名興行を振り返る 第一回



私が独断と偏見で選んだ名興行を振り返ります。
第一回の今回は、95年10月25日の全日本プロレス・ 日本武道館大会です。

この大会のカードは以下の通りです。

手元に資料が無いため全カードが分かりません(涙)。ご存知の方は、是非私にご一報ください。
1, 志賀賢太郎
vs
ロブ・ヴァン・ダム
馬場さんの記念試合とか、外人の6人タッグとか、ハンセン&スミス組とか
セミ, 川田利明
vs
ゲーリー・オブライト
メイン, 三沢光晴
vs
小橋健太


メインが今なら黄金カードの三沢vs小橋ですが、この当時はまだ超世代軍の同門対決というシチュエーションで、武道館に立ち見が何重にもなるようなカードではありませんでした。
それよりも話題を集めたのが、セミファイナルでの川田vsオブライトの初対決です。

このシリーズはUインターを離脱したオブライトが全日本プロレスに初参戦したシリーズであり、川田とのシングルはオブライトの全日本での初シングルでもありました。
全日本はU系の初遭遇で一体どのような試合を見せるのか!? さらにほぼ同時期に新日本vsUインターの全面対抗戦が大きな注目を集めていましたので、それと並行して対Uインターとの番外戦として見る人も多かったと思います。


川田は、オブライトのU系的な動きにも巧く対応をみせ、最後は腕ひしぎ逆十字固めで勝利を収めます。一方ではダッシュしてのフロントキックや打撃技の打ち合い等の全日本的な攻防も見せ、全日本プロレスとしての主張をすることも忘れませんでした。
一般的には、オブライトの全日本でのベストバウトはこの試合だと言われていますが、試合の緊迫感といい、お互いが持ち味を発揮した点といい、確かに名勝負と言われるに十分な試合でした。

そしてメインイベントでの3冠戦は、後に2年連続年間ベストバウトを受賞する三沢vs小橋の試合です。
試合開始直後に小橋が放ったオレンジクラッシュの体制が不十分で、小橋の足の上に三沢が落ちます。これで三沢は背中を、小橋は左足をそれぞれ痛めるのですが、その影響を35分に及ぶ試合中に全く感じさせないまま、大技の応酬という四天王対決らしい攻防を展開します。
セミファイナルで一度観客の興奮が頂点に達していますので、その直後の試合というのは非常にやりにくかったと思いますが、見事に観客を熱狂させる名勝負でした。


この日の興行では、セミファイナルでU系に対して相手の持ち味を殺さずに勝利を収めるという懐の深さを披露し、メインで同門対決による濃密な試合で「これが全日本!」という無言の主張を行いました。
メジャー団体の底力を見せつけるかのようなこの2試合に、武道館に足を運んだファンをきっと満足したことでしょう。



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