Movie(ナ〜ハ行)

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各作品に、管理人の独断と偏見による評価を5(+1)段階で付けています。


★★★★★---絶対観なきゃ人でなし! ★★★★---かなりおすすめ/かなり好き
★★★---なかなか ★★---まあまあ  ★---イマイチ
BOMB---
ランク外(ダメすぎて無視できない!)


 

タ行〜ハ行 映画リスト

「ナイト・オン・ザ・プラネット」

「200本のたばこ」
「ニルヴァーナ」

「ネネットとボニ」

「パーティ★モンスター」
「π」
「白痴」
「バタフライ・エフェクト」
「はつ恋」
「初恋のきた道」
「バッファロー’66
「バトル・ロワイアル」
「バリー リンドン」
「パリ、テキサス」
「バンディッツ」

「ビッグ・フィッシュ」
「ヒューマン・トラフィック」
「ピンポン」

「54
「ブギー・ナイツ」
「ブラック・レイン」
「ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア」
「ブルース・ブラザーズ」
「ブルース・ブラザーズ2000
「ブレイド」
「ブレイド2

「ベルベット・ゴールドマイン」

「ポンヌフの恋人」


 

「ナイト・オン・ザ・プラネット」★★★(00.2.06

ジム・ジャームッシュ監督の91年公開作品。
ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市で、
5つの物語がそれぞれ展開していきます。すべてタクシードライバーとその客による話です。

・ロスでは、ウィノナ・ライダー扮する運転手が、
 空港で映画の配役エージェントである女性を乗せます。

NYでは、ブルックリンの家に帰ろうとしている黒人の青年ヨーヨーが、
 東ドイツから来た元道化師が運転するタクシーをやっとのことでつかまえます。

・パリではカメルーン出身の運転手が盲目の女性を拾い、

・ローマでは神父を乗せた運転手が、懺悔するといって自分の過ちについてしゃべりまくり、

・ヘルシンキでは泥酔した男とその友人2人を乗せ、その日泥酔した客の身に起こった
 不幸についてほかの2人から聞いた運転手が、今度は自らの不幸について語ります。

5つの話がリンクすることはなく、共有しているのは地球上における時間軸だけ。
地球の上で、それぞれに生きている人々を空の上から見下ろしているような視点です。
そして、登場人物がみんな個性的で魅力的。観ていると気がつくかと思いますが、
実は5つとも、いろんな愛にかんする話なんですね。
人間の存在が愛おしくなるような映画です。


 

200本のたばこ」★★+1/201.2.01

ベン・アフレック、クリスティーナ・リッチ、コートニー・ラヴ他出演。
豪華な面々です。エルヴィス・コステロまで出てます。しかも本人役。

ニューヨーク、1981年の大晦日。

・つい先日彼女にフラれて、この日が誕生日なのにブルーな
 ケヴィン(アフレック)と友人のルーシー(コートニー)

・友人のカウントダウンパーティに行きたいが場所が判らず街をさまよっている
 ヴァル(リッチ)とハイスクールの友人ステフィ

・そのパーティの主催者で、客を待っているのに誰も来なくて
 自分は嫌われているのではないかと嘆くモニカ

・俳優のジャックと、昨日出会ったばかりらしい彼女?のシンディ

・今日いきなり彼女にフラれた、モニカの元彼で画家のエリック

と、こんな感じでいろんな人々の人間模様&恋愛模様がオムニバス形式で描かれます。
結局全員モニカのパーティに集まることになりますが、それまでの数時間の間に
いろんなドラマが展開されます。

話はまあまあ面白いです(^^;)
シンディのドジっぷり&キレっぷりが個人的にツボだったりしましたが、
まぁ…まあまあ()。でも話の途中で、ケヴィン&ルーシーやシンディを載せる
タクシーの運ちゃん(アフロ。タクシーの中にミラーボール吊ってる())が
パーティの様子を撮ったらしいポラロイドだけでオッケーだと思いました。
パーティしてぇなぁ〜と思わせる映画です。


 

「ニルヴァーナ」 BOMB(ラスト20分だけ★★★) (99.8.22

ついに出た!記念すべき「BOMB」第1号() 条件付きですが。

ある近未来、ゲームプログラマー・ジミーが制作していたゲーム「ニルヴァーナ」。
ある日コンピュータにウイルスが侵入し、それによってゲームの登場人物ソロが意志を持ち
自分で動きだしてしまう。彼はモニタ越しに、自分を消してくれとジミーに頼む。
ジミーは、ゲーム会社のネットワークに侵入して「ニルヴァーナ」のデータを消す準備を
するため、知人そして別れた恋人を捜しに出掛ける…というストーリー。

うーん何というか、前半部分には目新しさはないですね()なんとなく暗めの映像とか、
モニタに映し出された日本人の画像とか、どっかで見たようなイメージ…
ただ音楽は格好いいし、インド/中近東+近未来の組み合わせはちょっと新鮮でしたけど。
そして「ゾニー」「ベガ」「ジンテン堂」と、イタいパロディの嵐()
しかもジミーのゲーム会社の名前は「オコサマ・スター」社!()

前半1時間強くらいの話は、20〜30分くらいに圧縮してしまえる感が否めません()
この映画は最後の20分、ジミーが会社のネットワークコンピュータに侵入する場面が全て!
ここはけっこう面白いです。

えーとりあえずこの映画は、近未来ものの映画をひと通り観た上で観ることをおすすめします。
「ブレードランナー」とかを観てない人はそっちを優先させましょう。
という訳で、この映画に栄えある「BOMB(条件付き)」の称号を授けたいと思います()

追記)この話は、実写よりアニメーションで作ると格好よくなる気がします。


 

「ネネットとボニ」★★★+1/201.12.18

「パリ、18区、夜」のクレール・ドゥニ監督。ヴィンセント・ギャロが出ています。
舞台はフランスの港町マルセイユ。愛する母親の死後、移動ピザ屋で生計を立て、独りで暮らすボニ。小さなウサギを飼い、豊満な肉体のパン屋の女房を抱く事を夢見ている。そんな彼の家に、妹のネネットが寄宿学校を脱走して突然転がり込む。最初ネネットを邪魔者扱いしていたボニだが、彼女が妊娠している事を知った時から、不思議な温もりが彼の心を満たしていく。そしてボニはある意外な行動に出る。

