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イラン・ドバイ編
2010年11月17日〜23日



2010年

11月17日(水)なんでこんなところに
世界で唯一のイスラムシーア派国家。大統領がナチスのホロコーストなど無かったと主張し、「平和利用」の名の下に核開発を続けるイラン。欧米は経済制裁を強め、日本政府も米国からの圧力で、イランの原油採掘権を放棄、トヨタは自動車のイラン輸出を中止。核開発に関与すると思われるイランの銀行とは、邦銀は一切の取引を中止。日に日に環境は悪化し、イスラエルによる核施設への電撃空爆まで噂される。

なんだけど、私は今、そのイランの首都テヘランにいる。


ホテルから見たテヘラン市内


3000メートル級の山々。この山を越えるとカスピ海。

話は今から半年前の上海まで遡る。展示会に出展していた私のところに、流暢な英語をしゃべるイラン人青年がやってきた。うちの会社の販売代理店をやりたい、と。その時は既存代理店があったこともあり、適当に聞き流していたのだが、7月になってメールが来た。うちの代理店と話し合いを持った結果、代理権についてはうちの了解があれば譲っても良い、と言われたと。まあ、全く商売などしたこともなかったので、どうでも良いと思って了解したら、すぐに日本に打合せに来る、って話になってしまった。本当に来るというか、来れるとも思ってなかったんだよな、その時は。

で、8月に本当にやってきた。しかも3人も。その場で、とんとん拍子に代理店契約と今回の展示会への出展が決まった。北新地の駐車場が200円/10分ってのにマジで驚いていたようだが。

だけど、その後が大変。まずは展示会の出展協力金の送金。わずか1,500ユーロ(165,000円)なのだが、ユーロは日本の銀行から直接送れないとのことで、ドイツ銀行経由なら可能との返事を銀行からもらい送金手配したら、3日後に戻ってきた。ドイツ銀行が送金先のイランの銀行との取引を中止したって理由で。日本の取引銀行に確認して、円送金の可能がイランの銀行リストをもらい、代理店にそこのどこかに日本円口座を持っているか確認した結果、一行だけあった。なんとか無事送金。
知ってる人は少ないかもしれないけど、今、日本から海外へ送金する場合、送金依頼書に「N.N.K」「N.I.」って記入しないといけないんだよ。「NON NORTHKOREA」「NON IRAN」って意味。そのイランに送金するわけで商売とは言え銀行も嫌がるんだよね。

展示品サンプル・カタログ。国際郵便小包(EMS)で送ったらイラン国内で行方不明に。代理店から「勝手に送るな」と怒られた。EMSは着かない。DHLかなにかの国際民間宅急便を使えと。高いんだぞ。で、再送。

最後が私の入国ビザ。金も送れない、物も届かない、そんなところに行けるのか?ビザは日本側からの申請書とともに、イランの身元引受人(代理店)からの申請も必要となり、両方が揃って初めてビザが発給される。なぜか、私の父親の名前も書かないといけない。で、代理店から連絡があり、東京のイラン領事館に書類をFAXするのだが、ずっと不通だと。番号を再確認してくれって。電話で確認したら、外国人訛りの日本語で番号は変わっていないので、時間を置いて再トライしてくださいって言われて、最後に、西の方向へ向かってお祈りしてください、って、マジで言われた。。。。。 お祈りはしなかったけど、無事FAXも届きビザ取得。

テヘランに大阪から行くには、エミレーツ航空が便利と旅行会社に言われ初搭乗。あの世界一高いタワーのあるバブル国家、アラブ首長国連邦のドバイを拠点とする航空会社。でも、たいしたこと無かった。マイレージもどこのグループにも属さず独自運営だから旨みも無い。食事もシンガポール航空の方が美味い。

出発は16日(火)夜中の11時40分。関空はガラガラ。ここ本当に24時間営業のハブ空港か?




