written on : 2006/11/04 
>> 「高価で尚且つ結構いらなかったもの」

何を隠そう司馬は金遣いが荒い。

…いや、今更何言ってんの…そもそも頂いたこのお題からして押して知るべし…と突っ込まれそうですが、たまらなく金遣いが荒い。と言うか計画性のない散財を好む。思い起こせば学生の頃から金銭感覚が著しく破綻しておった。高校になってすぐバイトを始めました。「働いてみたい…!」とか、「新しい出会いだわキャハ!」とか、「社会貢献するぜよ!」とか、そんな動機ではなく、くっきりはっきりきっかりとバイトの目的は「金を稼いで好きなように使う」であった。何と可愛げのない高校生だ、けしからん。

いや別にそれまでお小遣いもらってなくてひもじい思いをしてきた訳じゃなくて。
何て言うかな、その、ドバーンと金を使いたかったんですよ。欲しいモノを欲しい時に買いたかったんですよ。つか主に千円札じゃない札束でウチワを作って扇いでみたかったのよ…って、なんか思考が成金オヤジっぽい。高校では部活もやんなかったし、時間もすこぶるあったのでザクザクとバイトに勤しみました。土日は1日中だし平日も夕方からと言う、今思えばかなりぎっちりバイトやってて、月に6万ぐらい稼いでおったのですがからっきし貯金してませんでした。かと言ってその頃から何かブランドものに目覚めておった訳でもなく、何か手元に残るような散財はしてませんでした……ハテ、一体何に金を使っていたのだろうか。


ウーン、ンー、ンー?とちょっとしかない海馬を酷使して記憶を辿ってみた
…お!飯だ!そうだそうだ、主に飯類で散財してたっけ!がっつりバイトしてたとは言え、隙間を縫うように遊びに出かけてました。当時、高校でバイトをしていた奴ってそんなにいなかったんすよ。だからみんな金がない。そして司馬は高校生にしては金がある。つまり、司馬が奢る事が多かったのです。ちょろっとした買い物やら飯やら、司馬が支払ってた訳で、やっぱオマエは成金オヤジだ、と思う。休日の朝から晩まで遊んだ時なんて朝飯から晩飯まで気前良く全部出してたなァ。まるで愛人を囲うオヤジだなァ。今なんて生徒にお菓子とかねだられると「貧乏講師にたかるなや…月謝あげるぞ」と拒否反応を起こすケチっぷり


あれ、なんかお題から微妙にズレつつあるよ。
なんか司馬さんの放蕩成金高校時代を語り出したよ。やだな、三十路越えると甘酸っぱい青春の思い出に浸りがちでイカンな(成金オヤジ属性ばかりで甘酸っぱくないけど)。えと、つまり司馬の散財癖は高校生時代から培われた根深いものである、と言う事だ。と同時に、司馬の散財はモノより思い出派なんだな。いや、ソレちょっと意味を履き違えてる。


軌道修正。


とにかく、手元に残る散財ってあんまりなかった。しかも司馬さん近距離を含めて何度も何度も引っ越しやってきたから物は潔く捨てる派でもありまして。しかも自他共に認めるアホなので記憶力にもいささか問題がある。だから過去に痛い散財をしたとしても都合よく記憶から抹消してる可能性も捨てきれない。しょうがないから現存する物とかすかに残る記憶から「高価で尚且ついらなかったもの」を探るしかない。


いや……待て!

そもそもこの「高価」の基準とは果たしていかほどのものなのか。欲しいモノなら多少高くても高価だと感じないし、全く興味のないモノなら1000円ですらものっそい出し渋る司馬だ。司馬の最大の娯楽であり心の糧でもあるゲームになら何万でも笑顔で出せるが、最終的には生ゴミでしかないと認識している花束とか植物はどんなに豪華だとしても500円ですら惜しい。故に「高価」の基準がひどく曖昧になる…ので、買ったけど「いらなかったもの」の方に重きを置こう。


最近バカ買いしてるブランド物系。
実は1度も使ってないバッグとかあるけどあれはまあ手に入れる事に意味があると言うか、金を使う事自体にズレた快感を感じているので「いらなかったもの」には入らない。累積だとタバコに費やした金額が最も多いのだがコレも司馬にはゲーム並みに必要だったから「いらなかったもの」に入らん。そんな風に頭の中でチェックを入れていくと…なんか何も残らんではないか……はっ!もしや司馬さんって無計画な散財をするアホだと思ってたけど実はそんな事ないんじゃない?って思った。そんな事を思ったみたんですけど、どうでしょう(聞くな)。