パン屋の奥さん(旦那役はヴィンセント・ギャロ)は必見です。確かに魅力的。その彼女に対し連日妄想を膨らませているボニだけれど、実際には話すことすらおぼつかなくて、ある意味純粋。

これはとにかく「触る」という感覚、静かな官能、そういったものを楽しむ映画です。「パリ、18区、夜」でもそうだった(多分。記憶おぼろげ(^^;))けれど、こちらの方がより突き詰めている印象があります。「青いパパイヤの香り」あたりにシンパシーを感じる人ならアリでしょう。きれいな映画です。


 

「パーティ★モンスター」★★★★+1/404.05.19

「ホーム・アローン」のマコーレー・カルキンが9年振りにスクリーンに復帰したことで話題になった作品。競演はセス・グリーン。また、マリリン・マンソンがボンテージファッションに身を包んだドラァグ・クイーンとして怪演しています。

80
年代後半から90年代初頭、絶頂期のNYクラブシーン。そこに現れた「モンスター」マイケル・アリグ。マイケル(カルキン)は田舎の典型的なイジメられっ子だった。NYへ出てクラブのウェイターをしていた彼は、その頃すでにクラブシーンで知られた存在になっていた自称「元祖クラブキッズ」ジェイムズ(セス・グリーン)に声をかける。「ぼくをファビュラスにして」…そこから、マイケルのパーティ・プロモーターとしての日々が、そしてマイケルとジェイムズの愛憎入り混じった「ねじれた友情」が始まる。

彼がプロデュースするパーティ「ディスコ2000」は、「ドーナツ・ショップ襲撃パーティ」「コンテナトラックにゲストぎゅうぎゅう詰めパーティ」といったブッ飛んだ企画と演出で、仮装大会さながらの奇抜なメイク・衣装を身にまとったジェンダーフリーな若者達「クラブ・キッズ」に熱狂的な支持を得て、マイケルは一躍時代の寵児となる。

しかし、彼は孤独だった。初めてのボーイフレンド、DJキオキが部屋を出ていってしまい、「愛が欲しい」と嘆くマイケルを抱きしめるのは、いつもは憎まれ口を叩き合っているジェイムズただひとり。その後もマイケルの評判は上がる一方、しかし彼は孤独を埋めることができず、ドラッグに溺れていく。そして96年、マイケルはジェイムズに告白する「僕は、人を殺した」。

これ、何がすごいって実話でしかも現在進行形の話なんですね。原作はジェイムズが小説にした「ディスコ殺人事件」。現在、マイケル・アリグ本人は服役中。この映画の監督は、これまで多くのドキュメンタリー映画を撮って評価を得ていた人で、当時のクラブシーンをリアルに再現することに力を入れたそうです。映画で使われた衣装の多くは、本物のクラブ・キッズから寄与されたものだというから驚き。音楽も良いです。リアル80'sの曲に、現在のテクノ&ディスコをMIXした音群が「ディスコ2000」の夜を彩っています。

しかし、この映画の本当のテーマは、マイケルとジェイムズの奇妙な友情、そしてマイケルの心の闇。マイケルはパーティという非現実の世界に生き「Money, Success, Fame, Glamour」を得ることで、心の隙間を埋めようとしていたのです。その姿にはある種の悲哀を感じます。マイケルのパトロンとなっていたクラブのオーナーの妻が彼に言った言葉「あなた(の中に見えるの)は、オドオドした男の子」が象徴的です。天使の顔をしたモンスター、そしてその本質はただの孤独な男の子であるマイケルを見事に演じたカルキン君、ステキです。

クラブやディスコをテーマにした映画はとりあえず観ることにしている私ですが、これは割とヒット。ドラァグ系映画としては「プリシラ」の次くらいに好き。みんなにお薦めはしないですが、個人的にはお気に入りです。


 

「π」 BOMB00.5.16

なんかアンダーカバーかどっかがこの映画のTシャツ作ったりしてましたね。
またひとつ信用ならないオシャレ系映画が出てきました()
数学者である主人公マックスが、この世に隠された数の法則を追求していく話、
といえばいいのでしょうか…

全編通して目の荒いモノクロ映像で、目が疲れること必至です。
頭痛持ちで薬浸けのマックスが、たびたび発作に苦しむシーンなんて
神経逆撫でする効果音でもーーー頭痛うつりそう!!
とにかく脳みそかゆーーーーーーーーくなりますよ!!!!

ストーリー的には何が起こったのか結局よくわかりませんでした(^^;)
彼は悟りの境地に達したのでしょうかね。まあ理数系イメージクリップ()
として見ればいいのでしょうか。それにしてもしんどい映画だ…
あ、音楽だけよかったです()
ケンイシイをはじめオービタル、マッシヴ・アタックなどテクノ好きには
お馴染みの名前がずらりです。サントラだけなら聴いてもいいかも()


 

「白痴」★★★★+1/201.10.10

手塚眞監督、脚本。浅野忠信、甲田益也子、草刈正雄、橋本麗香他出演。
坂口安吾の「白痴」を原作に、壮大なスケールで描いた文芸大作です。
未だ戦争下の日本。廃墟の街にそびえたつテレビ局。主人公、伊沢(浅野)は視聴率70%の国民的超人気番組「帝国スペシャル」の演出助手。鬼プロデューサーにシゴかれ、人工的なカリスマアイドル銀河(橋本麗香)に翻弄されつつ、自分の本当に撮りたい作品を模索する日々。

伊沢は仕立屋夫婦(藤村俊二、江波杏子)の家の2階に下宿しており、そこの娘(あんじ)は父親不明の子を身ごもっている。隣に住む気違い絵師、木枯(草刈)の妻サヨ(甲田。眉毛なし)は白痴であった。ある日、伊沢が部屋に帰ると押し入れの中にサヨが隠れていた。その日から2人の奇妙な同居生活が始まる。