ちなみに、次の写真は朝5時のドバイ空港。さすがに中東のハブ空港だね。にぎやか。ターミナルも3つもあるし。




ドバイで乗り換えテヘランへ。なんか中国人の客が多い。仕事の団体さんみたいで、女性も多くいる。欧米が手を引くとすぐに中国が乗り込んでくる。そんな感じ。テヘラン空港に着陸してターミナルに飛行機がついた瞬間。女性達が一斉にスカーフをかぶり始めた。え〜、この中国人はイスラム教徒? ではなかった。イランの法律で、イラン国内においては公衆の面前では女性は民族・宗教関係無く、全員がスカーフをかぶらないといけない、んだそうだ。(出迎えの代理店の兄ちゃんに教わった)

ホテルへチェックイン。カードが使えないから、てっきりキャッシュでデポジットするんだと思ってたら、デポジットは要らないって言われた。日本人が信用あるのか? 代理店が信用あるのか? って思ってたら、パスポートを返してくれない。チェックアウト時に精算が済んだら返してくれるんだって。全く信用無し。最強のデポジットじゃないか。

ということで、今、私はテヘランにいる。

11月18日(木)喫茶店
出発前に代理店から入国時の注意点として、アルコールは一切持ち込み禁止、国際クレジットカード(VISA, AMEXなど)は使用できないって言う連絡が着ていた。酒はともかくクレジットカードが使えないってのはメッチャ不便。全部、ドルかユーロのキャッシュだそうだ。久しぶりにまとまったドル紙幣を持っての出張となった。ちょっと怖い。今回、宿泊するホテルは1泊200ドルを越える5星ホテル。旧HILTONホテルです。米国資本が1979年のイスラム革命後撤退したのをイラン資本が引き続き経営している。他に旧SHERATONってのもある。ホテル名はペルシア語に変わっているけど。

いくら厳しくても外国人が個室でアルコールを飲むことまで禁止している国は知らない。だから、高級ホテルなら絶対にアルコールが手に入ると思ってたら、甘かった。無い、マジでビールも無い。初日からいきなり休肝日。イランの食事時間はインドなんかと同じ。昼食は2時ごろ、夕食は9時ごろ。だから仕事が終わってから食事まで暇で暇で。今日は代理店が「喫茶店」に案内してくれた。繁華街というか何というか。


デーツ屋さん


お面屋さん


喫茶店


メニュー?の看板

ここでタバコを吸いながら、紅茶を飲む。アラビアンナイトでお馴染みの水タバコ。


「シーシャ」って言う器具。これが結構難しい。肺活量が要る。味は水にレモンを入れてたりするんだけど、やっぱり煙たいな。


紅茶。見づらいけど、紅茶の中に突き刺している焼き鳥みたいなのは、サフラン入りの氷砂糖を串に刺したもの。これが溶けて甘くなる。サフラン入りだから黄色いクリスタルのような光で綺麗。なかなか、イラン人、おしゃれじゃん。


紅茶のアテはデーツ。日本だと馴染みが薄いが、ウスターソースなんかの味付けの原料にもなる。甘い。

とまあ、夜のテヘランを彷徨いていたのが、寒い。テヘランって標高1000メートルくらいあるらしく、この時期は夜は冷えるそうだ。風邪ひきそうになった。

11月19日(金)食事と宴会
今日はイランはお休み。未だにイスラム法に基づき金曜日が週休日。でも、展示会だから私は休み無し。

まずは展示会場で代理店の用意してくれたカバブーライス。


めっちゃ美味い。


で、デザートに出してくれたヨーグルト。めっちゃ不味い。というか、これ、塩味だよ。しかも、ニンニク入りだから臭い。ヨーグルト大好きなインド人もギブアップしてた。

今日の夕食は代理店主催のパーティ。同じブースで出展しているイタリア人2名、韓国人2名、インド人1名と私の計6人の外国人がゲスト扱い。イラン人は10名くらい。

天井は綺麗な細工がされている。


男性ばかりの演奏(イランでは女性歌手は禁止されている)。


食事はこれが1人前。美味いけど食べ切れません。


ここで、初めてビールが出た。イラン製だって言う。


ノンアルコールビールだった。。。右からパイナップル味、ホップ味、オレンジ味、アップル味。 しかし、このイラン人達、ノンアルコールビールを飲んで、演奏に合わせて手拍子したり踊ったり、ほとんど酔っ払い状態。人間、その気になればノンアルコールでも酔えるんだな。私は無理だったけど。