しょうがないから押入れとか屋根裏部屋を漁ってみた。

要らない物はドカドカと捨てる司馬なのですが、高価なものだと捨てるに惜しい。と言うか、気が引ける。と言うより、買ったのに使ってない物だと罪悪感があって捨てられないから見えない所に押し込んで隠してるハズである。そして嬉しくないけどそんな自己分析がどんぴしゃりと当たりました。なんか今となっては必要ない物とかチマチマと登場。ついでに幼少時代のオモチャやら美術の作品やら卒業文集やら友達からの手紙のたばやら色々あって、気恥ずかしくて居たたまれなくて放火したくなりました。卒業文集の文面ってなんであんなにアホっぽいのだろうか。卒業文集ってさ、犯罪者になって逮捕されたらもれなくワイドショーで取り上げられるじゃない。「あの頃はこんな明るい事を書いてたのに」とか「この頃から心に闇を抱えていたようです」とかさ。あれってある種の公開プレイ並みに恥ずかしいと思う。


おわ、また話が逸れた。
己の過去の恥部に赤面しつつ、「いらなかったもの」探しを続行。チマチマしたものはあれど、コレぞ!と言うレベルのものがない(どんなレベルだ)。ごそごそを奥のほうを探してひとつ出てきた物がありました。



捨てるに捨てられません


隠すように押し込まれてあった通信教育モノ。

て言うかまず言いたい事は「大学受験」って、何年前のモノよ…って感じですが。司馬が日本の大学を目指していたのは高校3年の夏までなのでその時の物である。13年物である。ワインで言えばいい感じになってるハズである。この通信教育モノって確か数万ぐらいしたと思う。あの頃の司馬さんは無謀にも関西外大という大学を目指しておりました。模試の結果がC判定で中途半端に諦めがつなかくて、頑張ればまだ間に合う…だが頑張るのイヤだな、バイトも忙しいし、と言うふざけた時期でした。

従って、非常に不純な動機により司馬は通信教育にすがる事にしました。
や、最初は効率的に勉強できるゾ!とやる気がゴウゴウ燃え滾っておったのですよ!英語の受験で点数を取るには長文読解が要である。つう事でピンポイントに長文読解に絞ったこの聞いたことのなくて得体の知れない(失礼)教材を選びました。ひたすら英文をカセットテープで聞いて文節に分けて訳してコツを得るだけらしい。文法書や辞書にガリガリと噛り付かなくてもいいなんて素敵だ。だってバイトで忙しいから時間ないし。そんな心意気で点数が上がるとは思えなかったが、まあ臭いものにはフタをすればよい。15冊ぐらいのテキストがあって、1冊終わるごとに通信添削用のテストもありました。テストがあるからイヤでもきっと続くであろう、と。懐かしいなァ…と当時を思い返しつつ箱をオープン。



せめて使ったと見せかける痕跡ぐらい残そうよ


ほぼ新品のまま13年間放置されていた模様。

…い、いくらなんでもテキスト1冊ぐらいこなせよ過去の司馬……我ながらちょっと呆れました。だってもうホント見事に新品だから。画像では見にくいですがカセットテープの封すら開けてないから。さすが通信教育…通販の健康器具についで無駄になりやすいと言われてるだけある。1冊目のテキストの数ページはやった痕跡がありました。が、すぐ飽きたっぽい…司馬さんらしいや。
こんな13年もたってんのに屋根裏の奥の方に隠すように置かれてたってのが何とも言えない。おそらく数万円も払って親にも「コレやるから」って自慢気に知らせた手前、捨てるに捨てられなかったらしい。


通信教育モノの箱をそっと元に戻しつつ(捨てろよ)、「いらなかったもの」探索再開。


冬物の服が山盛掛かったキャスター付き衣装掛けを押しのける。母の服がほとんどだけど、いつの服よ…ってぐらい大昔のものが掛かっている。しかも今じゃ絶対にウエストが入らないと思われる…捨てればいいのに未練たらしいよなァ、と、司馬さん人の事言える立場じゃないくせに。うぷぷ、と忍び笑いをしつつ母の化石とかした服を見てた司馬さん、とある服を見つけて凍りつく。こ…これは…このド派手な服は…。



のわああああ!


司馬がおかっけ時代に着てたコスプレ衣装ではないか。

ふぎゃあ!おっかけ時代を思い出すと赤面する。てかコレも高校時代のモノだ。そうか…高校時代はおっかけにもさんざん散財してたんだっけ。高校生の分際で関西だけじゃなく広島や名古屋や東京までライブに行ってました。しかも毎回コスプレしちゃってさ……そりゃ金が要るわな……。コレはツアー衣装をまるっきりコピーして作ったものです。作ったものっつうか、ホツレたものはホッチキスで繕うぐらい面倒臭がり屋で不器用な司馬が自分で作れる訳がないですから、オーダーして作ってもらったものです。
画像では見えてませんが下もド派手で真っ赤なパンツ。全面はキラキラと色んなモノがぶら下がってます。背中にもぶら下がってたんですがクリーニング出す時に邪魔だから取ったような気がします。んで物の管理が適当な司馬さんなのでそのまま紛失したっぽいです