とにかく、ハッとする映像の数々。空襲で焼けた廃墟の中に立つ、色鮮やかな衣装のモデル達。この冒頭部分でいきなり持っていかれます。伊沢の住む町や、住人達の描写にも引き込まれます。帝国主義と、それに相反する資本主義的な空気、長すぎる戦争で感覚が麻痺した人々の静かな狂気が、絶妙に気持ち悪〜く混ざり合った、昭和的デカダンスの世界。ゾクゾクします。

そしてこの世界の矛盾を象徴するかのようなミューズ、銀河!!ヤバすぎ!!!妙に打ち込みっぽく歌謡曲的、でもちゃんと帝国主義的な歌を歌って踊る場面には度肝抜かれました。もう彼女に夢中です。ああ、あの歌が頭の中でループする…「私勝つーわ♪どんなに苦しくてーも♪」

空襲は次第に激しくなり、伊沢の住む町もついに大空襲に遭います。部屋に常にある首吊り縄が象徴するように、当初死への憧憬を抱いているかのように見えた伊沢ですが、彼は最後には生を選びます。サヨの手をしっかり取り、空襲から逃げる伊沢。それは他でもない生きるためです。オーケストラの音楽と共に、これでもかという程派手に上がる炎と、跡形もなく崩れゆく街。この大いなる破壊は、伊沢が自分の中の何かを打ち破る様を表しているのだと思いました。これは破壊と再生、生と死の戯曲なのだ!!とか思ってひとりで盛り上がっていました。

まあ、解釈は人それぞれでしょうし(ちなみに私原作読んでない)評価も人によってものすごく分かれる映画ですが、私に言わせればもうこれはとんでもない怪作です。お試しあれ。



「バタフライ・エフェクト」★★★★(05.05.23

コメディー俳優としてのイメージの強いアシュトン・カッチャーがシリアスな役柄に挑戦した作品。

主人公のエヴァンは幼少時代、記憶が時折ブラックアウトする症状に悩まされていた。精神科医は彼に日記をつけることを勧める。時は過ぎ、大学生になったエヴァンは記憶喪失もなくなり平穏に暮らしていたが、ある日7歳の時から書いていた日記を手にし、ブラックアウトした遠い日の記憶を取り戻していく。

彼は幼馴染の女の子、ケイリーに恋をしていた。しかし、ある過去のために2人の間は裂かれ、疎遠になっていたのだ。しかも、その過去の肝要な部分の記憶が抜け落ちている。エヴァンはケイリーへの思い故に、ある選択をする。記憶、そして過去を書き直すのだ。それが思わぬ事態を招くことを知らずに…

映画タイトルの「バタフライ・エフェクト」とは「一匹の蝶が羽ばたいた結果、地球の裏側で竜巻が起こる」という意味で、「初期段階の僅かな差異が、将来的に予測不能な大きな違いを生じさせる」というカオス理論の考えのひとつを表現した有名な言葉。この言葉が象徴するように、ひとつの過去を変えることにより、思わぬ所から新たな問題が巻き起こり、未来(現在)はとんでもない方向へ展開していくのです。それでも彼は何度も過去へ飛び、ケイリーとその兄トミー、友人レニー、そして自分の全員が幸せになれる方法を模索します。

非常に綿密で巧みな構成、全編息をつかせぬスリリングな展開です。これはとても知的なサイコスリラーであり、同時に切ないラヴストーリーでもあります。重いテーマを扱った話ですが、何度も運命を変えようと挑戦する主人公を見るうちに、自分の未来は自分の手で作っていけるという気分になってくるから不思議です。ラストの展開の仕方もうまいですね。Oasisの曲をBGMに、ちょっと心に残るハッピーエンドです。

この映画、あまり大々的に宣伝されていないので見逃されそうな感じですが、後から名作としてじわじわと語り継がれそうな予感がします。おすすめです。




「はつ恋」★★★★(01.10.10

「月とキャベツ」「洗濯機は俺にまかせろ」の篠原哲雄監督、田中麗奈主演。

会田聡夏の17歳の春休みは、失恋と母、志津江の入院という出来事で始まった。父、泰仁とのギクシャクした二人暮らしをしていたある日、聡夏は志津江の古いオルゴールの中に、志津江が誰かに宛てて書いて出さなかったラブレターを見つける。「私たちはこのまま終わりになってしまうのでしょうか? あの願い桜の下で、もう一度だけ会って下さい。桜が咲いたらもう一度……」聡夏は母の初恋の人を捜そうと、母の故郷、長野へ向かう。

もう、このストーリーを聞いただけで既にグッときますね〜。田中麗奈をはじめ、役者の存在感とそれをつつむ空気感が際だっています。田中麗奈の、のびのびとした自然な演技がとても良いです。お母さんの初恋の人、真一郎役の真田広之も良いです。「やさぐれてるけど本当はイイ人」な感じがよく出てると思いました。あと平田満演じるお父さんも好きです。「会社行くけど…」っていうのとか()。なんかウチと同じ〜!っていう瞬間がたくさんあります()

聡夏と真一郎の不思議なお友達関係もいい感じです。お台場(かな?)の観覧車で、左手薬指にばんそうこうを貼るおまじないをする所なんて、ああっ!もう!!()。乙女です。もうねーこういう心を忘れずに生きていたいもんですよねー。

この映画みると、あー家族っていいな!家族大事にしよ!ていう気分になれます。
ほんとうに素直に良いと思える映画です。


 

「初恋のきた道」★★★★+1/201.12.12

「あの子を探して」「紅いコーリャン」のチャン・イーモウ監督作品。中国の村で教師をしていた父が亡くなったのをきいて、村を出ていた息子が父母を訪ねて村に戻ってくるところから話は始まり、数十年前この村で出会った頃の二人の話が回想されます。