代理店の女性達。


綺麗でしょ。イランではスカーフは絶対にかぶらないとダメだけど、かぶり方も色も模様も自由。だから、みんなおしゃれの小道具って感じで使ってる。男女同席ぜずなんて規律も無い。まあ、バスや電車は、女性車両、男性車両ってわかれてるけど。学校は小中高は男女別学。大学と幼稚園が共学だそうだ。

ビールの話をしてたら、この日の晩遅くに、代理店の社長から差し入れが届いた。

ブラックマーケットで入手したデンマーク製ビール。アルコール度8%の本物。やっぱり何とかなるんだねぇ。今回の裏出張目的「イランでアルコールを飲む」、無事達成。

11月20日(土)お土産
展示会が終わってからお買い物。まずは嫁さんに頼まれたピスタッチオ。



お豆屋さん。



ここ、試食し放題。いくらつまんでても怒られない。止められずお腹が膨れてきた。ここで、ピスタッチオ 1 KG 購入。150,000レアル(1,200円)。
それは良いんだけど、この領収書。



数字までペルシャ文字なんだよね。このペルシャ文字。アラビア語と文字はいっしょ。だけど4つ多いらしい。面白いのは、普通は右から左に書くのだが、数字だけは左から右に書く。意味わからん。



次にクロス屋さん。時計もあった。ここで同じく150,000レアル(1,200円)でテーブルクロス購入。


時計は代理店がくれた(これを持って帰るのに苦労した)。

あとは久美子のマグネット。これはホテルの土産物屋で120,000レアル(960円)で購入。

11月21日(日)いろいろ
展示会
今日で展示会終了。うちの競合先は全く出展してなかったけど、来場するお客さんの話を聞いてたら、ほとんどが欧州製を使用している。てっきり、安い中国製やインド製が席巻していると思ってたのだが、欧州の最新製品まで結構使われていることがわかった。これだったら戦える。ということで帰国後戦略検討だね。欧州の政経分離ぶりはたいしたもんだ。あれだけ核問題だとか人権だとか騒ぎながら、商売はきっちりやってる。日本はダメだな。本当に政治が経済の邪魔をしている感じ。

インターネット
中国同様にフィルタリングされている。YOUTUBE, TWITTER, FACEBOOKなどは閲覧できない。んだけど、この規制、イランプロバイダーでの規制なのか、私のように海外プロバイダーでWI-FIで繋ぐような場合、全く規制が働かない。XPERIAでYOUTUBEの尖閣映像を代理店の兄ちゃん達に見せてやった。誰もそんな事件知らなかった。

日本の印象
とにかくアジアNO.1の工業国とのイメージ。製品の品質もNO.1 (ちなみにNO.2が韓国で、次がインドだとか。中国製品への信頼度は低い)。20歳代〜30歳代の人たちと話をしていたのだが、日本のテレビは、誰もが知ってるのが「おしん」。イスラム革命の後、経済制裁などで苦しかった全イラン国民が勇気付けられたと大げさに言っていた。他には「風雲たけし城」。意外な番組が。アニメはと言うと。一番思い出のあるアニメは「一休さん」だそうだ。XPERIAに入ってた一休さんの歌を流したら女の子達が大喜びで口ずさんでた。ペルシア語で。あの頓知を考える時のポーズが大流行したとか。今、人気があるのは「キャプテン翼」。イランでもサッカーは人気だから。

ペルシア絨毯
イランでは原油の次に外貨を稼いでいるのがペルシア絨毯。シルクで手編みで高級というイメージだが、それはごくごく少量でしかない。なんせ、一枚数百万円とかだから。アラブの王族や、巨大モスクなどからの注文があるらしい。一般的なのはポリエステル・アクリルなどの合成繊維を原料にジャガードという機械での大量マスプロ生産。これだと、3-4万円で15畳くらいのでかい絨毯が購入できる。もちろん、そんな広い部屋が無いし、持って帰るのが大変だから買わなかったけど。

