★デスピリア RPG 2000年9月21日 アトラス/電脳映像製作所

独特な雰囲気、世界観。それが全て。それを受け入れられるかによって意見は二極化する。それがデスピリア。
ちなみにデ・スピリア。de・SPIRIAである。開発は電脳映像製作所であり、にげロンパの所である。俺が買った理由はこれ。
デスピリアと、にげロンパって全然雰囲気違うじゃねーかとツッコム人が多いかもしれないが、
過去にダークメサイアなんかも開発しているので無問題。PSだから未プレイだけどね。
まあ、それは置いといてデスピリアを一言で言うと、鬱ゲー。はい、わかりにくい。これは後で説明するとして、
ジャンルはパッケージや公式ではマインドRPGとなっているのだが、一人称視点で謎解きや情報を集めながら
進んでいく感じなので、どっちかっていうとアドベンチャー。戦闘がRPGみたいなだけでね。
ちなみに、その戦闘はアルーアの記憶や思念を具現化した、マインドという化け物みたいなもので戦うんだが
あまり重要では無いので紹介だけ。レベルアップ時のアルーアの顔アップは良い。

そして、アルーアはマインドを使用した"マインドバトル"だけでなく、人の心を読んだり
場所、物などの残留思念を読み取る事ができるシステム"マインドダイブ"というものがある。
ここで鬱ゲーの本性が垣間見えてくる。人の心を覗いてみても、ほとんどが負の概念であり、暗く黒い。
心や記憶は画面上に文字が出てきて、それを読み取るのだが、表示の仕方とフォントがいい雰囲気を出してる。
時には場所や人物の映像が流れたり、死体や精神異常者のダイブするとアルーア自身がダメージを受けたりする。
このマインドダイブによって、ストーリーを進めたりフラグを立てたりできるのだが、
人の深層心理(まあ大体が汚い感情、負の感情。現実的)を探るので、ここで合わない人は多いだろう。
筆者は合いまくり&最高。表現が上手い。中途半端でなく、真剣に人の重さ黒さがわかる。

鬱ゲーな所はまだまだある。NPCがメインも脇もエログロい。キャラが立ってるし、それにどんどん死んでいく。
こういうゲームなので、裏切るキャラや卑怯なキャラがキモいキャラが面白い。ていうか多い。
普通の人は少ない。アンドロイドや機械も居たりする。
登場キャラ全部紹介したいくらい。でも、ネタバレになるので無理。大事な所なのに痛い。
キャラのモデリング、デザインが変に独特なとこもいい。これも好みは分かれるだろう。個人的には雰囲気とマッチしてて良い。
あと、モデルとなっている舞台・場所に、尼崎や大阪の一部が使われており、感情移入しやすかった。
街の雰囲気、住人の種類的に、ここなら確かに居そうだなあ、という感じで。・・・失礼だな。
音楽なんかも暗い。あんまり頭に残ってるのは無いが、全体的にマッチしていた。良い。
まあ、なんつーかどこも空気がどんよりしてる気がする。落ち着ける場所なんて無いな。

プレイ時間は15時間くらい。難易度は難しくも無く、優しくも無く。一応RPGなので、
レベルMAXとかレアマインド作成とかでやり込めたりするけど、そんな事するくらいなら2周プレイしたりする方がいいだろう。
話を忘れるくらい時間を置いてから、もう一度プレイしたりね。

まとめると、下手なホラーゲームよりも怖いし、GTA等の殺人ゲームなんかよりも遥かに危険。今なら18推表記がされるだろう。
表面だけの上辺だけの付き合いに嫌気が指してる人にはオススメ。精神異常者にもオススメ。
まあ、そんなの関係無しにハマる人にはハマる傑作。是非試して欲しい。 
続編が出るのを祈っているゲームの一つである。 (2004/6/20)

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