18
歳の少女だった母チャオは、村に教師としてやってきた20歳の青年ルオに恋をします。チャオは毎日、ルオへの思いを込めて料理を作ります。やがてチャオの想いは彼に届くのですが、文化革命の波にのまれ2人はしばし離れなくてはならなくなります。チャオは、町と村とをつなぐ一本道でルオを待ち続けるのです。

もう、何というかイイ話すぎます。女の子が先生見ながら走って追いかける最初のシーンでかなりクる。学校の校舎を建てる男たちへ差し入れを各家が持っていくのですが、とにかくはりきって作って、自分の作ったご飯をルオに食べてもらえるように置く場所を変えるとか。先生が家の遠い生徒を送るときいて、それに会うため待ち伏せし続けるとか。しかもわざと荷物を置き忘れて先生に声をかけてもらうとか!!()ピュアな乙女心120%です。ほかにもまだまだけなげなエピソードが続きます。ルオが大好物だというきのこ餃子を届けるために走る、走る、でも結局間に合わずひとり泣くシーンとか、もうホンマこっちも泣きそうです。

最初モノクロ映像で始まり、数十年前の回想という形でチャオ少女時代の話がカラーで展開され、その後またモノクロ(現代)に戻るという構成ですが、これはすごく巧みだと思いました。カラー部分だけでも話としては成り立つのだけれど、モノクロ部分が前後をはさむことで、美しい思い出がより引き立っています。しかし物語自体には凝った演出などはありません。この映画は、この話ひとつで既に完成しているから、もうそれ以上のものは要らないのでしょう。

とにかくこれは素晴らしい映画です。実にシンプルで、清らかで、純粋。それだけに、まっすぐに心に響きます。奇跡に近いです。こういう心をいつまでも忘れないでいたいものだと思います。


 

「バッファロー’66★★★+1/200.5.16

ヴィンセント・ギャロ監督・脚本・主演・音楽、ヒロイン役はクリスティーナ・リッチ。
99
年公開の大ヒット映画です。
無実の罪での5年間の刑期を終え、刑務所を出た主人公ビリー(ギャロ)。家に電話をした彼は仕事で5年間外国へ行っていたと親に嘘をつき、妻もいて、彼女を連れて帰るとはずみで言ってしまう。困った彼は、通りすがりの女レイラ(リッチ)を誘拐、一緒に実家へ行って理想の妻を演じさせようとするが…

毎度言ってるようにこういうオシャレ系の映画って私的にハズシが多いのですが、時々こういう良作が出てくるんですねー。
冒頭では映像的表現の新鮮さに目を奪われます。グレーがかった背景にギャロの赤い靴が映えてきれいなのが印象的。昔の記憶が蘇る様子を、映像の上にどんどん新しくウインドウが開くような形で表現するのはちょっと新しいと思いました。

ほかにも絵的な見どころ満載。実家に帰ってテーブルを囲む図も良いし、途中で突如入るリッチのタップダンスがかわいい!!ギャロ演じる、ワイルドな男を演じようとしてちっともキマらない主人公が
微笑ましくて素敵。ギャロいいね。


 

「バトル・ロワイアル」★★★(01.09.16

「仁義なき闘い」シリーズの深作欣二監督作。去年えらく話題になりましたね。

大不況下の日本。失業率は15%、少年犯罪が多発。そんな中、健全な青少年の育成と大人の復権を目指して"BR"が公布される。それは、全国の中学3年生の中から毎年1クラスを一般人のいない場所に拉致し、最後の一人になるまで殺し合わせるというもの。主人公、七原秋也(藤原竜也)のいる城岩中学3B組は修学旅行へ出かけたが、連れてこられたのは無人の孤島であった。彼らは今回のバトル・ロワイアル参加クラスに選ばれてしまったのである…

これ、何が凄いかって実写でやったということですね。似た空気を持つものはアニメとかなら割とあるのですが、これだけ血が流れる話を実写でやるにはいろいろ制限もあったことでしょう。が、やはり監督が監督なので演出や構成が巧みです。例えば音楽の使い方。6時間ごとにある放送で、クラシックの曲にのせて死んだ者の名前と出席番号を読み上げる教師キタノ(北野武)の声。狡猾に、そして無情にクラスメイトを殺し続ける女子11番、相馬光子(柴咲コウ)が男子6番の"転校生"桐山和雄(安藤政信)と壮絶な格闘を繰り広げる場面で流れるのはバッハ「G線上のアリア」。(まぁこの曲を使うのはちょっとベタですけれどね。でも絶対使うと思った())あと、序盤でBRの説明ビデオに出てくるお姉さん(宮村優子!)のひたすら明るいしゃべりっぷり。とにかく静かな狂気みたいなものは伝わってきました。

R-15
指定にしたのは正解だと思いました。これを子供に見せたらトラウマになってしまいます…でも、政治家のおじさん達が言うように青少年に有害な映画では決してありません。この映画における暴力描写にはちゃんと意味があるのですから。思いきり非現実的だけれど、もし本当にこうなったら…と容易に想像できる設定だからこそ、その奥にある「生」というようなテーマがよりクリアに見えてくるのでしょう。久々にパンチの効いた邦画を観たなってかんじです。


 

「バリー リンドン」★+1/2 00.1.29

キューブリック監督作品の中でも若干マイナー?な作品。3時間に及ぶ大河ドラマです。
1部、2部と分かれていて、1部は18世紀、アイルランドの貴族バリー家の一員である
主人公の青年レドモンド・バリーが、いかにしてバリー・リンドンの名を得たかについて、
2部は、その後次々とバリーに降りかかる不幸や災厄について描かれています。

バリーが思いを寄せていた従姉妹ノーラは地位も名誉もある軍人クイン大尉と結婚することに
なり、彼女を諦められないバリーは大尉に決闘を申し込むが、それで大尉を撃ってしまい、
そのまましばらく身を隠すためにダブリンを目指して逃げることから物語が始まります。
その後バリーは波瀾の人生を歩むことになるのですが、若い頃の彼は幸運に恵まれ
世渡りも非常にうまく、1部はサクセスストーリーを見ているかのように話が進み、
けっこうワクワクするのですが、2部ではちっとも救いようのない展開…
ハッピーエンドが良いわけではないけど、も少し何とかなんないのー?という印象です。