携帯電話
驚いた。IPHONE もXPERIAもGALAXYも普通に携帯電話屋さんで売ってた。一番シェアが高いのはNOKIA。なお、BLACK BERYは無い。暗号化問題で輸入・販売が規制されているそうだ。DCCOMOのローミングは音声通話とSMSだけしかできないので心配していたのだが、ホテルも展示会場もWI-FIがあるから快適だった。

DVD
もちろん売ってた。日本のアニメもあった。


これ、右は「火垂るの墓」だとすぐわかる。左はアスランとカガリだから「ガンダムシード」。とそのときは思ってたのだが、写真を整理していて良く見たら、この2人の後ろに映っている4人は「ガンダム00」のマイスター4人じゃないか。いったい、このDVDの中身はどうなってるんだ? 買っとけば良かった。

タバコ
イランのタバコ。


ペルシア語で、「生か死か。あなたはどちらを選ぶ。」って書いてあるそうだ。確かに死ねるほどきつくてまずい。

11月22日(月)水
テヘランから車で南へ3時間ほど走ったところにKASHANという町がある。そこへ行って来た。仕事のついでに観光。




ペルシアガーデン。日本庭園みたいなものだけど、この建物は昔のサルタンの家だとか。当時、この国でと富の象徴は「水」。惜しげもなく水を流すことがステータスだったんだろう。


なんか歴史のある建物で、この人形のシーンが有名だそうだが、何の話か忘れた。


カメラを構えると笑顔で立ち止まってくれる女子中学生。


この建物の前で大量に「水」を売っている店が。


「ROSE WATER」。バラのような花を燻して匂いを水に写す。1本 20,000レアル(160円)。確かに、香水のような匂いがする。飲む勇気は無かった。なんせ、店先に並んでる商品の蓋を開けて匂いを嗅がせてくれるんだもん。飲むには危なすぎる。

砂漠には行けなかったけど、イランは楽しかった。というか、普通の国だった。ある意味、残念。明日はドバイへ移動。世界で一番高いタワーを観に行くぞ。

11月23日(火)ドバイ
テヘランの空港は小さい。両替所であまったレアルを円に換えようとしたら無いって言われた。ドルも無い。ポンドも無い。ユーロしか無いって言うし、どうせイタリア行くからユーロに交換。

エミレーツ航空でドバイへ移動。ここで1泊。ドバイ空港からホテルへタクシーで移動し、チェックイン(午後3時)。すぐにフロントの女性に「世界一高いタワー」への行き方を教えてもらう。タクシーは高いから、ホテルから5分ほど歩いたところにメトロの駅があるから、それを使えば便利だと。駅までの地図を手書きしてくれた。親切だね。


これが駅。

ここで切符の買い方から、ホームの位置、目的の駅名まで全部、駅員さんが教えてくれた。親切。私の乗った駅が赤の5番で目的の駅は赤の15番。


電車

駅を降りたところが、まさに写真の撮影スポット。だけど、比べるものが無いから高さがわからん。800メートル超だったはず。今度の東京の新しいタワーが634メートル超だから、どんだけ高いか。しかし、良いのか? 神様が怒って、バベルの塔みたいに破壊された上に言葉をこれ以上分断されたら大変だぞ。せっかく英語が共通語になったのに。


インド人らしき兄ちゃんの二人連れに声をかけたら写真を撮ってくれた。みんな親切だね。


ドバイの風景

ホテルへ戻って夕食。ここはホテルにビールがある。でも、350CCのバドワイザーが、1缶 900円くらい。休肝日となりました。。。。

明日の朝7時の便で英国のグラスゴーへ移動。翌朝、困った事態に陥るのだが、ここから先の話は、別途、スコットランド・イタリア編にて。ドバイのお土産は、ピスタッチオ1 KG(イラン製と食べ比べる)と、砂漠の砂、綺麗な小箱。そして久美子のマグネット。

これにて、イラン・ドバイ出張報告、お終い。