…よくもまあこんなド派手なコスプレやってたよなァ…若かった自分にまばらな拍手を送りたい
当時はおっかけでアチコチ行って色んな人に会って騒ぐのがなにより楽しかったです。サークル作ったりしてたのでライブに行くと20人とかどわーっとツルんでました。だからこの衣装も「いらなかったもの」には当てはまらないと思うのですが、今見るとものすごく無駄使いしたな…と。おっかけ時代の最後の最後にオーダーした衣装なので2回?ぐらいしか着てないヤツなんです。だけど確か10万越えたハズ。オーダーする!と決めた時、親に「そんなアホな事はやめて恥ずかしい」と力一杯止められたのですが、障害があると燃えるたちの司馬さんなのでサクッとオーダーしちゃいました。

今と違って当時は携帯やメールなんて便利なものはありませんでした。
従ってオーダー先の会社とは素材や細かいパーツの打ち合わせ(?)を何度も何度も自宅の電話やFAXでやったものです。はっきり言って面倒臭くて「もう適当にやってよ…似てればいいから」と途中で弱音を吐きました。だってバイトで忙しいんだっつうのよ(またか)。客である司馬がそう言ってんのに制作担当者の方は妙に使命感に燃えた方らしく、細かいパーツひとつ作るごとにきっちり電話を掛けてくれて司馬を悩ませたものです。

そんなけ苦労して金使ってこさえた衣装だけど2回ぐらいしか着てない。
しかもライブで着たからすぐにヨレヨレになったし。コレ以外にもコスプレ用に市販のスーツもたくさん持ってましたが、それらはおっかけ卒業と共にサクッと捨てました。だって市販のスーツと言え、ド派手で着れるようなシロモノじゃなかったので…。そしてこのオーダー衣装。元手がかかったからなんとなく捨て難い。たとえ脅されたとしても絶対に着る事はないと解ってるんだけど、解ってるんだけど…捨て難い。さっきの通信教育モノと言い、なんか死ぬまで封印してそうです。んで、死後に親戚の人とかが遺品の整理に来て発見して驚愕されそう。驚愕ならいいけど笑い者にされたら成仏できないよ。




ヨロヨロになりながら屋根裏部屋から退避。
何か色々と精神的なダメージをくらったような気がする。やっぱ過去って振り返っちゃいけないものだ。前だけ見て生きよう、と強く思った司馬は間違ってないハズだ。それにしても大昔のモノばっかだった。もうちょっと最近の「いらなかったもの」はないのだろうか。司馬にとっては非常に必要なモノだけど傍から見たらものっそ高価で且つ無駄だと思われるモノならある。て言うか昨日の夜に母にさんざん罵倒された。自分が稼いだ金を使ってこれほどまでこき下ろされるだなんて失敬である。だけどおっかけ衣装と同じく、将来また過去を振り返った時に「わあああ、司馬のアホ!」って赤面しないか、と問われると答えがたい。それは何かと言いますと、アホ日記にもちょこちょこ書いてたエステである。

エステに通い始めて約4ヶ月。
今まで吐き出した金は何十万であろうか。効果はあるしエステやってもらってる瞬間って極楽気分なんだけど、なんと言っても高い。もうアンタの顔なんてどうでもいいじゃないの、なんで諦めつかないの、と母に言われるたびに「そうかなぁ…そうかもなぁ…」と妙に納得しそうになりつつ通ってます。
昨日エステさんに「冬のお手入れは大事」と言われて化粧品を見せられました。コレ使ったら乾燥なんてドンと来い、ですよ!と言われてフンフン頷いて…値段を見て「……ひょぉっ!」と息を吸い込みました



カモだ!司馬さんカモだ!


こんなちっぽけなモノが3万だと?ありえねぇ!

ニコニコなエステさん。いくら温厚で大人しい司馬だってそのうち怒るぞオイ!薄給の司馬にクリームだけで3万もする化粧品なんぞ買える訳がないだろう!ふざけんな!…と思いながら久し振りのドンとした散財の予感に末端神経が痺れてしまって気付いたら財布を出してました。しかも来月になったらコレとおそろいのローション(1万5千円)が入荷するから、だって。絶対またビリビリきて散財しそう。誰か止めて。

て言うかそのクリームの背景の絵ナンですか?
え?あらあら、冷蔵庫なのよね。司馬家の冷蔵庫には愛しの五木ひろしのポスターが貼ってあるのですよ。「ふりむけば日本海」っていうシングルの特典でゲットしたヤツ。ひろしってばかっこいいキャ!んで上に貼ってあるのはゴミの分別チラシ。ドカドカと散財しまくってるくせになんか生活観が滲み出てて憎めないよね(自分で言うな)。

>> THANK YOU
180029のニアピン賞のお題でした。

なんだかんだ言ってキチンとお題をこなしているじゃないか司馬よ!
これはきっと司馬にとってタイムリーに書きやすいお題だったからじゃないかな、と。何も思い浮かばないようなお題だったらきっと原型を留めないぐらい変形させてそうですので!…て言うか、長い。もっと短くスッキリまとめるつもりだったのですが、えらい長文になりました;

キリ番もどきを踏んで下さってありがとうございましたv少しでもご笑覧下されば幸いです。


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