映像的には、たしかにキューブリックらしい独特の雰囲気がありました。
(レディ・リンドンがとっても美人!)しかしほかの作品に較べるといまいちパッとしない。
この映画、商業的には成功しなかったらしいけど、なんかその理由が判る気がします。
う〜〜ん、キューブリック作品を全制覇する!という方は頑張って観てねって感じですかね。


 

「パリ、テキサス」★★★★(01.12.18

1984
年作。カンヌでグランプリを受賞した、ヴィム・ヴェンダース監督の歴史的名作です。
4
年間の放浪ののち、テキサスで発見されたトラヴィス。弟のウォルトが連れ戻し、ウォルト夫妻と、夫妻が預かっていたトラヴィスの息子ハンターと一緒に暮らすことになる。4年振りに再会し、初めはぎこちなかった父と子だが次第にうち解け、2人で行方知れずになっていたトラヴィスの妻でハンターの母、ジェーン(ナターシャ・キンスキー)を探す旅に出る。

序盤で、5年前にウォルトと妻のアン、トラヴィス、ジェーンとハンターの5人で釣りに行った時に撮った8mm映像をみんなで見るシーンがあるのですが、この映像で既にグッときます。ほかの映像的表現も秀逸です。乾いた土地に続く一本道や、青空と赤のコントラストなど、どこをとっても名作の貫禄。監督自身は「アメリカ人に撮れないアメリカ」を撮りたかったそうなのですが、確かにこれはヴェンダースのフィルターを通したアメリカの原風景なのかな〜と思いました。静かなアメリカといった感じです。

トラヴィスはついに場末で働くジェーンを見つけるのですが、その再会のシーンは本当に感動的です。再会の場となる部屋のマジックミラーを挟んだ構造が、すれ違ってしまった2人の心を象徴するかのようです。

これは、人生について考えさせられるいい映画。傑作です。


 

「バンディッツ」★★★★(00.01.29

ドイツから来た映画。4人服役中の女囚人、

ルナ(ボーカル/ギター、第1級強盗罪)
エンジェル(ベース、結婚詐欺罪)
マリー(キーボード、殺人罪)
エマ(ドラム、殺人罪(射殺))

このメンバーで結成されたバンド「バンディッツ(悪党)」が脱走!ゲリラ的にライブを行いながら逃亡生活を続けます。ニュースでインタビュー映像が流れてCDはバカ売れするわ、ファンから人質を募集するわで世間の話題をかっさらっていきます。

この映画、割とオシャレ系/音楽系映画(この種は当たり外れが大きい)的な扱いをされてたので、さてどうか?と思っていたのですが、これは良い!バンドメンバー4人や、人質になる青年(ブラピ似)など登場人物の人物描写がしっかりしているし、それぞれが心に抱える思いなどもよく描かれていてとても共感できます。最後はかなりじ〜んときますよ。久々に、元気を与えてくれる映画に出会うことができました。


 

「ビッグ・フィッシュ」★★★★(04.05.17

ティム・バートン監督最新作にして最高傑作、との呼び声の高い作品。

エドワード・ブルームは、自分の人生をおとぎ話として人々に語ってきた。見た者の未来を映す眼を持った魔女や、若い頃故郷の街を出て共に旅をした巨人のこと、森を抜けた先に見た「スペクター(幻)」という名の美しい村のこと。そんな彼のストーリーに、誰もが幸せな気分になった。しかし、息子のウィルだけはそんな彼を受け容れられないでいた。ウィルの結婚式の夜に激しい口論をして以来3年の間、父子は直接の交流を持たなくなっていた。

ある日母のサンドラから、父の容態が悪化したと聞いたウィルは、妻とともに故郷へ向かう。体調の良い時には相変わらずのファンタジックなホラ話をする父。「本当の父さんを見せて」と思いを打ち明けるも、二人の心はすれ違うばかり。書斎が欲しいというエドワードのために部屋を片づけていたウィルは、エドワード名義の土地の信託証書を発見する。その土地の名はエドワードが昔訪れたという村と同じ「スペクター」であった。本当の父を知りたい一心で、ウィルは記載されている住所へと向かう…

「これは泣ける!」「泣いた!」という前評判を聞いていたので、しっかりハンカチ用意して見に行きましたが、私は泣く所まではいきませんでした。(人によっては号泣ものだと思いますが)とてもせつない映画なのですが、「シザーハンズ」が苦しくてせつない映画なのに対し「ビッグ・フィッシュ」はせつなくてしあわせな映画だと思いました。

バートン作品を観る時にどうしても期待してしまうのが、ファンタジックかつ少し残虐性を含んだビジュアル表現なのですが、今回はそのあたりの特徴は抑えめな印象でした。個人的にはチープというかキッチュというか、そういう部分が好きなので若干物足りない気もしましたが、物語に出てくるサーカスや巨人、脚がつながった双子の姉妹など、いつものほのかな狂気は確かに感じました。しかし、この映画で本当に評価すべきはビジュアル表現そのものよりもその深い内容です。

特異な感性を持つがために理解されず、受け容れられない者の痛みや哀しみ。それがティム・バートン作品に通じる最大のテーマであり、観る人を惹きつける魅力でもあります。これまで「シザーハンズ」や「バットマン」「エド・ウッド」といった作品で、彼はそういった人物を描いてきましたが、彼らはバートン自身の姿でもあるのです。この「ビッグ・フィッシュ」においても、エドワードはバートンであり、息子との葛藤は彼自身のそれでもあるのだと思います。ただこの映画がこれまでの作品と違っているのは「シザーハンズ」にみられる「わかってほしい」という叫び、痛み、を描くところから更に一歩進んで、他者と「わかりあえる」次元にまで到達していることです。

