去年の夏、うちに昆虫がやってきた。
クマが仕事先で外国産のクワガタをもらってきたのだ。
深夜に似つかわしくない満面の笑みで「もらったで〜!」とクワガタを持ち帰ったクマ。
が、しかし、私は異常なほどの虫嫌いだったのだ。
渋々ながらもそっと見てみると、ギョッとするほど大きくて長いキバを持つオスと、小さい小さいメス。
メスを指さしながら「これゴキブリやん。」と一言言ってみたのだが、その言葉をかき消すかのように「カシオに見せるの楽しみやなぁ〜!」とクマは一人ではしゃいでいた。

「餌は何をあげたらいいの?」と聞いてみた。すると、
「これこれ、こんなゼリー。」と私に一口サイズのゼリーを見せる。
「これを土にさしといたらいいらしいわ。あとは時々スイカとかをあげたらいいらしい。」と言いながら、余分にもらっておいたゼリーを、言葉どおり土にクサッとさしてみるクマ。
「ゼリー?あの冷蔵庫にあるゼリーでいいの?」
「そうそう、普通のやつ。」

今時の昆虫って、こんなおしゃれなものを食べるのね…と、昔の昆虫事情と比べて驚いていた私だった。

次の日、こんな小さい仮の宿ではかわいそうだと思い、私とカシオはクワガタの飼育ケースを買いに行った。
思いのほか、ちょうどよい大きさのケースをすぐに発見することができ、スムーズな買い物に気分の良い私であったが、そんな私の目に飛び込んできたのは、驚くべき物だった。

コ、コンチュウゼリー??

→続きを読む