最高のパワーボムって?



ラリアットと共に、現在のプロレス界において大流行の技にパワーボムがあります。
最近では、ブレーンバスターやフロントスープレックスのような感覚でポンポンと使うのが見られますし、改良型も相次いで開発されています(特にジュニアでは)。
パワーボムとラリアットの共通点を挙げるとすれば、「誰でも使うけど、フィニッシュとして大切に用いる選手もいる」という点でしょうか。パワーボムをフィニッシュに用いているレスラーには天龍源一郎、川田利明、越中詩郎が挙げらます。彼らは、これだけ有り触れた技となってしまったパワーボムにどのようにしてフィニッシュとしての説得力を持たせているのでしょうか? 順に考えていきましょう。

パワーボムをフィニッシュに用いる場合に一番大切なのは“相手に体重をかけながら押え込む”ことです。
天龍と川田は、自分の体重も相手の体重も全て相手の肩にかけるような押え込み方をします。100kgを越えるレスラーの2人分の体重が一気にかかるわけですから、やられる方がキックアウトするのはパワーボムのダメージ以上にキツイものがあるでしょう。ただ、越中は両手を挙げたりしてアピールすることがよくあります。あれはよくない。体重かけなくても3カウント奪えるのならいいのですが、もし2カウント留まりだと、「余計なアピール」と言わざるをえないでしょう。

次に大事なのが相手を叩きつける角度でしょう。
ライガーボム状に叩き付けるよりも、普通に立ったまま叩き付ける方が角度はつけやすいように思われます。
ただし、ルー・テーズの“元祖”パイルドライバーや、猪木がモンスターマンに決めた一撃、または記憶に新しい99年1月の川田が三沢に決めたウラカン・ラナ返しパワーボム等は角度をつけ過ぎです。あそこまでいくと、レスリングか後頭部叩き付けショーか、区別がつかなくなってしまいます。

高さは見栄えという点では大事ですが、“高く上げる”よりも“相手をしっかり叩きつける”ことの方が重要だと思われます。

高さと叩きつけが究極までに合わさっているのがワイルド・ペガサスのパワーボムでしょう。特に、好敵手であったブラックタイガー(エディ・ゲレロ)との対戦では凄まじいまでのパワーボムを用いていました。

誰でもやるパワーボム、改良が相次ぐパワーボム。しかし、一番ノーマルな形のパワーボムでさえも、これだけの奥深さがあるわけです。プロレスってほんとに奥が深いですね。



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'99G1、中西優勝を考える



G1の優勝者予想というのはもの凄く当てづらいものです。
私は今年は天山だと予想していたのですが、ものの見事に外れてしまいました。
でもまあ(負け惜しみ臭いことを言いますが)、「絶対に第三世代が優勝する」という予想は当たった訳ですし、よしとしましょう。
では、何故私が「第三世代が優勝する」と予想したかについて説明させていただきます。

G1第三回からの優勝者を並べると、藤波、蝶野、武藤、長州、健介、橋本、となります。
一人での複数回優勝はありません。奇麗すぎるほどに順番に優勝しています。で「今年も越中と山崎の優勝はない!」とすれば、自ずと第三世代の優勝というのは導き出せると思います。それほど難しいことは考えてませんよね?

ではG1の予想がなぜ困難かと言うと、第一回、第二回のせいです。第一回で蝶野が優勝すると予想できた人はかなり少なかった筈です。さらに第二回で連続優勝するなんてほぼ誰も予想できなかったのではないでしょうか? さらに第四回でも優勝しましたしね(第四回終了の時点で蝶野は四回中三回優勝というスゴイ事をやってるわけです)。

それで、ずっとG1を見続けていると、あの時のインパクトが忘れられず、「また予想を裏切るような結果になるさ」と思い込み、「予想外の優勝者が出る」と予想してしまうわけです。

今後三年で天山、小島、永田が順番に優勝するようであれば、新日本のマッチメーカーさんの技量を疑いますね。もっと我々の予想を覆し、期待をいい意味で裏切るようなG1に期待したいと思います。
西村が早く復帰してくれればいいんですけどね。あと、藤田も頑張れ!



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U系、尻すぼみ



最近、U系団体に元気がありません。

その理由にはいろいろ挙げられます。「カリスマの不在」、「各団体が鎖国の為、日本人対決のマンネリ化」、「入場料の高騰」、「ネガティブファイトの頻発」等々…。

しかし、私の考える一番大きな理由は「U系には好勝負はあっても名勝負は生まれ難い」です。

“好勝負”と“名勝負”は別物です。
好勝負とは単なる「いい試合」であり、見た人を満足させることはできますが、観客動員には特に結びつきません。
名勝負とは好勝負にドラマが加わったもののことです。名勝負なしでは、なかなか団体の繁栄はありえません。

しかし、U系には月イチ興行という原則がある為、ドラマが非常に作り難いわけです。
ただ単に、試合をします→特にテーマはありません→でもいい勝負でした、の繰り返しではファンは飽きてしまいます。

UWFが確立されてから十年以上経ちますが、ここにきて限界が近づいて来ているように思えます。
もう一度、第二次UWF発足当時のような勢いを得る為には団体の垣根を壊すしか無いような気がします。それを一番実行しているのがPRIDEです。パンクラスやリングスはPRIDEに喰われてしまわないようにと願うばかりです。




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