ティム・バートンはこの作品で、今まで描いてきたテーマへの、ひとつの答えを出したのかもしれません。これは本当にせつない映画です。しかし、愛に満ちています。

これまでのバートン作品を観てきた人なら、これは観るべき作品です。でも初めて観る人でも感動することは間違いないし、過去の作品も観たくなるに違いありません。まさにティム・バートン集大成といえる作品です。


 

「ヒューマン・トラフィック」+1/2 (01.06.24

これは、クラブシーンというよりもクラバーの生態を描いた映画です。
舞台はロンドン。主人公のジップはジーンズ・ショップの店員。彼は週末のクラビングの為に生きています。友人達もみなクラブ仲間で、彼らは毎週金曜になると夜の街へ繰り出すのです。

とにかくテンポがすごく良いです。ギャグにも勢いがあります。これはきっと英語が解る人ならもっと楽しめるんだろうな。

「トレインスポティング」以降、クラブカルチャー系の映画は数多く出ていますが、クラブ自体は演出として、またいくつかある要素のうちの1つとして出てくることが多い中、これだけクラブ1点に命をかけてる映画はあまりないかも。気合い入ってます。それだけに、クラブ好きならものすごくよく解る感覚がたくさんちりばめられています。SYSTEM F"OUT OF THE BLUE"が流れてるあたり、今(てか2000年)って感じですね♪「サマー・オブ・ラブ」「ロニ・サイズ」なんて単語がばんばん出てきます。「トレスポ」とか()。それ出したら身もフタもないやろ!!

知ったかぶってシーンのことや人生について語るところも、若造らしくて良いです。あとパーティ後のあの疲労感の描写がリアルすぎて泣けてきます()まぁ、とても内輪ノリな映画なのですが、割り切ってやってる所は潔いと思います。

でもなんだかんだいってクラバー&サイバー&ジャンキー系の青春映画は大体おんなじような感じやな…というのが正直な感想ではあります。ちょっと食傷気味かな。これ見るよりクラブに行く方が楽しいよ♪()


 

「ピンポン」★★★ (02.09.18

松本大洋氏の同名漫画を映画化、窪塚洋介主演で話題の作品。卓球というスポーツを通した青春群像です。

ペコこと星野裕(窪塚)と、スマイルこと月本誠(ARATA)は幼なじみ。卓球場「タムラ」で卓球をしながら育ち、片瀬高校の卓球部に所属。「この星の一等賞になりたいの、卓球で!」と叫ぶペコ。彼は一度挫折を経験するも夢を諦められず、その才能を見事に開花させていく。一方「卓球なんて死ぬまでの暇つぶし」と言い放つスマイル。しかし片瀬高校卓球部顧問の小泉(竹中直人)や、卓球のエリート校海王高校のエース、ドラゴンこと風間は、そんな彼の類い希な才能を見抜いていた。

この映画、何が凄いって恐ろしく原作に忠実なんです!!登場人物はほとんどコスプレ状態だし(ドラゴン完璧!!)タムラの看板、バタフライジョーこと小泉がスマイルと「デート」するよみうりランド、インターハイ予選でペコが着ていたストリートファイターのTシャツに至るまで完璧に再現しています。原作の主題を伝える上で重要と思われるシーンは全て入っていました。それもただストーリーを再現するのではなく、原作で卓球を通して描かれた少年達それぞれの内にある情熱、苦悩、歓喜、といったものを映像で描ききろうとする気迫が感じられました。それがあるからこそビジュアル面での細部にわたる再現も生きてくるのだと思います。とにかく原作への熱い、熱すぎるリスペクトが感じられます。

ただ、原作に忠実であるということは、原作を越えることはないということでもあります。なので映画としての評価は難しい所でもあります。しかしこれだけの見事な映像化には感嘆するばかりです。とりあえず原作読んだ人は観て損はありません。でも読んでなくても観れば何かを得られるはず。きっと元気出るよ。


 

「54 フィフティ・フォー」★★★ (01.1.25

マーク・クリストファー監督・脚本、ライアン・フィリップ主演。ニューヨークに実在した伝説のディスコ「スタジオ54」のお話です。

1979
年、ニューヨーク州のお隣、ニュージャージー州。19歳の青年シェーンは、退屈な毎日を何とかしたくて仕方がなかった。そんなある日、同郷出身の女優ジュリー・ブラックが54に来ると聞き、友人と共に車を飛ばしてNYへ行く。そこで、54の凄腕オーナー、スティーブ・ルベル(マイク・マイヤーズ!)に見いだされ、シェーンは54でウェイターとして働き始める…

54
は、当時国内外のセレブがやってくる、NYっ子の憧れの場所だったそうで、映画の中でもフィオルッチ(ファッションデザイナー)、アンディ・ウォーホルなどが登場します。シェーンのウェイター仲間グレッグと歌手志望の妻アニタ、オーナーのルベル、いつも54に来てフィーバーするおばあちゃんのドティなど、54という場所を舞台にさまざまな人間模様が描かれます。個人的には、マイク"オースティン"マイヤーズ扮するルベルの業界人臭さが良いです。

観賞後の印象は、なかなか爽やかなものでした。イメージ的には「ブギー・ナイツ」あたりに近い気がしたけれどブギーナイツが、登場人物の人物像や、それぞれの生き様を中心に描いたのに対し、この作品は54をとりまくシーン全体を描いた作品と言っていいかもしれません。

映像的には、とにかくディスコ!ダンクラ!キラキラ!です。そういう雰囲気が好きな人にはたまらんでしょう。


 

「ブギー・ナイツ」★★★ (00.3.17

ポール・トーマス・アンダーソン監督がアカデミー脚本賞にノミネートされた出世作。

1977
年アメリカ、サン・フェルナンド・ヴァレー。パブで働いていた17才の少年エディは、ポルノ映画の人気監督ジャックにスカウトされ「ダーク・ディグラー」の芸名で一躍ポルノ・スターとなるが…という話。

