楽師には、シテ方、ワキ方、狂言方、囃子方(笛方、小鼓方、大鼓方、太鼓方)の専門職にわかれており、それぞれ流儀があります。

シテ方:観世流、宝生流(ほうしょう)、金春流(こんぱる)、金剛流(こんごう)、喜多流
ワキ方:福王流(ふくおう)、高安流(たかやす)、下掛り宝生流、通常は役で最初に登場
笛方:一噌流(いっそう)、森田流、藤田流
小鼓方:幸流(こう)、幸清流(こうせい)、大倉流、観世流(かんぜ)
大鼓方:高安流、葛野流(かどの)、大倉流、石井流、観世流
太鼓方:金春流(こんぱる)、観世流
狂言方:和泉流、大蔵流

能舞台
富松神社内の能舞台は、ご鎮座される本殿に向かって建てられています。例年7月26日に開演される富松薪能は、地元 薪能の会をはじめ、多くの人たちの手によって舞台が作られていきます。右図に能舞台の各名称を記しましたので参照なさって、ちがった角度からも富松薪能をお楽しみください。