とにかく前半はダークことエディのサクセス・ストーリー!てな感じの展開ですが、やがて彼の目の前に暗雲が立ちこめてきます。エディと共に仕事をする俳優や映画制作者もみんな個性的。ファッション・センスが独特な元俳優バックはステレオの店を持つことを夢見て奔走し、いつもローラースケートを履いている女優ローラーガールは高校卒業の資格をとるため勉強、ドラッグ漬けの古参の女優マギーは、子供の養育権を別れた夫と争い…というふうにさまざまな人間模様が描かれています。決してハッピーエンドではありませんが一筋の光が見えるかな??という雰囲気で、それがまた妙にリアリティがあります。

とにかく当時20代半ばにしてこの脚本を書き、監督をやってのけたアンダーソンのただものでなさが解る映画でありました。


 

「ブラック・レイン」★★★★ (99.8.22

マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作主演の、言わずと知れた名作。小学校か中学校くらいの時に1度観たことはあったのですが、改めて観てみました。「ブレードランナー」のリドリー・スコット監督作品だったことを最近知ってびっくり!そして大いに納得。「そうか、どうりでアジア観が歪んでるはずだわ!」()

NY
にて殺人の現行犯で逮捕された松田優作の身柄を、日本の警察に引き渡そうと日本にやってきたダグラスが、松田の仲間の罠にひっかかり彼を逃がしてしまう。ダグラスは日本に残り、高倉健とともに松田を追うが…というストーリー。

とにかく日本の男性陣が格好いい!日本ってこんなにサイバーでハードボイルドでカッコいい国だったっけ?と思える映画です。キャストもつくづく豪華ですね。よくもまあこれだけヤクザ系の面子を集めたもんだわ…ってな感じの顔ぶれ。男気溢れてます。

舞台が大阪というだけあって、関西人には馴染みの場所がばんばん出てくるので私などはその点でも楽しめました。あぁ梅田阪急前や!(ただし阪急百貨店は映らない)とか神戸大丸前や!(ただし大丸は映らない、映る直前でカメラが止まる())とか。大阪道頓堀の橋周辺のネオンなんて、見ようによっちゃとんでもなくサイバーですよね。監督の眼にもやはり、とんでもなくサイバーに映ったのでしょう。

というわけで、日本の人ならこれは観とかないとヤバいでしょう!


 

「ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア」★★★+1/2 (01.05.11

監督:押井守、 キャラクターデザイン:寺田克也
という、夢のようなアニメ作品です。主人公の声は工藤夕貴。

1966
年、ベトナム戦争の時代の日本、横田基地。基地内では自殺と見える死者が続出。それはヴァンパイアの仕業であった。そして人間社会に紛れて生活する彼らを始末するため基地に送り込まれた少女、小夜(さや)。彼女は「オリジナルの」ヴァンパイアであった。小夜は女子学生に扮し、基地内のアメリカンスクールに潜入する…

この映画は、世界観と映像で成り立っています。ストーリーというよりは"出来事"を描いた印象です。かといってイメージクリップ的な「カッコいい映像のあつまり」というのとも違う。監督はあえて謎を謎のままで終わらせています。この作品には謎解きなど全く必要ないからだそうですが、本当にその通り。必要ない。48分という長さもジャスト。この恐ろしく的確な監督の手腕にしびれますね。

肝心の映像、素晴らしいです。CGの技術なんかももちろんすごいですが、「光」を使った巧妙な演出にぜひ注目して欲しいと思います。あとカメラワーク。やはり押井氏は「映画監督」なんだなぁ〜と思いました。それにしてもPainter使いの神様である寺田氏の絵をセルにするのは大変だったろうなぁ…

ただこの映画、基本設定について説明が本当にないので、小夜=ヴァンパイアハンターであること、吸血鬼全般に関する基本的なことについて知ってないと、話わかんないかも(^^;)勿論それを前提に作ってるんだろうけどね。

とにかく、ジャパニメーション好きな人はマストです。


 

「ブルース・ブラザーズ」★★★ (99.10.01

かの有名なコメディ作品。
刑務所から釈放された兄弟は、トレードマークの黒スーツに帽子、サングラスの姿で
中古車屋で買ったパトカーを乗り回す。カリスマ牧師(ジェームス・ブラウン!)の歌に
啓示を受け、昔やっていたバンドを再結成させることが自分達の使命だ!と思い
昔の友人や生まれ育った教会を訪ねて回るが…というストーリー。

キャストが死ぬほど豪華です。ジェームス・ブラウン、レイ・チャールズ、
アレサ・フランクリンなど、ジャズ・ソウル界の大御所がたっぷり出演。
「スターウォーズ」レイア姫役のキャリー・フィッシャーも出てたりします。

そしてギャグの嵐。建物は崩れるしカーチェイスで車はブッ壊れるし、
オーバーながら妙に淡々とした演出。兄弟が常にポーカーフェイスなのがまた笑えます。
オースティン・パワーズ」あたりが好きな人なら楽しめそうです。


 

「ブルース・ブラザーズ2000★★★ (99.10.01

「ブルース・ブラザーズ」以来18年振りに制作された続編。
前回、大量の交通違反で兄弟は再び逮捕されて18年、兄は亡くなり弟が釈放された。
彼はやはりバンドを再結成するべく、やはりパトカーで走り回ります。

キャストは相変わらず豪華。前作出演のジェームスブラウンやアレサフランクリンに加え
エリカ・バドゥ、エリック・クラプトンなど、音楽界の顔がいっぱい。
そして、ギャグや演出の規模とか強引さ()は前作よりパワーアップしてます!
エリカ・バドゥ演じる女王様が素敵。バンドの新メンバーとなる10歳の少年もお気に入り。

「ブルース・ブラザーズ」を観たら、是非こっちも観ましょう。


 

「ブレイド」★★★★★(99.7.24

99
年公開。珍しく劇場で観てきました。監督も役者も知らない状態で、予告編みて何となく面白そうだったので観てきたのだが…これがまたもう!都市に潜むヴァンパイア、彼等を退治し続けるヴァンパイア・ハンター「ブレイド」の物語。

サングラスをかけると鈴木雅之氏に似ている(と思ったのは私だけなんだろうな)背中に日本刀を差した、ごっついあんちゃんブレイドのアクションがやたらにダイナミック。ラスボス()であるヴァンパイア、フロストもラルクのhyde氏っぽくて(と思ったのは私だけなんだろうな)いい味出してます。

そして演出やアクションがとにかくド派手!CGあり、テクノがガンガンにかかるクラブ(しかも天井には血が出るシャワー付き)あり、チャンバラあり、「ひでぶ」あり()で、どこをとっても予告編が作れそうな充実ぶり。敵に取られたサングラスがクルクルクルクルーーっと宙に舞って、それをバシっ!と取ったブレイドが、ガシッ!とかけ直すシーンなんてもう…かっ、こええぇぇーーー()

変に東洋趣味入ってるところもポイント。ブレイドの部屋に仏壇があったり、日本人の女子高生風ラッパー(少年ナイフなんだってね!)がクラブでステージやってたり、その東洋の断片一つ一つが、いちいちオタクっぽいのがまたもう()。そして音楽、テクノやブレイクビーツ系の曲が満載で、どれもこれも好みだわーと思ってたら、エンディングロールに「Polygon Window」「DJ Krush」「Photek」なんていう単語が。

というわけで、個人的にはとんでもなくツボにはまった作品でした。「SPAWN」とか好きな人ならきっと楽しめるのではないかと思います。


 

「ブレイド2★★(02.4.16

かつて五つ星をつけた「ブレイド」の続編。

前回の話から1年後。ヴァンパイア狩りを続けるブレイドの元に、ヴァンパイア族の君主ダマスキノスの娘ニッサと彼女の戦友アサドが現れる。彼らは、今まで闘ったことのない最悪の敵、死神族(リーパーズ)を倒すために休戦を申し込む。リーパーズとはリーパー菌に侵されたヴァンパイアで、人間とヴァンパイアの区別なく襲い、ただ吸血する目的のために存在する。ブレイドとヴァンパイア族にとって共通の敵であるリーパーズを抹殺するために、彼らはブレイドを必要としていたのだ。ブレイドは、皮肉にも彼を倒すために結成されたヴァンパイア族の部隊と行動を共にすることになるのだが…

さてこの作品、前作とは違う監督なのですが、主演のブレイド役が前作に引き続いてのウェズリー・スナイプスであるという点でとりあえず第一関門は突破ですね()。しかし、前作に較べると全体的に映画としてのカリスマ性が弱い気がしました。前作同様にヴァンパイアの溜まり場としてクラブが登場しバリバリにテクノやラップが流れてたりという演出はありますが、例えば前回の「血のシャワー」のようにワクワクするような感じはありません。前作のクールな感じは影をひそめ、リーパーズの顎が裂けて牙が出てきたり(かなりエグい)そういうエイリアン的なグロい方向に走ってて、それはちょっと違うかな〜と思いました。割と普通のアクション映画になってしまっているのが残念です。

ただ肝心のアクションは結構がんばってるし、ブレイドは相変わらず鈴木雅之似だし、普通のホラーアクションものとして観るならまあまあかな〜という感じです。前作の「ブレイド」さえ観てれば、こちらは観ても観なくてもOKかな。と思います。


 

「ベルベット・ゴールドマイン」★★★+1/2 (00.3.17

トッド・ヘインズ監督、ジョナサン・リース・マイヤーズ、ユアン・マクレガー主演。
70
年代ロンドンに巻き起こったグラム・ロックの興亡を描いた作品。

1984
年ニューヨーク。新聞記者のアーサーは編集長に、70年代にロンドンで人気を誇ったミュージシャン、ブライアン・スレイド(マイヤーズ)の追跡調査を依頼される。ブライアンはバイセクシャルであることを自ら公言、妖しいメイクと奇抜なコスチューム、カリスマ性と官能的な魅力で若者たちを熱狂させた。彼はアメリカのロッカー、カート・ワイルド(マクレガー)と運命的な出会いをし演奏活動を共にするがやがて対立。74年、ブライアンはライブの最中にファンの前で暗殺されるが、それが偽装殺人であることが判明、スターの座を追われ消息を絶つ。アーサーは元妻のマンディ、そしてカートに会い、衝撃的事実を知ることになる…。

もうとにかくキラキラ!70年代を閃光のごとく駆け抜けていったムーブメント、グラム・ロック・シーンの、グラマラスで煌びやかなイメージがこれでもかといわんばかりに炸裂しています。グリッター・メイクにド派手な衣装、幻想的で陶酔的なステージ、この映画はどこまでも人工的で、まるで白昼夢のように見え、どこか儚さを感じさせます。

これは、グラムロックについて研究しつくした監督が「ナチュラリズムを出来るだけ排除した」結果なのですが、「リアル」さ「自然」さを追求する今どきの映画やその他の芸術作品の、完全に逆を行っていて、それだけに強烈な印象を残します。ありそうでなかった映画です。


 

「ポンヌフの恋人」★★(00.1.03

レオス・カラックスの「青春3部作」(アレックス3部作)のうち3作目の作品。
パリ生誕100年の年、工事のため閉鎖中のポンヌフ橋で暮らすホームレスの少年アレックス。彼はそこで、眼病を患った画学生の女の子ミシェルに出会うのです。

まず思ったのは、さすがはカリスマやな〜ということ。主人公は最初っからいきなり道路に寝転がって車にひかれるし、音楽の使い方にしても前衛の元祖って感じで、多くの映画人やアート系の人に影響を与えている監督というのも頷けます。パリ祭の花火が打ち上げられるなかで走り回り踊りまくるシーンが鮮烈です。

設定が設定なだけに、見ててキツい場面も出てきたりして、正直いって好きなタイプの映画ではないのだけれど、最後まで眼が離せないです。痛々しい青春って感じで、なんかイヤなんだけど観てしまう(^^;)

カラックスの映画はすでにスタイルが確立されてるので、あとは好みの問題かしら?


 

 

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